この記事はここがポイント
- バルニバービ7月末優待は100株3,000円相当の電子チケットや商品選択
- 権利確定は7月末日、権利付最終日までの購入が必須
- 直近の第3四半期は増収大幅減益も、通期計画と配当予想は据え置き
外食産業の売上は、コロナ禍による深刻な低迷期を経て、着実な回復傾向を見せています。
一般社団法人日本フードサービス協会が発表した「2025年(令和7年)年間結果報告」によると、外食市場全体の売上高は前年比107.3%(全店ベース)と前年を上回る推移となりました。
円安や原材料高に伴うメニュー価格改定によって客単価が104.3%と上昇したことが全体の売上を押し上げたほか 、インバウンド需要の拡大や大阪・関西万博(4月〜10月開催)の好影響も業界復調の追い風となっています。節約志向が高まる一方で「ハレの日の外食」への消費選別も進むなど 、外食市場には新たな変化が広がっています。
こうした追い風のなか、都市部を中心に「GARB」などの人気カフェやレストランを企画・運営し、近年では兵庫県・淡路島を舞台とした食・宿泊・地方創生事業でも大きな話題を集めているのがバルニバービ(3418)です。
同社は洗練された店舗づくりはもちろんのこと、「個人投資家から人気の高い株主優待銘柄」としても広く知られています。
そして、いよいよ近づいているのが「7月末」の株主優待の権利確定日です。
バルニバービの株主優待は年に1回(7月末)の実施ということもあり、「具体的にどんな優待がもらえるの?」「店舗が近くになくても使える?」「いつまでに株を買えば権利が取れるの?」といった疑問や関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
同社の株主優待は、店舗で1円単位から使える電子チケットをはじめ、自家焙煎コーヒーやスイーツなどのオリジナル商品、ECサイトで使える割引コードなど、多様なニーズに応える豪華な内容が魅力です。
そこで今回は、7月末の権利確定に向けてバルニバービの株主優待の内容と権利確定までのスケジュールを分かりやすく整理しつつ、気になる直近の業績動向までをあわせて確認していきましょう。
バルニバービ株主優待の基本の仕組み
バルニバービの株主優待は、現金や紙の優待券ではなく、スマートフォンなどから利用する「電子チケット」を中心とした選択式の優待です。
保有株数に応じて決まる優待金額の枠内で、お食事券(電子チケット)・ECサイト割引コード・オリジナル商品を組み合わせて選ぶ仕組みになっています。
優待の対象となる株主
優待の対象となるのは、毎年7月末日時点の株主名簿に単元株(100株)以上を記載されている株主です。
継続保有はこの電子優待そのものの受給条件には含まれておらず、7月末の基準日時点で単元株以上を保有していれば対象となります(後述する応募式抽選会は継続保有が条件です)。
保有株数に応じた優待金額
保有株式数に応じた優待金額は、次のとおりです。
- 100株:3,000円電子チケット
- 200株:6,000円電子チケット
- 300株:9,000円電子チケット
- 400株:12,000円電子チケット
- 500株:15,000円電子チケット
- 600株:18,000円電子チケット
- 700株:21,000円電子チケット
- 800株:24,000円電子チケット
- 900株:27,000円電子チケット
- 1,000株:30,000円電子チケット
100株につき3,000円分の優待が付与される計算で、以降は保有株数に比例して優待金額が増えていく設計です。
優待内容は3種類から組み合わせ選択
優待金額の範囲内で選べる商品は、次の3種類です。
- お食事券(電子チケット)
- ECサイト割引コード
- 同社オリジナル商品
ただし、これらはどの金額でも自由に組み合わせられるわけではなく、選択できる組み合わせパターンがあらかじめ決められています。
詳細は公式サイトの「保有株式数別選択可能パターン」で確認する必要があります。
食事券(電子チケット)の使い方
食事券は「おさいふPay」のアカウントを登録したうえで使う、1円単位で利用できるウォレット式の電子チケットです。
利用の流れは次のとおりです。
- メールに記載のURLへアクセスし、メールアドレス登録後パスワードを設定してアカウントを登録
- 付与された金額を確認後「追加する」を押し、株主優待を受け取る
- 追加完了結果を確認後「トップへ」を押し、株主優待を表示
- 「支払う」を押したのち、店頭レジのQRコードを読み取り金額を入力して完了
現金やクレジットカードなど各店舗で利用できる支払い方法と併用できますが、他の割引券との併用はできません。
利用できるのはバルニバービグループの対象店舗のみで、食券機のみで提供しているメニューは対象外となる点にも注意が必要です。
額面以下の利用であれば残額は次回以降も使え、お釣りは出ません。
ECサイト割引コードの使い方
同社が運営するお取り寄せサイト「キャンドルテーブル」で使えるクーポンコードです。
割引金額は3,000円と6,000円の2種類で、優待金額に応じてどちらを選べるかが決まります。
1回の注文につき1回のみ利用でき、差額の返金はありません。
オリジナル商品との交換
淡路島の食材を使ったレトルト商品詰め合わせなど、同社オリジナル商品と交換することもできます。
主な商品ラインナップは次のとおりです。
- A:パラディ「いちじくとクルミキャラメルパウンドケーキ」(3,000円)
- B:自家焙煎コーヒードリップパック詰め合わせ(3,000円)
- C-1:ギフトセットA(淡路島素材のレトルト詰め合わせ、6,000円)
- C-2:ギフトセットB(レトルト詰め合わせ+オリジナルブレンド米、9,000円)
- C-3:ギフトセットC(レトルト詰め合わせ+オリジナルブレンド米+焼き菓子、15,000円)
一度申込むと商品の変更はできず、お届け日は申込日を含めて30日以降の日付を指定する必要があります。
商品は予告なく変更となる場合があります。
優待の有効期限
食事券(電子チケット)、ECサイト割引コード、オリジナル商品の申込期限は、いずれも毎年の株主優待お届け日の翌年9月末日までで統一されています。
なお、オリジナル商品自体のお届けは翌年10月末日まで対応されます。
期限を過ぎた優待は理由の如何を問わず利用できないため、届いたら早めに手続きを済ませておきたいところです。
【継続保有者限定】年4回の応募式抽選会
バルニバービには、電子優待とは別に「応募式抽選会」という制度もあります。
対象となるのは、毎年7月末日を基準日として、そこから起算して権利確定日まで同一の株主番号かつ100株以上を継続して株主名簿に記載された株主です。
こちらは電子優待と異なり、継続保有が条件となっています。
抽選会は年4回開催され、権利確定日と開催予定月の関係は次のとおりです。
- 権利確定日:10月末日/開催月(予定):11月/当選連絡(予定):12月
- 権利確定日:1月末日/開催月(予定):2月/当選連絡(予定):3月
- 権利確定日:4月末日/開催月(予定):5月/当選連絡(予定):6月
- 権利確定日:7月末日/開催月(予定):8月/当選連絡(予定):9月
商品例としては、系列レストランのコース料理(1万円相当)やホテルのペア宿泊券、キャンドルテーブルの利用チケットなどが挙げられています(時期によって内容は変更されます)。
応募は公式サイトの申込フォームから行う形式で、落選した場合の食事券贈呈などのフォローはありません。
また、婚姻・転居や証券会社の変更などで株主番号が変わると継続保有とみなされなくなる可能性があるため、該当する場合は事前に会社への確認が推奨されています。
権利確定スケジュール(2026年7月末基準の例)
7月末の権利を取るには、権利付最終日までに株式を購入しておく必要があります。2026年7月末を基準とする場合のスケジュールの目安は、次のとおりです。
バルニバービの権利確定スケジュール
7月29日(水):権利付き最終日【最も重要な日です】
- 権利付き最終日(7月29日)の大引け時点で100株以上を保有していれば、今回(2026年7月末基準)の株主優待(電子チケット等)を受け取る権利が得られます
7月30日(木):権利落ち日
- 権利付き最終日の翌日です
- この日に株を売却しても、前日(29日)時点で保有していれば7月末の株主名簿には記録されます
7月31日(金):権利確定日(基準日)
- 帳簿上で株主名簿が確定する日です
権利確定後のスケジュール
過去の基準日(2024年7月末基準)の案内を参考にすると、優待の到着からお届けまではおおむね次のような流れになります。
- 10月末頃:優待受け取り用のQRコードやURLが届く
- 有効期限:翌年(2027年)9月末まで(お食事券・EC割引コード・オリジナル商品申込)
- オリジナル商品のお届け:翌年(2027年)10月末まで
なお、応募式抽選会の対象となるには、7月末基準日から次の基準日(10月末)までの継続保有が必要になるため、抽選会への応募を意識する場合はあわせて確認しておきたいポイントです。
バルニバービ(3418)の最新決算、2026年7月期第3四半期は増収も大幅減益
続いて、直近の業績です。2026年6月12日に開示された2026年7月期第3四半期累計(2025年8月〜2026年4月)の連結決算は、次のとおりです。
- 売上高:110億8,599万円(前年同期比+5.3%)
- 営業利益:2億7,927万円(同▲35.0%)
- 経常利益:2億3,615万円(同▲41.5%)
- 四半期純利益:1億6,952万円(同▲40.0%)
売上高は前年同期を上回ったものの、営業利益以下の各利益は前年同期比で大きく減少する結果となりました。
セグメント別に見ると、主力の「レストラン事業」は売上高101億9,634万円(前年同期比+6.9%)と増収でしたが、セグメント利益は2億5,141万円(同▲27.2%)と減益。
「エステートビルドアップ事業」(地方創再生・エリア開発を手がける事業)は売上高11億6,863万円(同▲4.1%)、セグメント利益2,786万円(同▲66.8%)と、こちらも減収減益となりました。
2026年3月には東京都港区南青山に「LA & LE」、神奈川県相模原市に「CAFFE ITALIANO LOCALE」を新規出店するなど、レストラン事業では新規出店による事業成長を継続。
一方でエステートビルドアップ事業では、淡路島や島根県出雲市のプロジェクトで新施設の開業を進めています。第3四半期連結会計期間末時点の店舗数は104店舗となりました。
なかでも淡路島事業では、北西海岸の「Frogs FARM ATMOSPHERE」で2026年4月にサウナ付きヴィラ型宿泊施設「KAMOME SLOW HOTEL POOL HOUSE」を開業しました。南岸エリアでも2024年7月開業のレストランを核に、2025年4月開業の5棟のコテージホテルが稼働しており、新ホテル開業に向けた準備も進行中です。食を起点に宿泊・観光需要を取り込み、地域活性化を目指すプロジェクトです。
通期の連結業績予想については、2025年9月12日公表の通期計画から修正はなく、次の水準が据え置かれています。
- 売上高:150億9,500万円(前期比+5.3%)
- 営業利益:7億4,000万円(同+15.9%)
- 経常利益:6億8,300万円(同+9.9%)
- 当期純利益:4億4,300万円(同+3.5%)
配当予想については、期末5.00円、年間合計7.50円(前期と同額)で据え置かれています。
外食業界全体としては、日本フードサービス協会が公表した2025年(令和7年)の外食産業市場動向調査によれば、円安を背景とした物価高・原材料高を受けたメニュー価格改定が続き、業界全体の客単価は前年比104.3%、売上高は同107.3%となっています。
一方で消費者の節約志向も強まっており、客数の伸びは頭打ち傾向にあるとされ、業界全体としても「客単価は上がるが客数は伸び悩む」構図が続いていることがうかがえます。
バルニバービの営業利益以下の減益についても、こうした人件費・原材料価格の高止まりが影響している可能性がある点は念頭に置いておきたいところです。
株価・バリュエーションの見方
株価水準についても触れておきます。
2026年7月22日終値は「1142円」でした。
2026年7月期第3四半期末の1株当たり純資産は559.59円のため、この株価をもとに単純計算するとPBR(株価純資産倍率)は2.04倍となります。
また、年間配当予想7.50円をこの株価で割った配当利回りは0.66%です。
優待利回りは、取得する株価と保有株数によって変わります。
たとえば100株(3,000円相当の優待)を株価1,142円×100株=11万4,200円で取得した場合、優待分+配当の利回りはおよそ3.28%となる計算です。
これらの指標は株価の変動によって日々変わるため、最新の株価・配当・優待利回りは、日本取引所グループ(JPX)や証券会社が提供する公式情報、バルニバービのIR情報であわせて確認してください。
まとめ
バルニバービ(3418)は、7月末に株主優待の権利確定日を控えています。
優待は「お食事券(電子チケット)」「ECサイト割引コード」「オリジナル商品」を組み合わせ選択できる形式で、100株保有で3,000円相当から、保有株数に応じて優待金額が増えていく仕組みです。
電子優待自体の受給に継続保有は不要ですが、別途用意されている応募式抽選会に参加するには、同一株主番号での継続保有が条件となります。
権利付最終日は基準日の2営業日前にあたるため、権利取りを検討する場合はスケジュールを確認しておきたいところです。
直近の第3四半期は増収となったものの、営業利益以下は前年同期比で大幅な減益となりました。会社は通期計画・配当予想に変更はないとしています。
優待・配当の利回りは株価によって変わります。最新の情報を公式のIR・開示資料で確認しながら、ご自身の判断の参考にしてください。
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
