「将来、自分ひとりで暮らしていくことになるかもしれない」——そう感じたことがある方も、少なくないのではないでしょうか。
働き方や家族のかたちが多様化している現代。内閣府「令和8年版高齢社会白書」によると、65歳以上で一人暮らしをする人の割合は、1980年には男性4.3%・女性11.2%でしたが、2020年には男性15.0%・女性22.1%まで上昇。2050年には男性26.1%・女性29.3%になると見込まれています。
一人で暮らすことが特別なことではなくなっていくこれからの時代、老後の暮らしを支えるのは自分の現役時代の備えによるところが大きくなっています。公的年金は現役時代の加入状況により老後の受給額に個人差が出ますし、貯蓄も現役時代の備えが積み重なるものであり、また最近では長く働く方も多いですが現役時代からいつまで・どのような職種で働くかを考えることは大切でしょう。
今回は、30歳代から60歳代までのおひとりさまの貯蓄額を年代別に確認します。また働くシニアが増える現代、内閣府「令和8年版高齢社会白書」から高齢者の就業率も確認し、老後に備えたいコツを元証券会社出身の筆者が解説します。
年代別「おひとりさまの平均貯蓄額」はいくら?中央値との差が大きい
まずは現役時代の貯蓄額を確認しましょう。金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、単身世帯の年代別の金融資産保有額は次のとおりです。
※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。
30歳代(単身世帯)の貯蓄額(平均・中央値)
おひとりさま30歳代の貯蓄額
- 30歳代単身世帯:平均501万円/中央値100万円
40歳代(単身世帯)の貯蓄額(平均・中央値)
おひとりさま40歳代の貯蓄額
- 40歳代単身世帯:平均859万円/中央値100万円
50歳代(単身世帯)の貯蓄額(平均・中央値)
おひとりさま50歳代の貯蓄額
- 50歳代単身世帯:平均999万円/中央値120万円
60歳代(単身世帯)の貯蓄額(平均・中央値)
おひとりさま60歳代の貯蓄額
- 60歳代単身世帯:平均1364万円/中央値300万円
年代が上がるにつれて、平均・中央値ともに増えていく傾向がみられます。た
だし、いずれの年代でも平均は中央値を大きく上回っています。ひと握りの世帯が持つ大きな資産が全体の平均を引き上げており、年代ごとの一般的な水準をつかむには、真ん中に位置する中央値のほうが手がかりになりそうです。
金融資産を持たない「貯蓄ゼロ」の人は、30歳代32.3%・40歳代32.1%・50歳代35.2%・60歳代30.4%と、いずれの年代もおよそ3割で推移しています。一方、「2000万円以上」ある人は、30歳代5.9%から60歳代21.1%へと、年代が上がるほど増えていく傾向です。同じ年代のなかでも、蓄えの状況にはばらつきがあることがうかがえます。
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LIMO&ファイナンス編集部 副編集長野村證券株式会社出身。FP2級・証券外務員一種を保有。国内外株式、投資信託、債券、保険商品まで幅広い資産運用に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集長として記事も執筆。
PROFILE
東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有し、支店にて国内外株式、投資信託、債券、保険商品などの販売を通じて資産運用コンサルティング業務に従事。特に投資信託や株式、債券などを用い、顧客ニーズにあわせた丁寧でわかりやすい資産運用提案が強み。
2024年より株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』の編集長であり、LIMOでも記事を執筆している。