毎月5万円の積み立てを35歳・45歳・55歳からスタートでシミュレーション。「はじめる年齢」で将来の資産はどれだけ変わるのか
では、毎月5万円を65歳まで積み立てると、資産はどのくらいに育つのでしょうか。ここでは金融庁の「つみたてシミュレーター」と同じ考え方で、年利3%と年利5%で運用できた場合を試算します。始める年齢は、30歳代を35歳、40歳代を45歳、50歳代を55歳と置き、それぞれ65歳までの年数で計算しました。
30歳代(35歳)から30年間積み立てた場合
- 元本:1800万円
- 年利3%:約2914万円
- 年利5%:約4161万円
30年という長い期間があるため、複利の効果がもっとも大きく働きます。年利5%で運用できた場合、元本1800万円に対して2000万円以上がふえる試算です。元本がちょうど生涯非課税枠の1800万円にあたる点も、30歳代ならではの特徴です。
40歳代(45歳)から20年間積み立てた場合
- 元本:1200万円
- 年利3%:約1642万円
- 年利5%:約2055万円
20年間でも、年利5%なら元本1200万円が2000万円台に届く試算です。30歳代と比べると期間が10年短くなるぶん、増える金額の伸びはゆるやかになります。それでも、20年という時間は複利を働かせるのに十分な長さだといえるでしょう。
50歳代(55歳)から10年間積み立てた場合
- 元本:600万円
- 年利3%:約699万円
- 年利5%:約776万円
10年間の場合、増える金額は年利5%でも約176万円と、これまでの年代に比べて小さくなります。運用できる期間が短いほど、複利の効果は控えめになるためです。とはいえ、預貯金だけの場合と比べれば、非課税で運用できるメリットは残ります。50歳代から始める場合は、増やすことに加えて、使う時期を見据えた無理のない積立額を考えることが大切です。
3つの年代を並べると、同じ毎月5万円でも、始める年齢が早いほど将来の資産額に差がつくことがわかります。これは、運用期間が長いほど複利が大きく働くためです。一方で、ここでの年利はあくまで一定で運用できた場合の前提であり、実際の成績は市場によって上下します。金融庁などのシミュレーターでも、ご自身の条件で実際の数値を確かめてみるとよいでしょう。
はじめる前に知っておきたい注意点
新NISAは非課税のメリットが大きい制度ですが、投資である以上、注意点もあります。値動きによっては、積み立てた額を一時的に下回る(元本割れ)こともあります。とくに短い期間では、その影響を受けやすくなります。また、生涯の非課税枠には上限があるため、いつ・いくら使うかを計画しておくことも大切です。日々の生活費とは別の、余裕資金で取り組むことが基本になります。
証券会社時代に感じた、投資をはじめる年齢よりも大切なこと
まずはご自身の家計を見直し、続けられる金額から、非課税のしくみを活用していくとよいかもしれません。数字はあくまで目安として、ご自身の条件で確かめながら考えていきましょう。
参考資料
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野村證券株式会社出身。FP2級・証券外務員一種を保有。国内外株式、投資信託、債券、保険商品まで幅広い資産運用に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集長として記事も執筆。
PROFILE
東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有し、支店にて国内外株式、投資信託、債券、保険商品などの販売を通じて資産運用コンサルティング業務に従事。特に投資信託や株式、債券などを用い、顧客ニーズにあわせた丁寧でわかりやすい資産運用提案が強み。
2024年より株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』の編集長であり、LIMOでも記事を執筆している。

証券会社で多くの方のご相談を受けてきた経験からお伝えしたいのは、「始める年齢の差」は取り戻せなくても、「これからの時間」は誰にとっても等しく残されている、ということです。たしかに、30歳代から30年積み立てられる人と、50歳代から10年の人とでは、複利の効きに差が出ます。けれど、相談の現場で結果を分けていたのは、開始年齢よりもむしろ「無理なく続けられる金額で、途中でやめずに続けられたか」でした。大きな金額で始めて息切れしてしまうより、家計に合った額でコツコツ続けた方が、結果的に長く続けやすいでしょう。何事も継続が大切です。