2026年度の国民年金「満額ひとり月額7万608円」4年連続のプラス!「将来、年金は本当にもらえるの?」国の財政検証からわかる年金制度の今後
years44/shutterstock.com
執筆者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
18:30
2026年度の国民年金「満額ひとり月額7万608円」4年連続のプラス!「将来、年金は本当にもらえるの?」国の財政検証からわかる年金制度の今後
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7月初旬、夏空が多くなってきましたが、老後の生活設計について考える方も多い季節です。筆者は、ファイナンシャルプランナーとして活動する中で、お客様から「将来、本当に年金はもらえるのでしょうか」といった不安の声を耳にすることが少なくありません。

来月8月14日(金)は今年4回目となる年金支給日を迎えます。今回は最新の改定情報とあわせて、年金制度に関する疑問について、国のデータを基にわかりやすく解説します。

2026年度の国民年金「満額ひとり月額7万608円」4年連続のプラス!

日本の公的年金は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建てで構成されています。多くのシニア世帯にとって、年金は生活の基盤となる大切な収入源ですが、それだけで十分とはいえないケースも少なくありません。

そのため、不足分をどのように補っていくかを考えることが重要です。2026年4月分から支給される年金額は、最近の物価や賃金の変動を反映して改定されました。

今回の改定により、国民年金は前年度と比べて月額1300円増額され、満額で受け取る場合は月額7万608円になります。

令和8年4月分(6月15日(月曜)支払分)からの年金額

令和8年4月分(6月15日(月曜)支払分)からの年金額
出所:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
令和8年4月分(6月15日(月曜)支払分)からの年金額

2026年度の改定で、年金額は4年連続のプラスとなりました。改定率を見ると、国民年金は1.9%、厚生年金は2.0%の引き上げとなっています。

厚生年金の平均受給額は月15万円台が実態。男女差も確認

それでは、実際に年金を受け取っている方々の平均額はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金を含む)の平均受給月額は15万289円です。しかし、この金額には男女で大きな差が見られるのが実情です。

《男女別の平均年金月額》

  • 男性の平均:16万9967円
  • 女性の平均:11万1413円

※上記の金額は国民年金部分を含みます。

これらの平均額は、あくまで参考値です。実際の受給額には大きな個人差があり、月1万円未満の方から30万円を超える方まで様々です。これは、現役時代の働き方や年金への加入期間が、受け取る年金額に直接影響する仕組みだからです。

「将来、年金は本当にもらえるの?」国の財政検証からわかる年金制度の今後

少子高齢化が進み、物価の上昇も続いているため、「このまま年金制度は維持されるのだろうか」と将来に不安を感じる方も少なくないでしょう。

国は、年金制度の持続可能性を検証するため、少なくとも5年に一度「財政検証」という定期的なチェックを実施しています。これは、今後約100年間の年金給付と保険料負担のバランスを確認するものです。今回は、最新の財政検証の結果を基に、年金に関するよくある疑問にお答えします。

公的年金財政の長期的な均衡イメージ

公的年金財政の長期的な均衡イメージ
出所:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金・令和6(2024)年財政検証結果」
公的年金財政の長期的な均衡イメージ

疑問1:年金制度は将来破綻してなくなってしまう?

回答:破綻を防ぐ「マクロ経済スライド」という仕組みがあります

マクロ経済スライドと所得代替率の関係

マクロ経済スライドと所得代替率の関係
出所:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金・令和6(2024)年財政検証結果」
マクロ経済スライドと所得代替率の関係

国は、約100年という長期的なスパンで年金制度が維持できるかを入念に検証しています。社会情勢の変化、例えば現役世代の人口減少などに対応するため、「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されています。

これは、現役世代の数や平均余命の変化に応じて、年金の給付水準を自動的に調整する機能です。この仕組みによって、年金制度が破綻することなく、将来にわたって持続可能となるように設計されています。

疑問2:将来受け取れる年金額は減っていく?

回答:若い世代ほど実質的な受給額は増える見込みです

老齢年金の年金月額分布の変化(生年度別)ー現行制度、男性ー

老齢年金の年金月額分布の変化(生年度別)ー現行制度、男性ー
出所:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金・令和6(2024)年財政検証結果」
老齢年金の年金月額分布の変化(生年度別)ー現行制度、男性ー

厚生労働省「いっしょに検証!公的年金・令和6(2024)年財政検証結果」では、世代ごとの将来の年金額分布が初めて推計されました。その結果、若い世代ほど将来受け取る年金の平均額(物価変動を考慮した実質的な価値)は、増加する見通しであることが明らかになりました。その主な理由は以下の通りです。

  • 就労期間の長期化:より長く働くという社会的な傾向が広がり、年金の保険料を納める期間が延びるため。
  • 賃金水準の上昇:実質的な賃金が上昇することで、それに応じて将来の年金受給額も増えるため。

特に、社会で活躍する女性が増えることで、女性の平均年金額は大幅に増加すると予測されています。

ここがポイント!

ここでいう「実質的な価値」とは、将来の物価上昇の影響を考慮しても、その価値が目減りしないことを意味します。つまり、単に額面上の数字が増えるだけでなく、将来の生活水準を維持できるだけの「購買力」が確保される見通しであり、安心材料の一つといえるでしょう。

まずは自分の年金見込額の確認から

この記事では、2026年度の年金改定の内容や平均受給額、そして年金制度の将来に関する疑問について解説しました。

厚生年金の平均額からは、現役時代の働き方が将来の受給額に大きく影響することがわかります。年金制度がなくなる心配は低いものの、最も重要なのは「自分が将来いくら受け取れるのか」を具体的に把握することです。

2026年度の国民年金は満額で月1300円の増額となり、生活への影響も考えられます。まずは「ねんきん定期便」などを活用してご自身の年金見込額を確認し、公的年金制度について正しく理解することから始めてみるのがおすすめです。

参考資料

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村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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