年金運用は+16.47%!収益を牽引した「国内株式」と「外国株式」、GPIFはどんな銘柄を保有しているのか
Tongman/shutterstock.com
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年金運用は+16.47%!収益を牽引した「国内株式」と「外国株式」、GPIFはどんな銘柄を保有しているのか

好調な運用を支えるのは「分散・長期・リバランス」

執筆者和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ
22:02
年金運用は+16.47%!収益を牽引した「国内株式」と「外国株式」、GPIFはどんな銘柄を保有しているのか
Tongman/shutterstock.com

2026年7月3日、公的年金の積立金を管理・運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が「2025年度 業務概況書」をリリースしました。

少子高齢化が進む中、将来世代のために大きく減らすことが許されない「年金積立金」。

大切なこの資金を、GPIFはどのように運用しているのか確認していきましょう。

また、2025年度(2025年4月〜2026年3月期)の運用成績は、国内株式と外国株式が大きく牽引し、期間収益率+16.47%という非常に好調な結果となりました(背景には世界的な株高や為替の円安傾向があります)。

GPIF「資産ごとの収益額と収益率(2025年度)」

GPIF「資産ごとの収益額と収益率(2025年度)」
出所:
GPIF「資産ごとの収益額と収益率(2025年度)」

「そんなに高い収益率を出せるなんて、どんな銘柄に投資しているだろう…」と思うかもしれません。

今回の好決算を大きく牽引した「国内株式」と「海外株式」の保有時価総額トップ20についても見てみましょう。

GPIF「年金積立金」の運用状況、2025年度の収益率は+16.47%

GPIF「市場運用開始後の累積収益額(2001 年度~2025年度)」

GPIF「市場運用開始後の累積収益額(2001 年度~2025年度)」
GPIF「市場運用開始後の累積収益額(2001 年度~2025年度)」

公的年金の積立金を管理・運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、2001年度の市場運用開始以来、年率換算で+4.67%という安定した収益率を達成しています。

2025年度における期間収益率は+16.47%と、好調な結果を示しました。

GPIF「年金積立金」の基本ポートフォリオは?

GPIFは5年に1度、基本ポートフォリオを設定します。

GPIF「年金積立金の基本ポートフォリオ」

GPIF「年金積立金の基本ポートフォリオ」
GPIF「年金積立金の基本ポートフォリオ」

2026年3月末時点の基本ポートフォリオは、国内外の債券と株式に25%ずつ。

しかし、株価や為替は毎日動くため、常にぴったり25%をキープするのは不可能です。そこで設けられているのが「乖離許容幅」です。

◆基本ポートフォリオ(乖離許容幅)◆

  • 国内債券:25%(±6%)
  • 国内株式:25%(±6%)
  • 外国債券:25%(±5%)
  • 外国株式:25%(±6%)

たとえば、日本株の運用が好調すぎて全体の比率が大きく膨らみ、乖離許容幅を超えそうになった場合には、一部を利益確定させて別の資産に回すといった調整(リバランス)を行い、常に理想的なバランスを維持するよう努めています。

基本ポートフォリオは「5年に1度」見直される

この「4資産に25%ずつ」という資産配分は、一度決めたらずっとそのままというわけではありません。原則として5年に1度、見直されています。

なぜ5年に1度なのかというと、国が5年に1度、日本の年金制度の健康診断にあたる「財政検証」を行うからです。

「これからの日本は物価がこれくらい上がりそう」「賃金はこのくらいになりそう」という最新の将来予測データに合わせて、GPIFも運用の計画書(中期目標)を5年ごとに作り直しています。

このように、時代の変化に合わせて計画をアップデートしているからこそ、長期にわたる安定的な運用が可能になっているのです。

GPIF「年金積立金」どんな銘柄を保有している?

では、具体的にどんな銘柄を保有しているのでしょうか。

今回の好決算を大きく牽引した「国内株式」と「外国株式」の保有銘柄について、時価総額が大きい上位20銘柄ずつ見ていきましょう。

国内株式・保有時価総額上位20銘柄

国内株式は全部で1749銘柄保有。

自動車、金融、半導体など、日本経済を支えるメガ企業が並んでいます。

国内株式・保有時価総額上位20銘柄

国内株式・保有時価総額上位20銘柄
国内株式・保有時価総額上位20銘柄
  1. トヨタ自動車
  2. 三菱UFJフィナンシャル・グループ
  3. 日立製作所
  4. ソニーグループ
  5. 三井住友フィナンシャルグループ
  6. 三菱商事
  7. 三井物産
  8. みずほフィナンシャルグループ
  9. 東京エレクトロン
  10. 三菱重工業
  11. 東京海上ホールディングス
  12. 伊藤忠商事
  13. ソフトバンクグループ
  14. アドバンテスト
  15. 信越化学工業
  16. 三菱電機
  17. 任天堂
  18. キーエンス
  19. リクルートホールディングス
  20. 武田薬品工業

外国株式・保有時価総額上位20銘柄

外国株式は全部で4007銘柄を保有。人気のインデックスファンド、オルカンやS&P500の組入銘柄で上位を占める銘柄も入っています。

外国株式・保有時価総額上位20銘柄

外国株式・保有時価総額上位20銘柄
外国株式・保有時価総額上位20銘柄
  1. NVIDIA CORP
  2. APPLE INC
  3. MICROSOFT CORP
  4. AMAZON.COM INC
  5. ALPHABET INC-CL A
  6. ALPHABET INC-CL C
  7. BROADCOM INC
  8. TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC
  9. META PLATFORMS INC-CLASS A
  10. TESLA INC
  11. JPMORGAN CHASE & CO
  12. EXXON MOBIL CORP
  13. ELI LILLY & CO
  14. BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B
  15. JOHNSON & JOHNSON
  16. WALMART INC
  17. ASML HOLDING NV
  18. VISA INC-CLASS A SHARES
  19. SAMSUNG ELECTRONICS CO LTD
  20. COSTCO WHOLESALE CORP

「分散・長期・リバランス」がポイント

GPIF「運用状況(2025年度)」

GPIF「運用状況(2025年度)」
GPIF「運用状況(2025年度)」

世界最大級の機関投資家であるGPIFは、「特定の資産に偏らず、国内外の株と債券に25%ずつ分散する」「値上がりした資産は利益確定し、自動的にリバランスする」という、王道でシンプルな運用をしています。

実は、筆者が銀行員時代にも「分散投資」と「リバランス」の重要性は、毎日のように窓口でお客様にお伝えしていました。

しかし、実際に個人で運用を始めると、「分散投資は最初に設定すればできるけれど、リバランスはちょっと難しい…」と感じる方が多いようでした。

特に長期の資産運用で投資信託を使うとなると、基本的には「ほったらかし」になりがちですよね。

もし、自分で管理するのが手間に感じるなら、最初から複数の資産に分散投資されている「バランスファンド」を選ぶのも一つの手です。これなら、運用のプロが自動でリバランスまで行ってくれます。ただし、そのぶん保有コスト(信託報酬)がやや高めに設定されているのがデメリットです。

一方で、「なるべく低コストで運用したい」「株なら株、債券なら債券と、中身がシンプルな方が分かりやすくていい」という方は、バランスファンドではなく、シンプルな単体ファンドを組み合わせて持つのがおすすめです。

その代わり、時々で構いませんので、全体の資産状況をご自身でチェックして、崩れたバランスを直す「手動リバランス」を行ってみてください。

定期的に自分の資産と向き合い、値上がりしたものを一部売却して値下がりしたものを買い増す。このリバランスを意識するだけで、その時の経済状況により適した、効率的な運用ができるようになります。

世界一の投資家であるGPIFですら、毎日動く市場に合わせて厳格にリバランスを行っています。

「分散・長期・リバランス」の3原則を守ることを意識してみると良いでしょう。

【免責事項】

  • 投資にはリスクが伴います。
  • 本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。

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和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ

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