【1Q決算前のおさらい】商船三井(9104)、2026年3月期通期は営業利益-15.8%で当期利益-49.9%。1年株価は逆行高
Tada Images/Shutterstock.com
執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ
08:00
【1Q決算前のおさらい】商船三井(9104)、2026年3月期通期は営業利益-15.8%で当期利益-49.9%。1年株価は逆行高
Tada Images/Shutterstock.com

この記事はここがポイント

  • 減益予想でも株価は大きく上昇、業績と評価の時間軸に乖離。
  • 2026年3月期は大幅減益、翌2027年3月期も減益予想。
  • 過去5期で当期利益は乱高下、TSRはTOPIXを上回る結果。

減益期の株価が、必ずしも減益率と同じ方向に動くとは限りません。市況変動を織り込んで既に評価されている銘柄では、業績が縮む局面でも株価がむしろ堅調に推移することもあります。商船三井(9104)の直近1年は、そのプロセスの縮図として受け止められる動きを見せました。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

それでは早速見ていきましょう。

2026年3月期通期は営業利益-15.8%、当期利益-49.9%と大幅減益で着地

2026年3月期通期の決算内容は、増収の裏で利益が大きく縮む姿となりました。

売上高は1兆8,251億円で前期比+2.8%と微増収を維持した一方、営業利益は1,270億円で-15.8%、経常利益は1,758億円で-58.1%、当期純利益は2,133億円で-49.9%と、二桁の減益で着地しています。特に経常利益が半分以下に縮んだ姿が印象的です。

同時に開示された翌2027年3月期の会社予想は、売上高2兆400億円で+11.8%と増収基調を戻す一方、営業利益1,050億円で-17.3%、経常利益1,450億円で-17.5%、当期純利益1,700億円で-20.3%と、さらなる利益後退を織り込んだ数値です。

過去5期の当期利益はピーク7,961億円から2,133億円へ、ROEも大きく低下

背景にあるのは、過去5期の利益推移が極めて大きな振幅を描いてきた点ではないでしょうか。

当期純利益は2022年3月期の7,088億円から、2023年3月期には7,961億円まで積み上がりました。海運市況の追い風が反映された過去最高水準です。

しかしそこから、2024年3月期は2,617億円、2025年3月期は4,255億円、2026年3月期は2,133億円と、ピーク比で4分の1程度の水準まで縮んでいます。年ごとの振れ幅も大きく、シクリカルな業績特性がはっきり出ている姿として読み取れます。

ROEも2022年3月期の76.5%(当期に一過性要因が絡んだ極端値)から、直近の2026年3月期には7.67%まで低下しました。

業種内での相対水準を見ますと、海運業11社(2026年3月期)のROE中央値は7.6%、営業利益率中央値は7.0%です。同社のROE 7.67%、営業利益率7.0%(1,270億円÷1兆8,251億円)は、いずれも中央値と近似の水準に落ち着きました。市況ピーク時の突出した水準は消え、業種平均並みに戻ってきた位相です。

Google で優先するソースとして追加

関連タグ

石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ