古河電工の年間チャート
ここ1年間における古河電気工業の株価の値動きを振り返ってみましょう。
2026年5月、イラン情勢の緊迫化を背景に市場心理が揺らぐなか、生成AI・半導体関連への資金流入という潮流に乗る形で、同社株はにわかに勢いを増しました。
2025年末(大納会)の終値は分割遡及後で1,001円でしたが、そこから半年に満たない期間で上場来高値6,241円(5月27日)まで駆け上がり、年初来ではおよそ6.2倍という突出した伸びを記録、市場の耳目を集めました。
もっとも、高値形成後は利益確定の売りが優勢となり、株価は方向感を欠く荒い値動きへと転じています。
足元でもこの神経質な相場つきは続いており、7月15日には半導体関連への買いが再燃し前日比+6.99%の3,766円まで急伸したものの、16〜17日には合計504円分を吐き出すなど、上げ下げの振れ幅が大きい状態が続きました。
21日には米国株安の反動から日経平均が3営業日ぶりに急反発し、半導体関連への買い戻しが波及。
翌22日も+3.10%の3,525円と続伸しましたが、23日は0.34安の3,553円(日中高値3,675円・安値3,460円)と3日ぶり反落。
5月につけた上場来高値6,241円との比較ではなお4割超低い水準にとどまっています。
加えて、投資家層拡大を狙って7月1日を効力発生日とする「1株→10株」の大型株式分割を実施した影響で、新株の売り圧力が意識される場面もあり、調整含みの展開がなお尾を引いています。
古河電工株の年間チャート
足元で冴えない値動きが続いている背景には、3つの要因が複雑に絡み合っています。
1つ目は「AI・光通信セクター全体の調整」です。米コーニングの急落などをきっかけに、同業のフジクラをはじめ電線株全般に利益確定売りが広がりました。
2つ目は「海外投資家の手じまいとテクニカルの悪化」です。短期間で株価が大きく膨らんだ反動に加え、チャート上の天井感から海外勢を中心とした売り圧力が強まりました。
3つ目は「10分割に伴う短期的な需給悪化」です。個人投資家の参入を促す分割自体は妥当ですが、株数が増えたことで「一部売却して利益を確定させよう」という売りが出やすいタイミングと重なりました。
今回の下落は業績悪化ではなく、「米国株の波及・海外勢の利確・分割後の需給難」が同時に重なった結果と言えます。
光ファイバーなどのAI需要という強固なファンダメンタルズは健在であり、急過熱した株価の「調整期間」と捉えるのが自然でしょう。
古河電工(5801)の今期の年間配当予想は「22円」
最後に古河電工のこれまでの配当金の推移と配当予想を確認しましょう。
古河電工の配当金の推移と配当予想
- 2025年3月期(期末配当):120円
- 2026年3月期(期末配当):210円
- 2027年3月期(中間配当)予想:11円
- 2027年3月期(期末配当)予想:11円
なお、2027年3月期は1株→10株への株式分割を行っているため、分割前に換算すると年間「220円」となり、前期から10円の増配となります。
まとめにかえて
古河電工(5801)は7月23日、前日比0.34%安の3,513円となり、3日ぶりに反落しました。
7月1日付で実施した1株→10株の株式分割後、値動きの荒い展開が続いています。
5月には生成AI・半導体関連への資金流入を背景に上場来高値6,241円をつけましたが、その後は利益確定売りが優勢となりました。
足元の軟調な地合いは、AI・光通信セクター全体の調整、海外投資家の手じまい、分割に伴う短期的な需給悪化という3つの要因が重なった結果とみられ、業績悪化によるものではありません。
光ファイバーなどAI需要という基礎的な強さは健在で、過熱した株価の調整局面と捉えられています。
今期の年間配当予想は22円(分割前換算で220円)で、前期比10円の増配となる見通しです。
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
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- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
PROFILE
立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
