この記事はここがポイント
- 配当性向は基本60%以上、今期127.8%の高水準
- 年間配当金は2022年12月期から52円、2026年12月期も同額予想
- 2026年12月期から株主優待は1年以上の継続保有が必須条件
年52円。ポーラ・オルビスホールディングス<4927>(以下、ポーラ・オルビスHD)の1株あたり年間配当金は、2022年12月期から4期続けてこの金額です。
2026年12月期も同じ年52円を予想しています。
金額は変わっていませんが、利益と比べた配当の大きさは変わってきました。
同社の決算補足資料によると、利益のうち配当に回す割合を示す連結配当性向は、2021年12月期の96.1%から2022年12月期は100.5%となり、その後も100%を超えています。今期予想では127.8%です。
同社の事業年度は1月1日から12月31日までです。配当は、6月30日を基準日とする中間配当と、12月31日を基準日とする期末配当の年2回です。
12月末は株主優待の基準日でもありますが、優待を受け取れるのは、前年の12月末から続けて100株以上を持っている株主に限られます。
11月9日には第3四半期決算の発表を控えています。
本記事では、決算発表の前に、「連結配当性向60%以上」という方針と127.8%という今期予想の関係、直近5期の配当金の推移、株価と利回り、12月の権利付き最終日を順にみていきます。
※記事中の株価はすべて終値です。
ポーラ・オルビスHDは「連結配当性向60%以上」が基本方針。今期予想の配当性向は127.8%
配当性向とは、会社が稼いだ利益(親会社株主に帰属する当期純利益)のうち、どれだけを配当に回したかを示す割合です。
「連結配当性向60%以上を基本」とする還元方針を掲げています。
これをもとに「利益成長に伴い安定的な増配を目指す」として、「継続的かつ安定的な現金配当」を基本としています。
自己株式の取得については、投資戦略や株価、流動性などを踏まえて検討するとしています。
方針の60%はあくまで下限の目安で、実際の配当性向はこれを大きく上回っています。
2026年12月期の予想は、1株あたり当期純利益40円67銭に対して配当52円で、配当性向127.8%です。
前期の2025年12月期も121.5%で、純利益94億7,200万円に対し、配当金の総額は115億2,300万円でした。
利益を上回る金額を配当に回している計算です。
一方で、この方針は増配を「目指す」としたもので、将来の配当額を約束するものではありません。
株主資本に対する配当の割合を示すDOE(純資産配当率)は、2025年12月期で7.0%です。
ポーラ・オルビスHDの株価は10月9日終値1,380.5円。予想配当利回りは3.77%
次に、株価と参考指標をみておきましょう。
ポーラ・オルビスHDの10月9日の終値は1,380.5円でした。
この株価をもとにした指標は、PER(会社予想)が33.94倍、PBR(実績)が1.89倍、配当利回り(会社予想)が3.77%です。
2026年の年初来高値は8月12日につけた1,434円、年初来安値は5月26日につけた1,233円です(いずれも取引時間中の値)。
10月9日の終値は、年初来安値を147.5円上回り、年初来高値を53.5円下回る水準です。
ポーラ・オルビスホールディングスの10年チャート
続いて、3.77%という利回りのもとになっている配当金そのものをみていきます。
ポーラ・オルビスHDの配当金の推移。1株あたり年間配当金は2021年12月期の51円から2025年12月期は52円に
1株あたりの年間配当金の推移は次のとおりです。
いずれも中間配当と期末配当を合わせた金額です。
1株あたり年間配当金の推移
決算期:中間配当:期末配当:年間配当
- 2021年12月期:20円:31円:51円
- 2022年12月期:21円:31円:52円
- 2023年12月期:21円:31円:52円
- 2024年12月期:21円:31円:52円
- 2025年12月期:21円:31円:52円
- 2026年12月期(予想):21円:31円(予想):52円(予想)
5期でみると、変わったのは2022年12月期の中間配当が20円から21円になった1円分だけです。
それ以降は、中間21円・期末31円の組み合わせが4期続いています。
この5期で、年間配当金が前の期を下回った年はありません。
今期の2026年12月期は年52円の予想です。
8月6日に発表した2026年12月期第2四半期決算短信によると、中間配当は21円で、期末配当は31円の予想です。
同社は2026年12月期の通期業績予想として、売上高1,730億円(前期比1.6%増)、営業利益173億円(同10.2%増)、経常利益173億円(同1.6%増)、純利益90億円(同5.0%減)を掲げており、2月13日の期初発表から変わっていません。
次の第3四半期決算は11月9日に発表される予定です。
ポーラ・オルビスHDの配当は6月30日と12月31日が基準日
配当を受け取れるのは、基準日の株主名簿に記載または記録されている株主です。
中間配当の基準日は6月30日、期末配当の基準日は12月31日です。
中間配当は取締役会で、期末配当は株主総会で決まります。
なお、実際には権利付き最終日までに株式を買い付ける必要がある点に注意が必要です。
ポーラ・オルビスHDの期末配当の基準日は12月31日。2026年12月の権利付き最終日は12月28日
期末配当は、支払いが決まった場合に、12月31日の株主名簿に載っている株主に支払われます。
権利付き最終日(基準日の名簿に載るために、いつまでに株式を買っておく必要があるか)は年によって変わるので、取引している証券会社の案内で、その年の日付を確認してください。
2026年12月の権利付き最終日は12月28日です。
12月31日は取引所の休業日にあたるため、受け渡しを12月30日までに済ませる必要があり、そこから2営業日さかのぼった日が権利付き最終日になります。
期末配当を受け取れるのは、同社が支払いを決めた場合です。今期の期末31円は予想で、金額は決算の発表で確認できます。
ポーラ・オルビスHDの株主優待は100株以上でポイント制。2026年12月期から継続保有が条件に
12月末日は、株主優待の基準日でもあります。
同社の優待は、持っている株数と保有年数に応じて「株主優待ポイント」がもらえ、ポイント数に応じて同社グループの商品などと交換できる仕組みです。
株を持ち続けていれば、使わなかったポイントは翌年に繰り越せます。
保有株式数・保有年数別の優待ポイント
保有株式数:3年未満:3年以上
- 100〜399株:15ポイント:35ポイント
- 400〜1,199株:60ポイント:80ポイント
- 1,200〜1,999株:80ポイント:100ポイント
- 2,000株以上:100ポイント:120ポイント
同社は1ポイントを100円相当としており、15ポイントではオルビスの日焼け止めセットなど、120ポイントではポーラの「リンクルショット メディカル セラム」などと交換できます。
保有年数は、12月末の権利確定日を迎えるごとに1年と数えます。
2026年12月期からは、保有5年、10年と5年ごとに、通常のポイントとは別に5ポイントが上乗せされる「長期優遇ボーナスポイント」も新しく設けられました。
一方、2026年12月期からは対象となる株主の条件が変わりました。
2025年12月期までは、12月末に100株以上を持っていれば対象でした。
2026年12月期からは、前年の12月末から続けて100株以上を持っていることが条件です。
2026年12月期の場合、2025年12月末、2026年6月末、2026年12月末の3回の株主名簿すべてに、同じ株主番号で100株以上の記載が必要です。
つまり、実質的に1年以上の継続保有の条件が加わったわけです。
そのため、権利付き最終日の12月28日までに初めて100株を買っても、2026年12月期のポイントはもらえません。
そのまま持ち続けた場合、最初にもらえるのは2027年12月期の15ポイントです。
2026年12月期分の申し込みは2027年3月に受け付けが始まる予定なので、2027年12月期分の申し込みもその翌年以降になります。
買ってから実際に商品と交換できるまでには、1年以上かかる計算です。
優待の内容や条件は変更される可能性があるため、公式サイトを確認してください。
記者コメント
ポーラ・オルビスHDは、年52円の配当を4期続けてきました。
ただ、同じ52円でも、利益と比べると配当性向は100.5%から127.8%の予想まで上がっており、方針の「60%以上」という目安をはるかに超えた水準が続いています。
株主優待には、今回の2026年12月の権利確定から、前年の12月末から続けて持っているという、1年以上の継続保有の条件が加わりました。
2025年12月期までのように、12月の権利付き最終日に買えばその年のポイントがもらえる仕組みではなくなっています。
今から買う場合、最初のポイントは早くても2027年12月期の分です。12月の配当を受け取ったあとも持ち続けるかどうかまで含めて、考えておきたいところです。
もっとも、同社の長期の株価の推移をみると、10年前の2016年10月末の終値は2,185円(株式分割の影響を調整した値)でした。
2018年5月に5,410円の高値(取引時間中)をつけたあとは下落が続き、2025年以降は1,100円台後半から1,400円台で推移しています。
10月9日の終値1,380.5円は、10年前を4割弱下回る水準です。
優待のポイントや配当を目当てに長く持ち続けても、購入時より株価が下がり、含み損を長く抱える可能性もあることは念頭に置いておきましょう。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
