【遺族厚生年金】現在の給付期間「30歳未満と30歳以上」でどう変わる?社会保険労務士が2028年4月改正後を4つのケースでやさしく解説
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【遺族厚生年金】現在の給付期間「30歳未満と30歳以上」でどう変わる?社会保険労務士が2028年4月改正後を4つのケースでやさしく解説

2028年4月からの改正後「60歳未満と60歳以上」で給付期間はどう変わる?

執筆者西岡 秀泰社会保険労務士
21:00
【遺族厚生年金】現在の給付期間「30歳未満と30歳以上」でどう変わる?社会保険労務士が2028年4月改正後を4つのケースでやさしく解説
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この記事はここがポイント

  • 2028年4月以降、遺族厚生年金の原則5年有期給付化。
  • 配偶者死亡時60歳以上、2029年4月1日時点で40歳以上、子がいる受給者の終身給付。
  • 5年有期給付への年金額約1.3倍加算と老齢厚生年金が増額する死亡分割制度の新設。

2025年度の年金制度改正で、遺族厚生年金の給付期間が原則終身から原則5年に変更することが決まりました。

共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化に合わせ、男女で異なる受給要件を見直すことが背景にあります。「万が一のときは一生涯もらえると思っていたのに」とニュースを見て不安を感じた方も多いのではないでしょうか。

遺族年金を受給する可能性がある人は、自分に影響があるかどうかが気になるところでしょう。

本記事では、2028年4月以降の遺族年金の給付期間についてわかりやすく解説します。遺族の状況別の給付期間も紹介しますので、万が一に備えて確認しておきましょう。

【遺族厚生年金】現在の給付期間「30歳未満と30歳以上」でどう変わる?

現行の遺族厚生年金は、「夫が働き、妻が専業主婦」というかつての一般的な家族モデルをベースに作られてきました。そのため、遺族が妻か夫かによって受給要件に大きな違いがあるのが特徴です。遺族厚生年金の受給者が女性の場合、配偶者死亡時の年齢によって給付期間は次の通りです。

  • 受給者が30歳未満:原則5年間の有期給付
  • 受給者が30歳以上:原則終身(一生涯)給付

ただし、要件を満たす子ども(18歳年度末までの子どもなど)がいる場合、受給者が30歳未満でも年金は終身で受給できます。なお、遺族基礎年金の給付期間は、要件を満たす子どもがいる間です。

【遺族厚生年金】2028年4月からの改正後「60歳未満と60歳以上」で給付期間はどう変わる?

遺族年金の制度改正により、2028年4月以降に配偶者が亡くなった場合、死亡時の年齢によって遺族厚生年金の給付期間は次の通りとなる予定です。

  • 受給者が60歳未満:原則5年間の有期給付
  • 受給者が60歳以上:原則終身(一生涯)給付

つまり、配偶者死亡時の年齢が30歳以上60歳未満の女性の年金給付期間が、終身から5年間に短縮(有期給付)されるというのが改正の大きなポイントと言えるでしょう。

遺族厚生年金の給付期間

遺族厚生年金の給付期間
遺族厚生年金の見直し

ただし、配偶者死亡時の年齢が60歳未満でも、以下に該当する場合は遺族厚生年金は一生涯支給されます。

  • 制度改正前までに遺族厚生年金を受給している
  • 2028年度末(=2029年4月1日)時点で40歳以上

また、遺族基礎年金の要件を満たす子どもがいる場合、遺族基礎年金の給付期間とその後の5年間は遺族厚生年金が給付されます。

【遺族厚生年金】改正後「5年有期給付」どんなメリットがある?

遺族厚生年金の5年有期給付は制度改正の大きなデメリットですが、それを補うための制度も準備されています。主なものは、「有期給付加算」と「死亡分割制度」の新設です。

給付期間が5年になった場合、遺族厚生年金には「有期給付加算」が上乗せされ、年金額は現在の約1.3倍となります。また、死亡分割制度によって65歳以降に受給する老齢厚生年金が増額になる可能性もあります。

有期給付のメリット

有期給付のメリット
遺族厚生年金の見直し

そのほか、以下の改正が予定されています。

  • 収入が十分でない人には5年の有期給付終了後も継続給付を行う
  • 遺族基礎年金の「子の加算額」を増額する
  • 男性の55歳という年齢要件が撤廃され、女性と同様に遺族厚生年金を受給できる

ここまで、2028年4月制度改正前後の遺族厚生年金の給付期間と有期給付のメリットについて解説しました。次章では、2028年4月以降に配偶者が死亡した場合の給付期間を、ケース別に紹介します。

ケース①:配偶者死亡時に60歳以上

配偶者が亡くなったときに60歳以上だった場合、改正後も現行と同じく終身給付で遺族厚生年金を受給できます。

60歳以上という年齢が「影響を受けない人」のボーダーラインの1つです。

ケース②:2029年4月1日時点で40歳以上

子どものいない女性でも、2029年4月1日時点(=2028年度末)で40歳以上であれば、経過措置により現行制度と同じように終身で受給できます。

制度改正直後に5年の有期給付となるのは40歳未満に限られ、そこから20年かけて対象年齢が60歳未満まで引き上げられます。2029年4月1日時点で40歳以上か、40歳未満かによって改正による影響の有無が決まります。

ケース③:2029年4月1日時点で40歳未満(子どもあり)

配偶者死亡時に40歳未満でも、遺族基礎年金の要件を満たす子どもがいる間は、遺族基礎年金と遺族厚生年金を現行どおり受給できます。

ただし、子どもが18歳到達年度末を過ぎるなどして要件を外れた後は、原則5年間の有期給付となります。収入が十分でない場合などは、最長65歳まで継続給付を受けられます。

ケース④:2029年4月1日時点で40歳未満(子どもなし)

40歳未満で子どもがいない場合、原則5年間の有期給付となります。これまで終身だった30代の子のない女性が新たに有期給付の対象に変わります。

ただし、5年間は有期給付加算で遺族厚生年金額が上乗せされ、死亡分割により65歳以降の老齢厚生年金が増える可能性もあります。

おわりに

今回は、「遺族厚生年金」改正前後の給付期間の違いと、配偶者の死亡時や自身の状況別に影響があるケースを解説しました。2025年度の年金制度改正で、2028年4月以降の遺族厚生年金の給付期間が原則5年に変更されます。

2028年4月以降、遺族厚生年金の給付期間は原則5年間の有期給付となりますが、すべての人が有期給付に変わるわけではありません。

すでに遺族厚生年金を受給中の人や配偶者死亡時の年齢が60歳以上の人、2029年4月1日時点(=2028年度末)で40歳以上であれば、改正による影響はありません。自分がどのケースに当たるかを確認し、万が一の備えを検討しましょう。

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西岡 秀泰社会保険労務士

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