【1Q決算前のおさらい】三菱重工業<7011>、2026年3月期通期は営業利益+21.8%で5期連続増益。過去5年TSR12倍の位相
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執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ
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【1Q決算前のおさらい】三菱重工業<7011>、2026年3月期通期は営業利益+21.8%で5期連続増益。過去5年TSR12倍の位相
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この記事はここがポイント

  • 三菱重工業の2026年3月期通期は営業利益が前期比+21.8%の5期連続増益
  • 過去5年間の株主総利回り(TSR)12.51倍、TOPIX 2.02倍を大幅に超える実績
  • 直近1年の株価は小幅上昇に留まる一方、過去5年TSR12倍超の評価水準消化局面

連続増益銘柄でも、株価の1年推移が業績成長率と同じ勢いで動くとは限りません。過去数年で株価がすでに大きく評価されている銘柄では、直近1年の値動きが小幅な調整局面に入ることもあります。三菱重工業<7011>の直近1年は、そのプロセスの縮図として受け止められる動きを見せました。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

それでは早速見ていきましょう。

2026年3月期通期は営業利益+21.8%、翌期予想も+14.4%増益で持続性が続く

2026年3月期通期の決算内容(IFRS=国際財務報告基準)は、力強い増収増益となりました。

売上収益は4兆9,742億円で前期比+11.6%、営業利益は4,322億円で+21.8%、親会社株主に帰属する当期利益は3,321億円で+35.3%と、いずれも二桁の増益で着地しています。

同時に開示された翌2027年3月期の会社予想は、売上収益5兆4,000億円で+8.6%、当期利益3,800億円で+14.4%と、増益基調の継続を織り込んだ数値です。増収の勢いは緩やかに減速しつつも、利益成長は続く見通しとなっています。

過去5期の営業利益は5期連続増益、ROEも12%台まで切り上がる

背景にあるのは、過去5期の利益トレンドが一貫した増益トラックを描いてきた点ではないでしょうか。

営業利益は2022年3月期の1,602億円から、2023年3月期1,933億円、2024年3月期2,825億円、2025年3月期3,550億円、2026年3月期4,322億円と、5期連続の増益となりました。5期間で営業利益はおよそ2.7倍に拡大した計算です。

ROE(自己資本利益率)にも同じ位相が映っています。2022年3月期の7.72%から、直近の2026年3月期には12.22%まで切り上がりました。

業種内での相対水準を見ますと、機械158社(2026年3月期)のROE中央値は7.8%、営業利益率中央値は7.9%です。同社のROE 12.22%、営業利益率8.7%はいずれも中央値を明確に上回っており、稼ぐ力の相対的な厚みが業種内でも上位帯に位置しています。

5期連続増配とDOE中央値超え、5年TSRは12倍超に到達

見るべきは、こうした利益拡大局面が株主還元姿勢と対応して進んできた点ではないでしょうか。

分割調整後の1株配当は2022年3月期の10円から、2023年3月期13円、2024年3月期20円、2025年3月期23円、2026年3月期25円と積み上がり、翌2027年3月期は29円が予想されています。連続増配は5期に達しました。

純資産配当率(DOE)は2.86%と機械中央値の2.83%を上回り、配当水準そのものが業種の絶対値としても厚めの位置にあります。

過去5年で見た株主総利回り(TSR)は12.51倍と、同期間のTOPIX 2.02倍を大きく引き離しました。防衛関連の追い風や大型プラント需要の環境が業績と株価の両方に反映されてきた姿として読み取れます。

株価は1年で小幅上昇、2月月末には5,000円台のピークを経て下押しと戻り

株価の直近1年(月末終値ベース、参照期間は2025年8月末〜2026年7月執筆時点)の推移は、これらの業績成長と評価水準の綱引きを反映していると考えられます。

2025年8月末は3,700円台で推移していた後、上昇基調に転じ、2026年2月末には直近1年の中で最も高い水準である5,000円台まで一時切り上がる場面がありました。

その後は下押しに転じ、2026年6月末には直近1年の中で最も低い水準である3,600円台まで沈みました。ピーク時と比較しますと3割弱の下押しにあたる大きな動きです。

そこから2026年7月には3,800円台まで戻したものの、起点の2025年8月末と直近を比べますと、1年トータルでは小幅な上昇にとどまっています。過去5年で株価がTSRベースで12倍超と評価水準が既に大きく積み上がっていることを踏まえますと、直近1年は「積み上がった評価水準の消化局面」として受け止められる位相です。

筆者コメント

一般に「重工業」と聞くと、成熟産業でボラティリティも低く、緩やかな利益成長というイメージが先に立ちます。しかし同社の過去5年のTSRと業績トラックを眺めますと、そのイメージとは異なる姿が確認できます。5期連続で利益を積み上げ、株主総利回りは業界平均を大きく超えて拡大してきました。

一方で、直近1年の株価が小幅な上昇にとどまっている点は、業績成長率と株価変動率の間に生じた「積み上がった期待の消化」の姿とも読み取れます。翌期予想は営業利益ベースで見ますと前期の+21.8%から鈍化する見通しで、成長率そのものの位相が変わる局面に差し掛かっているとも考えられます。

長期の連続増益銘柄を眺めるときは、実績や予想の絶対値だけでなく、成長率の変化と評価水準の積み上がりを同時に見ていく着眼点が有効ではないでしょうか。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
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石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ

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