この記事はここがポイント
- 2026年7月28日発生の熊本地震後、各企業による迅速な支援対応。
- 地震保険は火災保険とのセット加入が必須、生活再建のための経済的備え。
- 補償額は火災保険の30〜50%上限、損害に応じ「全損」など4段階での支払い。
2026年7月28日、熊本県地方を震源とする大規模な地震が発生しました。気象庁の発表によると、地震発生から1週間程度(特に今後2〜3日の間)は最大震度7程度の地震に注意が必要とされています。
また、揺れの強かった地域では家屋の倒壊や土砂災害の危険性が高まっているため、やむを得ない事情がない限り危険な場所に立ち入らないなど、身の安全を図るよう注意喚起が行われています。
本記事では、このような想定外の事態において被災後の生活を支える経済的な備え、「地震保険」の基本と仕組みについて改めて解説します。
令和8年熊本地震の発生と、各企業の迅速な支援対応
気象庁の報告によると、7月28日16時27分に熊本県熊本地方(深さ16km)を震源とするマグニチュード7.1(暫定値)の地震が発生しました。熊本県の宇城市や氷川町で最大震度7を観測したほか、北陸地方から九州地方にかけて広範囲で震度6強〜1の揺れを観測しています。
令和8年熊本地震「地震発生状況」7月28日16時35分発表
こうした大規模な災害を受け、各企業も被災者支援に向けて迅速に対応を開始しています。例えば、日本生命は公式X(旧Twitter)や公式ホームページを通じて、「令和8年熊本地震により被災された皆様」に向けた特別なお取扱いを発表しました。
日本生命の公式X(旧Twitter)
具体的には、お申し出があったお客様に対して以下の対応を行っています。
- 保険料の払込みに関する期間の延長
- 保険金・給付金・契約貸付金等の簡易なお支払い
- 給付金請求に必要な診断書のお取り寄せができない場合や必要な入院治療を受けられなかった場合の対応 等
いざという時、こうした金融機関や保険会社の特別措置は、被災された方々の当面の生活や手続きの負担を大きく軽減する助けとなります。
被災後の生活を支える「地震保険」の役割
地震による甚大な被害を受けた際、経済的な立て直しをサポートするのが「地震保険」です。
地震保険の補償額は、火災保険の契約金額の30%〜50%の範囲内で設定されます。建物は5000万円、家財は1000万円という上限があるため、地震保険の保険金だけで建物を完全に元通りに再建するのは難しい側面があります。
地震保険は全額補償を目的とするものではなく、被災後の当面の生活を支え、自立を後押しするための「生活再建の立ち上げ資金」として捉える仕組みとなっています。
【全損・一部損】支払額を決める「4つの損害区分」とは?
実際の支払額は、損害の程度に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階で決定される仕組みです。
地震保険(建物・家財)の損害区分
損害区分は以下の4段階です。(平成29年以降保険始期)
- 全損:地震保険金額の100%(時価額が限度)
- 大半損:地震保険金額の60%(時価額の60%が限度)
- 小半損:地震保険金額の30%(時価額の30%が限度)
- 一部損:地震保険金額の5%(時価額の5%が限度)
重要な注意点として、地震保険は単体で加入することはできず、必ず火災保険とセットで契約する必要があります。
地震保険は火災保険とセットで加入
通常の火災保険では、地震を原因とする火災や延焼による損害は補償対象外となるため、地震保険への付帯が必須となります。すでに火災保険に加入している場合でも、契約期間の途中から地震保険を追加することが可能です。
まとめにかえて
筆者はかつて生命保険会社に勤務し、生命保険・損害保険双方の実務を経験してまいりましたが、過去の災害対応におきましても、保険をはじめとする経済的な備えが被災された方々の生活再建を後押しする事例を数多く確認してまいりました。
保険金だけで失われたすべてを元通りにすることは難しくとも、当面の生活資金が確保されることで、再出発に向けた負担が軽減される側面は決して小さくありません。
現在、直接的な被害を受けていない地域におきましても、これを機にご自身の火災保険の契約内容や、地震保険の付帯状況を一度確認しておくことが推奨されます。平時のわずかな確認が、いざという時の助けにつながります。
被災された地域の皆様の安全が確保され、一日も早く平穏な日常が戻ることを心よりお祈り申し上げます。
参考資料
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
