この記事はここがポイント
- GPIFは累積収益221兆円超、運用資産317兆円を達成、年金財源に貢献。
- GPIFは国内・外国の債券・株式に25%ずつ分散、基本ポートフォリオでリスク抑制。
- 公的年金は「4つの仕組み」と「マクロ経済スライド」で持続可能性を追求。
今月は年金支給日がありましたが、ご自身の老後の生活資金について改めて考えた方も多いのではないでしょうか。
今の日本を100人の国に例えてみると、65歳以上のお年寄りが29.3人(うち75歳以上は16.8人)を占める一方で、年齢を問わず仕事に就いて働いている人は全体の54.8人となっています。少子高齢化が進み、シニア世代になっても働き続ける方が増えている現状がうかがえます。
多くの方が老後の資金繰りに不安を感じるのはごく自然なことです。しかし、私たちの年金財源を陰でしっかりと支え、増やしてくれている「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」という組織があるのをご存知でしょうか。今回は、日本の公的年金制度の仕組みとともに、巨額の資産を動かす姿から投資市場のクジラとも呼ばれるGPIFの最新成果や、個人でも真似できる手堅い投資手法について解説します。
「100年後も安心」持続可能な制度のために、公的年金を維持する「4つの仕組み」
厚生労働省の調べによると、公的年金のうち厚生年金の受給額が生活費の一つの目安となる「月額20万円以上」に達している人は、受給者全体の18.8%にとどまるのが現状です。
筆者自身も将来の年金見込額を計算した際、想定していた金額とのギャップに驚き、自分で資産形成を始めるきっかけとなりました。多くの方が老後の資金繰りに不安を感じるのは、ごく自然なことです。
日本の公的年金は、現役世代が納める保険料で高齢者世代を支える「賦課(ふか)方式(現役世代から高齢者への仕送りと同じ仕組み)」をとっています。
年金給付の現状
少子高齢化が進むなかでも制度を持続可能なものにする工夫として、以下の4つの仕組みが取り入れられています。
- 保険料の上限を固定:現役世代の負担が重くなりすぎないよう上限を設定
- 基礎年金の半分は国庫負担:給付費の2分の1を税金でカバー
- 年金積立金の活用:将来世代の給付のため、今後おおむね100年間で計画的に活用
- 給付水準の自動調整:社会情勢に合わせる「マクロ経済スライド」の導入
これらの取り組みのうち、将来の給付に充てるための「年金積立金」を管理・運用しているのがGPIFです。
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及びFP2級保有。地方銀行出身。現在はIFAとして、若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・債券・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
