会社が見込む翌期の増収減益
会社は2027年3月期を増収減益と見込む。売上高2兆6,050億円(+7.5%)に対し、経常利益1,850億円(▲12.4%)、純利益1,950億円(▲7.9%)という計画だ。その要因について会社は、コンテナ船部門はスエズ運河の迂回や中東情勢の緊迫による費用増加で利益水準が低下し、物流事業は買収に伴うのれん償却の計上で利益が下がる。そして、自動車事業は中東情勢を背景に輸送台数が減少する見込みで、一方でドライバルクとエネルギーは市況が堅調に推移してLNG船も安定収益を見込むとしている。
株主還元も減益の影響を受ける。年間配当は230円と前期の325円から引き下げられ、配当性向は45.6%。翌期は200円への減配が計画されている。自己資本利益率(ROE、株主資本に対する利益の効率)は7.1%で、海運業の中央値である7%台とほぼ並ぶ。異常な高収益から業界の平時へ戻りつつある局面と読み取れる。
筆者コメント
同社の直近1年を、株価と利益の両面から眺めると、減益の中身が段差になっている点が目を引く。営業利益から経常利益、純利益へと下るにつれて減益率が大きくなる。その一段は、会社が明示した持分法投資利益という「外部の器を通る利益」のブレによって作られている。
つまりこの会社の稼ぐ力は、自前の本業で積む部分と、持分法を経由して映る部分の二層でできている。前者は自動車船やエネルギーが下支えし、後者はコンテナ船市況に揺れる。来期の減益要因として会社がコンテナ船の費用増を挙げたことは、二層目がまだ揺れることを示唆している。
株価が先に水準を切り上げたぶん、確かめたいのは本業側の底堅さがどこまで持つかだ。市況が映る二層目ではなく、自前で積む一層目の厚みに、次の四半期は目を向けたい。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
参考資料
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
オリックスなどの国内金融機関出身。日本株アナリストおよび財務アドバイザーとして決算分析や資金調達を主導。「日経CNBC」出演などメディアを通じた相場解説の実績も豊富。企業財務に精通し、現在はモニクルリサーチで金融ニュースの深掘り記事を発信。
