【コラム:親の老人ホーム探しで見えた「終わりの見えない不安」介護費用は予測不能】
さて、筆者自身、親の老人ホーム探しをした経験があります。
その際、一番の気がかりだったのは「最初に提示された料金が、その後も本当にそのまま続くのか?」ということでした。
予算内に収まる施設を見つけても、将来的に物価高などで値上げされたら支払っていけるのか。
そもそも、この支払いが「いったい何年間続くのか」。そういった先の見えない不安は、老後の資金計画において非常に大きなプレッシャーになると痛感しました。
介護にかかる費用と期間のリアル。在宅と施設でいくら違う?
筆者も直面した介護の不安ですが、実際のデータを見てみましょう。
生命保険文化センターの2024年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、介護を行った期間は平均で「4年7カ月(55.0カ月)」となっています。
介護を行った場所別介護費用(月額)
また、月々の介護費用は平均9.0万円ですが、介護を行った場所別に見ると「在宅が平均5.3万円」「施設が平均13.8万円」と、施設介護を選択した場合、大きな負担となることがわかります。
ただしこの平均額は支払った費用がない人を0円として算出された平均額。
ひとくちで施設介護といっても、特別養護老人ホームなどの公的施設から、民間の有料老人ホームまで色々です。
LIFULL 介護の試算によれば、1年間の在宅介護を経て有料老人ホームに5年間入居した場合、一人あたりにかかる介護費用の総額は約2300万円(2295.6万円)にのぼるとされています。
要注意!介護施設の「入居後値上げ」リスク
そして、筆者が最も不安に感じた「入居後の値上げ」は、決して杞憂ではありません。
老人ホーム「値上げの理由」
株式会社Speee(ケアスル 介護)が実施した調査によると、介護施設に入居後、実際に支払う月額費用が「入居時より高くなった」と回答した家族は26.4%にのぼります。
また、施設から値上げを通知された経験がある家族も約4割(39.35%)存在し、その主な理由は「物価・光熱費の上昇(60.31%)」「食料品・日用品の値上がり(48.97%)」などとなっています。
施設側の経営努力だけでは抑えられないコストの上昇が、結果的に利用者の負担として跳ね返ってきているのが実態です。
関連タグ
証券外務員二種・相続診断士・認知症介助士。厚生労働省等の一次資料分析や「お金と暮らし」に関する記事を執筆。15年超の校閲経験と自身の介護知見を活かした、正確で信頼性の高い発信に強み。早稲田大学卒。
PROFILE
【保有資格】 二種外務員資格(証券外務員二種)、相続診断士、認知症介助士、日本園芸協会認定ガーデンコーディネーター 【経歴】 早稲田大学第一文学部史学科卒。書籍校閲者として人文・社会系一般書籍や教育教材などの制作に15年以上従事。 現在は金融メディア『LIMO(リーモ)』にて編集・執筆を担当。総務省や厚生労働省などが公表する「一次データ」を読み解く分析記事を得意とする。長年の紙媒体で培った編集力と、自身の家族介護から得たリアルな知見を掛け合わせ、「お金とくらし」にまつわる情報を読者目線で丁寧に発信している。 趣味は俳句とガーデニング。「言葉と暮らしを丁寧に紡ぐこと」をライフワークとしている。