2026年も折り返し地点を過ぎ、本格的な夏を迎える時期となりました。年齢を重ねるにつれ、ご自身の健康や、「もし長期間入院することになったら……」と不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者自身、ファイナンシャルプランナー(FP)として家計のご相談をお受けするなかで、シニア世代の方々から今後の医療費負担を心配する声をよく耳にします。
そこで今回は、厚生労働省の「令和5年患者調査」の結果をもとに、75歳以上のリアルな入院事情について解説します。あわせて、令和8年に予定されている医療保険制度の改正ポイントにも触れ、これからのご負担がどのように変わっていくのか、今後の安心に役立つ情報をお届けします。
【75歳以上の医療】入院日数は平均39日、長引きやすい病気トップ5とは?
日本の医療において、75歳以上の方が占める割合は非常に大きくなっています。実際、入院している推計患者数を見ると、全体の117万5300人のうち半数以上にあたる67万2900人が75歳以上です。人口10万人あたりの入院受療率は全年齢平均の約3.5倍にも上り、外来通院でも全体の約3割を占めています。
年齢階級別にみた施設の種類別推計患者数
また、在宅医療(訪問診療や往診など)を受けている方の約85%が75歳以上となっており、住み慣れた自宅等で医療を受ける高齢者が大部分を占めていることがうかがえます。
75歳以上「入院の長期化」平均在院日数が長い病気とは
ここで気をつけたいのが「入院の長期化」です。全体の平均在院日数が28.4日なのに対し、75歳以上では39.0日と10日以上も長くなっています。 分類ごとの平均在院日数が長い病気の上位5つは以下の通りです。
- 精神及び行動の障害:507.6日(統合失調症や認知症などが含まれる)
- 神経系の疾患:151.6日(アルツハイマー病などが含まれる)
- 循環器系の疾患:43.1日(脳血管疾患単体では80.1日と長め)
- 筋骨格系及び結合組織の疾患:41.5日(関節リウマチなどが含まれる)
- 感染症及び寄生虫症:41.4日(結核などが含まれる)
認知症や神経系の疾患など、継続的なケアが必要な場合は年単位の療養になることもあり、入院期間が長くなる傾向が見られます。
また、入院患者の11.5%は「受け入れ条件さえ整えば退院可能」という状態です。退院後も安心して過ごせるよう、ご家族の負担に寄り添った地域の施設や在宅ケアのサポート体制がますます求められています。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
