古河電工(5801)1株→10株の分割から3週間、荒い値動き続いた背景をひも解く
Sach336699/Shutterstock.com
株式ニュース

古河電工(5801)1株→10株の分割から3週間、荒い値動き続いた背景をひも解く

最新株価は3日ぶり反落の3,513円、配当予想22円・年間チャートで振り返る

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
22:30
古河電工(5801)1株→10株の分割から3週間、荒い値動き続いた背景をひも解く
Sach336699/Shutterstock.com

この記事はここがポイント

  • 古河電工株価は2026年5月に生成AI・半導体関連で上場来高値6,241円を記録し年初来6.2倍に急伸、7月23日終値3,513円は高値から4割超低い水準
  • 高値形成後は利益確定売りで荒い値動き、7月1日実施の1株10株分割が調整含みの展開に影響
  • 2027年3月期の年間配当予想は分割後22円、分割前換算で前期から10円増配の220円

2026年7月23日の東京株式市場は反発しました。

前日(22日)の米国市場における半導体株高の流れを引き継いでスタートし、日経平均への影響度が高いAI・半導体関連銘柄への買いが先行。

同日のアジア市場では半導体株の比率が高い韓国総合株価指数(KOSPI)も堅調に推移しており、東京市場でも人工知能(AI)・半導体株の一角に買いが波及する展開となりました。

こうした地合いのなか、半導体関連の一角として市場の視線を集める古河電気工業(5801)は、前日比0.34%(▲12円)安の3,513円と3日ぶりに反落しました。

ただし日中値幅は高値3,675円・安値3,460円と200円超に及び、値動きの荒い展開となりました。

同社は投資単位を引き下げて投資家層を拡大するため、7月1日を効力発生日とする大規模な株式分割(1株→10株)を実施したばかりです。

手頃な株価になり注目が高まる一方で、分割実施後は値動きの荒い展開が続いており、「現在の株価水準や配当の魅力はどうなっているのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、株式分割を経て新たな局面を迎えた古河電工について、最新の株価や配当利回りなどの参考指標、過去1年間の株価チャート、そして気になる配当予想について詳しく確認していきましょう。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています

古河電工(5801)7月23日の株価の終値は「3,513円」

まずは株価と参考指標について確認しましょう。

  • 株価(終値):3,513円
  • 前日比:▲0.34%
  • 始値:3,621円
  • 高値:3,675円
  • 安値:3,460円
  • 出来高:10,401,200株
  • 時価総額:2,482,529百万円
  • 売買代金:36,794百万円
  • PER(会社予想):30.14倍
  • PBR(実績ベース):5.93倍
  • 配当利回り:0.63%

ここ1年の株価の値動きもチャートでみてみましょう。

古河電工の年間チャート

ここ1年間における古河電気工業の株価の値動きを振り返ってみましょう。

2026年5月、イラン情勢の緊迫化を背景に市場心理が揺らぐなか、生成AI・半導体関連への資金流入という潮流に乗る形で、同社株はにわかに勢いを増しました。

2025年末(大納会)の終値は分割遡及後で1,001円でしたが、そこから半年に満たない期間で上場来高値6,241円(5月27日)まで駆け上がり、年初来ではおよそ6.2倍という突出した伸びを記録、市場の耳目を集めました。

もっとも、高値形成後は利益確定の売りが優勢となり、株価は方向感を欠く荒い値動きへと転じています。

足元でもこの神経質な相場つきは続いており、7月15日には半導体関連への買いが再燃し前日比+6.99%の3,766円まで急伸したものの、16〜17日には合計504円分を吐き出すなど、上げ下げの振れ幅が大きい状態が続きました。

21日には米国株安の反動から日経平均が3営業日ぶりに急反発し、半導体関連への買い戻しが波及。

翌22日も+3.10%の3,525円と続伸しましたが、23日は0.34安の3,553円(日中高値3,675円・安値3,460円)と3日ぶり反落。

5月につけた上場来高値6,241円との比較ではなお4割超低い水準にとどまっています。

加えて、投資家層拡大を狙って7月1日を効力発生日とする「1株→10株」の大型株式分割を実施した影響で、新株の売り圧力が意識される場面もあり、調整含みの展開がなお尾を引いています。

古河電工株の年間チャート

古河電工株の年間チャート
出所:各資料より筆者作成
古河電工株の年間チャート

足元で冴えない値動きが続いている背景には、3つの要因が複雑に絡み合っています。

1つ目は「AI・光通信セクター全体の調整」です。米コーニングの急落などをきっかけに、同業のフジクラをはじめ電線株全般に利益確定売りが広がりました。

2つ目は「海外投資家の手じまいとテクニカルの悪化」です。短期間で株価が大きく膨らんだ反動に加え、チャート上の天井感から海外勢を中心とした売り圧力が強まりました。

3つ目は「10分割に伴う短期的な需給悪化」です。個人投資家の参入を促す分割自体は妥当ですが、株数が増えたことで「一部売却して利益を確定させよう」という売りが出やすいタイミングと重なりました。

今回の下落は業績悪化ではなく、「米国株の波及・海外勢の利確・分割後の需給難」が同時に重なった結果と言えます。

光ファイバーなどのAI需要という強固なファンダメンタルズは健在であり、急過熱した株価の「調整期間」と捉えるのが自然でしょう。

古河電工(5801)の今期の年間配当予想は「22円」

最後に古河電工のこれまでの配当金の推移と配当予想を確認しましょう。

古河電工の配当金の推移と配当予想

  • 2025年3月期(期末配当):120円
  • 2026年3月期(期末配当):210円
  • 2027年3月期(中間配当)予想:11円
  • 2027年3月期(期末配当)予想:11円

なお、2027年3月期は1株→10株への株式分割を行っているため、分割前に換算すると年間「220円」となり、前期から10円の増配となります。

まとめにかえて

古河電工(5801)は7月23日、前日比0.34%安の3,513円となり、3日ぶりに反落しました。

7月1日付で実施した1株→10株の株式分割後、値動きの荒い展開が続いています。

5月には生成AI・半導体関連への資金流入を背景に上場来高値6,241円をつけましたが、その後は利益確定売りが優勢となりました。

足元の軟調な地合いは、AI・光通信セクター全体の調整、海外投資家の手じまい、分割に伴う短期的な需給悪化という3つの要因が重なった結果とみられ、業績悪化によるものではありません。

光ファイバーなどAI需要という基礎的な強さは健在で、過熱した株価の調整局面と捉えられています。

今期の年間配当予想は22円(分割前換算で220円)で、前期比10円の増配となる見通しです。

参考

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
Google で優先するソースとして追加
高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

関連タグ