この記事はここがポイント
- 60歳以上世帯が国内貯蓄の約6割を保有、2026年還暦世代の貯蓄中央値300万円と大きな隔たり。
- 還暦世代の貯蓄、「100万円未満」31.8%が最多、「500万円未満」は半数超の現実。
- 還暦世代は53.1%が投資未経験、投資層中央値500万円と資産運用スタンス二極化の傾向。
普段IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として、現役世代の資産形成や老後資金準備をサポートしている徳田です。
日々のコンサルティングでも「還暦からのセカンドライフ」に向けたマネープランのご相談は非常に多く、長引く老後に対する皆様の関心の高さを実感しています。
簡易生命表によると60歳の平均余命は男性約24年、女性約29年とされており、現代の還暦はまさにセカンドライフの新たなスタートラインです。本記事では、公的統計や今年還暦を迎える1966年生まれの2000人を対象にした最新データをもとに、シニア世代の気になる貯蓄・投資事情と、セカンドライフに向けた備えの重要性について解説します。
【65歳以上2人以上世帯】貯蓄「中央値1658万円」全世帯の1.4倍!
65歳以上の貯蓄中央値1658万円、全世帯の1.4倍
日本の個人資産の多くは、現在シニア世代を中心に形成されています。内閣府の「高齢社会白書」や総務省の「家計調査」を基にした公的統計を見ると、世帯主が65歳以上の二人以上世帯における貯蓄現在高の中央値は1658万円にのぼり、全世帯の中央値(1189万円)の約1.4倍となっています。
国内の貯蓄「約6割」を保有する60歳以上世帯
60歳以上の世帯が国内の貯蓄の「約6割」を保有する現状
さらに規模を広げると、60歳以上の世帯が国内の貯蓄の「約6割」を保有しているのが現状です。4000万円以上の貯蓄を持つ世帯の割合も20.0%を占めており、全世帯の13.9%と比べても高い水準にあります。これらは、現役時代から長年にわたってコツコツと資産形成を続けてきた結果が、数字として表れていると言えるでしょう。
【監修者コメント】
公的統計からはシニア世代全体の豊かな資産状況がうかがえますが、日々の相談現場では「うちは平均に全然届いていない」と焦りや不安を抱える方の声を多く耳にします。では、今年まさにセカンドライフの入り口に立つ「還暦世代」に焦点を当てると、どのような現実が見えてくるのでしょうか。
【2026年に還暦を迎える世代】貯蓄「中央値300万円」投資する・しないで二極化も顕著
PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)が、今年還暦を迎える1966年生まれの男女2000名(全国で約130万人)を対象に実施した調査からは、先ほどのシニア全体の恵まれたデータとは少し異なる、現代シニアの「リアルな経済事情」が浮き彫りになりました。
貯蓄額の実態:進む二極化
現段階での貯蓄金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)をみると、還暦を迎える時点での蓄えには明確な二極化が生じている実態が見て取れます。半数以上の人が500万円未満の貯蓄にとどまっている一方で、2000万円以上の資産を保有する層も全体の2割存在しています。
現段階の貯蓄額
- 貯蓄金額の平均値:1343万円
- 貯蓄金額の中央値:300万円
主な分布割合
- 「100万円未満」(最多回答):31.8%
- 「500万円未満」の合計:54.3%
- 「2000万円以上」の割合:20.1%
投資への取り組み:分かれるスタンス
また、株式や投資信託といった資産運用への取り組みについても、スタンスが大きく分かれました。
現段階の投資金額
- 投資を行っていない人(0円):53.1%
- 投資を行っている人:46.9%
投資層の投資金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)
- 平均値:1729万円
- 中央値:500万円
投資を行っていない人が過半数を占める一方で、投資を行っている約半数の人は、セカンドライフを見据えてかなりまとまった資金(中央値500万円)をアクティブに運用している様子がうかがえます。
まとめにかえて
今回は、データから読み解くシニア全体の資産状況と、今年還暦を迎える方々のリアルな懐事情について解説しました。 高齢者全体で見れば豊かな資産を持つ層が多いものの、いざ「還暦」という節目を迎える家計の実態(貯蓄中央値300万円)を知って、驚きや不安を感じた方も多いのではないでしょうか。
私自身、普段のアドバイスでは「難しい専門用語を使わず、まずは現状をシンプルに整理すること」を大切にしています。もし老後資金に不安を感じているのであれば、まずはご自身のねんきん定期便を確認し、今後の収支を「見える化」することから始めてみてください。
将来ゆとりのある老後生活を送るためには、健康なうちは長く働くという選択肢が、今後ますます当たり前の姿になっていくでしょう。それに加えて、NISAなどを活用して「お金にも働いてもらう(資産運用)」仕組みを少額からでも並行して作っていくことが、セカンドライフの安心につながると確信しています。
参考資料
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ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格、FP2級及びTLCを保有。オリックス生命出身。若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・債券・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
PROFILE
ファイナンシャルアドバイザイー。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員(証券外務員一種)、TLC(生保協会認定FP) を保有。大学卒業後、ブライダル業界へ。その後、オリックス生命保険株式会社、大手総合保険代理店にてFPとして個人向けコンサルティング業務に従事。特にはたらく世代の資産形成や老後資金準備のサポートを得意とする。「シンプルで分かりやすい」をモットーに専門用語を使わない丁寧なアドバイスが強み。現在はIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として、資産運用・保険の見直しなど幅広くコンサルティング業務を行う。また、くらしとお金の経済メディア「LIMO」でも執筆を行う。京都府宇治市出身。(2026年7月11日更新)
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元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
PROFILE
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO&ファイナンス編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
