2026年7月10日の東京株式市場は続伸。前日の米株高の流れを引き継ぎ、AI・半導体関連株を中心に買いが優勢となりました。
こうしたなか、今週は小売企業の決算発表がピークを迎えており、同日の大引け後には、個人投資家からも絶大な人気を誇るイオン<8267>が2027年2月期第1四半期決算を発表しました。
注目の決算内容は、営業増益を達成したほか、前年同期の赤字から一転して四半期純利益の黒字転換を果たすなど堅調な滑り出しを見せています。
しかし、発表直前となった10日の株価は、決算への警戒感などから3日続落。せっかく回復したばかりの1,400円大台を再び割り込んで取引を終えるなど、市場の評価は一筋縄ではいかない様子を見せています。
本記事では、イオンの最新決算と10日の株価値動きを振り返ります。
さらに、迫る8月末の権利確定を前に、いま一度チェックしておきたい「株主優待(オーナーズカード)」の魅力についても併せてお届けします。
【最新決算】1Q営業益33.6%増、過去最高更新もGMS・SMは苦戦
イオンが7月10日に発表した2027年2月期第1四半期決算は、営業収益が2兆9,419億円(前年同期比14.6%増)、営業利益が752億円(同33.6%増)、四半期純利益が138億円(前年同期は65億円の赤字)となりました。
ツルハの連結子会社化による統合シナジーなどもあり 、1Qとして過去最高の営業益を更新しています。
セグメント別では、ヘルス&ウエルネス事業や 、国内外で客数が伸びたディベロッパー・エンターテイメント事業が全体を大きく牽引しました。
一方で、長引く物価高に伴う節約志向や人件費の上昇が響き 、主力のGMS事業とスーパーマーケット事業は営業赤字へ転落し 、明暗が分かれました。
なお、通期の連結業績予想については、前回公表した見通しを据え置いています。
イオン<8267>の2026年7月10日終値は「1,377円」
- 株価(終値):1,377円
- 前日比:▲2.65%
- 始値:1,400円
- 高値:1,409円
- 安値:1,375円
- 出来高:12,445,400株
- 時価総額:3,832,919百万円
- 売買代金:17,246百万円
- PER(会社予想):52.18倍
- PBR(実績ベース):3.13倍
- 配当利回り:1.09%
10日は、前日比▲2.65%と、3日続落して取引を終えました。
イオンの年間チャート
次のイオンの1年間の値動きをみてみましょう。
昨年11月25日に2,920円(株式分割を考慮)の上場来高値を記録して以降、緩やかな下落が続いています。
イオンの年間チャート
イオン<8267>の株主優待「オーナーズカード」徹底解説
イオンの株式を100株以上保有すると、株主優待として「イオン株主様ご優待カード(通称:オーナーズカード)」が手に入ります。
日々の買い物やエンタメがお得になる、主に3つの最強特典を見ていきましょう。
特典①:買い物額に応じたキャッシュバック(ご返金)
お会計時にオーナーズカードを提示し、現金やWAON、イオンマークのクレジットカードなどで支払うと、半期ごとの買い物額に応じて現金がキャッシュバックされます。
2025年9月の株式分割(1株→3株)に伴い、2026年2月から返金率の区分がリニューアル(新設枠が登場)しました。
現在の返金率は以下の通りです。
- 100株以上 199株以下:返金率 1%(2026年2月に新設)
- 200株以上 299株以下:返金率 2%(2026年2月に新設)
- 300株以上 1,499株以下:返金率 3%
- 1,500株以上 2,999株以下:返金率 4%
- 3,000株以上 8,999株以下:返金率 5%
- 9,000株以上:返金率 7%
キャッシュバックの対象となるお買い物上限額は、家族カード分と合算して半年間で100万円までです。
上限まで買い物をした場合、1%の区分(100株保有)なら最大1万円戻ってくるため、嬉しい家計のサポートになります。
特典②:「お客さま感謝デー」は5%割引とダブルでお得
毎月20日・30日に開催されるイオンの定番イベント「お客さま感謝デー」。
この日にオーナーズカードを提示して買い物をすると、「お客さま感謝デーの5%割引」を受けられ、さらに「保有株数に応じたキャッシュバック」もダブルで適用されます。
割引と返金の「二重取り」ができるため、まとめ買いのチャンスです。
たとえば同じ小売大手の良品計画(無印良品)の株主優待では「無印良品週間」など、ほかの割引サービスとの併用はできません。
他社では「どちらか有利な方ひとつだけ」となるケースが多いなか、イベント割引と優待特典をしっかり「二重取り」できるイオンの制度は、非常に太っ腹で強力なメリットと言えます。
特典③:イオンシネマやグループ店舗での即時割引
カードの提示により、その場で割引や優待料金が適用されるサービスもあります。
日常のエンタメや外食がぐっと身近になります。
イオンシネマ(映画鑑賞)
- 鑑賞料金:大人・大学生は一律1,000円 / 高校生以下は一律800円に
- さらに嬉しい特典:オーナーズカード1枚につき、「ポップコーン(Sサイズ)」または「ドリンク(Sサイズ)」のどちらか1つの無料引換券がもらえます
飲食専門店での10%割引
「おひつごはん四六時中」「天ぷら和食処四六時中」「ごはん処四六時中」などの各四六時中ブランド、および「SANUKI TERRACE」での会計総額から10%割引となります
利用上の注意点
イオンシネマや飲食店などの「その場で割引になる特典③」の利用分は、特典①の「後から現金で戻ってくるキャッシュバック」の対象外となりますのでご注意ください。
また、特典を受けるにはカード現物、または公式アプリ(iAEON)内のアプリ版オーナーズカードの提示が必要です。
【2026年5月改定】「イオンラウンジ」の利用回数が保有株数に応じて変動へ
買い物の合間にジュースなどを飲んで休憩できる、株主に大人気の「イオンラウンジ」。
この利用条件が2026年5月1日に改定されました。
これまでは一律で「月8回」利用できましたが、新しい制度では保有株数によって月間の利用枠が変わる仕組みへとシフトしています。
【変更前】
すべての株主一律で 月8回
【変更後(2026年5月〜)】
- 100株〜299株の株主:月4回に減少
- 300株〜1,499株の株主:月8回(現状維持)
- 1,500株以上の株主:月16回に増加
ここがポイント!株式分割との関係
イオンは2025年9月に「1株を3株にする株式分割」を行いました。
分割前から100株を保有していた方は、自動的に「300株保有」へとステップアップしているため、改定後も変わらず「月8回」の枠が維持されます。
これから新規に100株(投資金額を抑えて)購入する方は、月4回のスタートになる点を押さえておきましょう。
【スケジュール】2026年8月末の権利確定までの流れは?
イオンの株主優待(オーナーズカード)をもらうには、以下の具体的なスケジュールに沿って株式を購入・保有しておく必要があります。
権利付き最終日(最終売買日):2026年8月27日(木)
優待の権利を得るために、この日の大引け(株取引の終了時間15:30)までに株を購入、または保有している必要があります。
権利落ち日:2026年8月28日(金)
この日以降に株を売却しても、8月末時点の優待の権利は消失しません。反対に、この日に新しく購入しても8月末の優待は受けられません。
権利確定日:2026年8月31日(月)
株主名簿に名前が記載され、正式に株主としての権利が確定する日です。
案内・カードの発送時期
新規に権利を取得した場合、10月下旬頃に案内や「オーナーズカード」が自宅に届きます。
一度カードを取得すれば、指定の株数を保有し続ける限り、半期ごとに自動で継続利用(およびキャッシュバック対象の更新)が可能になります。
まとめにかえて
今回の第1四半期決算は過去最高益を更新し、「ツルハ効果」によるヘルス&ウエルネス事業の強さが証明された一方、主力の小売事業(GMS・SM)の赤字という課題も浮き彫りになりました。
株価は足元で1,400円を割り込むなど調整していますが、イオンの大きな特徴である株主優待「オーナーズカード」は魅力的な内容となっています。
決算発表は10日の大引け後に行われたため、週明け13日(月)の東京株式市場でこの業績を織り込み、株価がどのように反応するかは最初の大きな注目どころと言えます。
この第1四半期決算という強弱入り混じる一大イベントをこなしたことで、個人投資家の次なる関心は8月末に控える優待の権利確定へと移っていくとみられます。
株主優待の取得を考えている向きにとっては、権利付き最終日に向けてどのような軌道を描くのか、日々の値動きや押し目のタイミングをしっかりとチェックしながら、慎重に投資機会を探りたい局面となりそうです。
参考
- イオン株式会社 2027年2月期第1四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- イオン株式会社「株主優待制度」
- イオン株式会社「おトクな株主優待制度」
- イオンシネマ「オーナーズカードご優待特典改定に関するご案内」
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
