【貯蓄と老後格差】二人以上世帯の貯蓄中央値は1777万円、「4000万円以上」保有する世帯の割合と《老後資金不足の現実》を元証券アドバイザーが解説
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執筆者安達 さやかLIMO&ファイナンス編集部記者
14:00
【貯蓄と老後格差】二人以上世帯の貯蓄中央値は1777万円、「4000万円以上」保有する世帯の割合と《老後資金不足の現実》を元証券アドバイザーが解説
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この記事はここがポイント

  • 65歳以上世帯の貯蓄中央値は1777万円、4000万円以上は21.1%の実情。
  • 65歳以上無職夫婦世帯は月4万2434円の赤字、25年で約1273万円の不足試算。
  • 令和8年度国民年金満額月7万608円、厚生年金モデル月23万7279円、家計計画の重要性。

「人生100年時代」といわれる現代、物価の上昇も続いています。

総務省が6月26日に公表した「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)6月分(中旬速報値)」によると、消費者物価指数の総合指数は前年同月と比べ1.7%上昇していることがわかりました。

豊かなセカンドライフを送るためには、十分な資金計画がこれまで以上に重要になっています。

夏のボーナスなどまとまった収入がある一方で、レジャーなどで出費もかさみやすいこの時期こそ、将来の生活について考えてみるよい機会です。

私は元証券会社のファイナンシャルアドバイザーで、数多くのお客様のライフプランに寄り添った資産運用をご提案してまいりました。

かつて「老後2000万円問題」が大きな話題となりましたが、昨今の物価高などの影響もあり、最近では「4000万円」を目標に掲げる人も増えているようです。

しかし、これほどの資産を築き上げるのは、長期的な視点で計画的に進めなければ決して容易ではありません。

そこでこの記事では、公的データをもとに、65歳以上で貯蓄4000万円以上を持つ世帯の割合や、老後の平均的な生活費を解説します。

ご自身の家計状況と比べながら、今後の資産形成を考える上での参考にしてください。

65歳以上で貯蓄4000万円超の世帯はどれくらい?平均と中央値も解説

多くの方にとって、年金の受給が開始される65歳は、老後生活の始まりを意識する一つの節目です。

この年齢から現役を退き、それまでに貯めた資産を切り崩して生活を始める方も少なくありません。

では、実際に世帯主が65歳以上の世帯は、どのくらいの貯蓄を持っているのでしょうか。

総務省統計局が公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」を参考に、65歳以上の貯蓄額の実情を確認します。

65歳以上の貯蓄

65歳以上の貯蓄
65歳以上の貯蓄

この調査結果によれば、世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額は、平均値が2564万円、中央値は1777万円(貯蓄保有世帯のみ)でした。

前年の調査結果では、平均値が2509万円、中央値は1658万円(貯蓄保有世帯のみ)となっていたため、平均値は55万円、中央値は119万円増加しています。

「貯蓄額が4000万円以上の世帯」は全体の21.1%で、約5世帯に1世帯が該当することがわかります。

なお、前年の調査結果では20.0%を占めていたため、貯蓄額が4000万円以上の世帯は1年間で1.1%増えている状況です。

見方を変えれば、残りの8割は貯蓄が4000万円に満たないということであり、まとまった資産形成の難しさがうかがえます。

65歳以上の無職夫婦世帯における老後の平均生活費は月々いくら?

続いて、老後の生活にはどの程度の費用が必要になるのかを確認しましょう。

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」における家計収支は次の通りです。

65歳以上の月の生活費

65歳以上の月の生活費
65歳以上の月の生活費

65歳以上の無職夫婦世帯における1カ月の家計収支

  • 収入合計:25万4395円
    • (内訳)社会保障給付:22万8614円
  • 支出合計:29万6829円
    • (内訳)消費支出:26万3979円
    • (内訳)税金・社会保険料などの非消費支出:3万2850円
  • 収支差額(赤字):▲4万2434円

消費支出の主な内訳

  • 食料:7万8964円
  • 住居:1万7739円
  • 光熱・水道:2万3540円
  • 家具・家事用品:1万1237円
  • 被服及び履物:5354円
  • 保健医療:1万7941円
  • 交通・通信:3万1325円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:2万6538円
  • その他の消費支出:5万1341円(交際費:2万3257円、諸雑費:2万2047円など)

毎月の赤字額は4万2434円です。

この赤字が25年間続くと仮定すると、合計で約1273万円の不足が生じる計算になります。

ただし、近年の物価上昇を考慮すると、生活費が25年間一定であるとは考えにくく、経済状況によって不足額は変動する可能性があります。

月々の生活費の補填に加えて、家電や自動車の買い替え、旅行や趣味、親族との交際、さらには医療や介護にかかる費用なども考慮すると、やはりある程度の貯蓄を準備しておくことが望ましいでしょう。

では、これらの支出を支える主な収入源である公的年金は、一体いくらくらい受け取れるのでしょうか。

先ほどの家計調査では社会保障給付が月々22万8614円でしたが、次に令和8年度の国民年金と厚生年金の受給額モデルを確認します。

令和8年度の年金額はいくら?国民年金と厚生年金のモデルケース

令和8年度の年金

令和8年度の年金
令和8年度の年金

厚生労働省の資料「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、国民年金(老齢基礎年金、満額)は月額7万608円です。

また、標準的な厚生年金の受給モデル(夫婦2人分の国民年金を含む)では、月額23万7279円が支給される見込みです。

なお、この厚生年金のモデルケースは、夫が平均的な収入(平均標準報酬45万5000円)で40年間就業した場合を想定しています。

実際の受給額は個人の収入や加入期間によって大きく異なる点に注意が必要です。

老後資金の必要額は家計の収支次第。まずは現状把握から

ここまで、65歳以上の世帯における平均的な貯蓄額や生活費、年金の受給額について見てきました。

元証券会社のファイナンシャルアドバイザーとして、多くのシニア世代の資産の相談に乗ってきた中で、私はある共通点に気づきました。

それは、「貯蓄が数千万円あっても、自分の家計のリアルな収支が見えていない人は将来の不安を抱えやすくなっており、逆に貯蓄が平均以下でも、収支を把握している人は穏やかにセカンドライフを楽しんでいる」という事実です。

老後資金準備を検討する際は、ご自身の将来の家計が「黒字になるか、赤字になるか」を試算することが大切です。

将来の年金受給見込額は「ねんきんネット」で確認できます。

支出額は、現在の生活費をベースに、減少する仕事関連の費用や、増加する可能性がある趣味にかかる費用や介護費用などを考慮して計算するとよいでしょう。

さらに、毎月の生活費だけでなく、家電の買い替えや車検、住宅維持費といった「数年おきに発生する特別支出」への備えも求められます。

夏休みやお盆休みなど、まとまった時間を確保しやすいこの時期は、今後のライフプランを考えるのによい機会です。

ご自身の将来設計についてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

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安達 さやかLIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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