執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ
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5期連続増配とDOE中央値超え、5年TSRは12倍超に到達

見るべきは、こうした利益拡大局面が株主還元姿勢と対応して進んできた点ではないでしょうか。

分割調整後の1株配当は2022年3月期の10円から、2023年3月期13円、2024年3月期20円、2025年3月期23円、2026年3月期25円と積み上がり、翌2027年3月期は29円が予想されています。連続増配は5期に達しました。

純資産配当率(DOE)は2.86%と機械中央値の2.83%を上回り、配当水準そのものが業種の絶対値としても厚めの位置にあります。

過去5年で見た株主総利回り(TSR)は12.51倍と、同期間のTOPIX 2.02倍を大きく引き離しました。防衛関連の追い風や大型プラント需要の環境が業績と株価の両方に反映されてきた姿として読み取れます。

株価は1年で小幅上昇、2月月末には5,000円台のピークを経て下押しと戻り

出所:各種資料をもとに筆者作成1/1

株価の直近1年(月末終値ベース、参照期間は2025年8月末〜2026年7月執筆時点)の推移は、これらの業績成長と評価水準の綱引きを反映していると考えられます。

2025年8月末は3,700円台で推移していた後、上昇基調に転じ、2026年2月末には直近1年の中で最も高い水準である5,000円台まで一時切り上がる場面がありました。

その後は下押しに転じ、2026年6月末には直近1年の中で最も低い水準である3,600円台まで沈みました。ピーク時と比較しますと3割弱の下押しにあたる大きな動きです。

そこから2026年7月には3,800円台まで戻したものの、起点の2025年8月末と直近を比べますと、1年トータルでは小幅な上昇にとどまっています。過去5年で株価がTSRベースで12倍超と評価水準が既に大きく積み上がっていることを踏まえますと、直近1年は「積み上がった評価水準の消化局面」として受け止められる位相です。

筆者コメント

一般に「重工業」と聞くと、成熟産業でボラティリティも低く、緩やかな利益成長というイメージが先に立ちます。しかし同社の過去5年のTSRと業績トラックを眺めますと、そのイメージとは異なる姿が確認できます。5期連続で利益を積み上げ、株主総利回りは業界平均を大きく超えて拡大してきました。

一方で、直近1年の株価が小幅な上昇にとどまっている点は、業績成長率と株価変動率の間に生じた「積み上がった期待の消化」の姿とも読み取れます。翌期予想は営業利益ベースで見ますと前期の+21.8%から鈍化する見通しで、成長率そのものの位相が変わる局面に差し掛かっているとも考えられます。

長期の連続増益銘柄を眺めるときは、実績や予想の絶対値だけでなく、成長率の変化と評価水準の積み上がりを同時に見ていく着眼点が有効ではないでしょうか。

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