村岸 理美
【令和8年改正】シニア世代に関わる「医療保険ルール」を現役FPが解説!
今回の医療保険制度改革のポイント
出所:厚生労働省「医療保険制度改正法が成立しました」2/2
医療保険制度を将来にわたり持続可能なものとするため、令和8年5月に全世代の給付と負担を見直す法改正が行われました。ここでは、シニア世代の皆様の生活に特に関わりの深い「3つの改正ポイント」に絞って解説します。
【市販薬の代替】OTC類似薬の自己負担は4分の1増へ。慢性疾患への配慮もあり
鼻炎や胃痛、風邪症状など日常的な医療に用いる医薬品のうち、OTC医薬品(市販薬)で代用可能なものについて、薬剤料の4分の1が別途自己負担となります(令和9年3月施行想定)。 ただし、がんや難病など、配慮が必要な慢性疾患を抱えている方に対しては、別途の負担を求めないなどの特例措置が検討されています。
【高額療養費の見直し】月額上限の引き上げと新たに導入される年間上限
医療保険制度を維持するため、医療費の伸びや所得に応じて、月単位の自己負担限度額(月額上限)が引き上げられます(令和8年8月から順次施行)。 一方で、急激な負担増や長期療養者への配慮として、以下のセーフティネットが用意されています。
- 低所得者・長期療養者への配慮: 住民税非課税世帯など、所得水準が一定以下の方については、月額上限の引き上げを行わず現行の金額が据え置かれます。また、年4回以上高額療養費の対象となる「多数回該当」の金額も据え置かれます。
- 「年間上限」の新設: 月ごとの自己負担額が積み上がっても、新たに設けられる「年間上限額」に達した後は、その年においてそれ以上の医療費の支払いは不要となります。長期療養が必要な方にとって、大きな負担軽減の仕組みとなります。
【金融所得の反映】不公平を解消。保険料や窓口負担への影響は?
確定申告の有無によって窓口負担割合や保険料が変わるという不公平を解消するため、上場株式の配当等の「金融所得」も負担判定に反映されるようになります(公布後5年以内)。 こちらは金融機関等から提出される情報を活用してシステム上で把握するため、ご自身での新たな事務手続きや負担が増えることはありません。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
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