アドバンテストの株主、3か月でどのくらい株価変動で儲かった? キャッシュ観点で見る特徴とは?【2026年7月21日】
IgorGolovniov/Shutterstock.com
執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ
04:00
アドバンテストの株主、3か月でどのくらい株価変動で儲かった? キャッシュ観点で見る特徴とは?【2026年7月21日】
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この記事はここがポイント

  • アドバンテストの株価は2026年4月21日から7月21日の3か月間で8.9%上昇。
  • 2026年3月期通期決算は売上1兆1,286億円、営業利益4,991億円、当期利益3,753億円で大幅増益。
  • 2026年3月期フリーキャッシュフロー3,008億円、ネットキャッシュ3,197億円の強固な財務体質。

東証プライムに上場する電気機器銘柄のアドバンテスト(6857)について、2026年4月21日から2026年7月21日まで保有した場合の株価推移や変動率について紹介します。

あわせて、アドバンテストの直近の2026年3月期通期決算の概況も簡単に振り返ります。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

それでは早速見ていきましょう。

アドバンテストの3か月間の株価推移

アドバンテストの3か月間の株価チャート(折れ線グラフ)

アドバンテストの3か月間の株価チャート(折れ線グラフ)
出所:各種資料をもとにLIMO&Finance編集部作成

アドバンテストの株価は、2026年4月21日の27,200円から2026年7月21日の29,630円へと推移しました。

起点からは2,430円(+8.9%)上昇した格好です。

3か月間の平均値は28,680円、最高値は2026年6月25日の35,900円(平均値との乖離率+25.2%)、最低値は2026年6月11日の25,175円(平均値との乖離率-12.2%)となっています。

  • 起点(2026年4月21日):27,200円
  • 終点(2026年7月21日):29,630円
  • 期間平均値:28,680円
  • 期間最高値(2026年6月25日):35,900円(平均値との乖離率+25.2%)
  • 期間最低値(2026年6月11日):25,175円(平均値との乖離率-12.2%)

アドバンテストの直近の2026年3月期通期決算

アドバンテストが2026年4月27日に発表した2026年3月期通期決算は、売上収益1兆1,286億円(前年同期比+44.7%)、営業利益4,991億円(同+118.8%)、当期利益3,753億円(同+132.9%)でした。営業利益・当期利益はともに増益となりました。

  • 売上収益:1兆1,286億円(前年同期比+44.7%)
  • 営業利益:4,991億円(前年同期比+118.8%)
  • 当期利益:3,753億円(前年同期比+132.9%)
  • EPS:515.15円

アドバンテストのキャッシュフロー内訳とFCF動向

アドバンテストの直近2026年3月期のキャッシュフロー内訳

アドバンテストの2026年3月期の3種類のキャッシュフローとフリーキャッシュフローは以下の通りです。

  • 営業キャッシュフロー:3,351億円
  • 投資キャッシュフロー:-345億円
  • 財務キャッシュフロー:-2,305億円
  • 設備投資(CAPEX):343億円
  • フリーキャッシュフロー(営業CF−CAPEX):3,008億円

アドバンテストの5年フリーキャッシュフロー推移

  • 2022年3月期:608億円
  • 2023年3月期:452億円
  • 2024年3月期:118億円
  • 2025年3月期:2,649億円
  • 2026年3月期:3,008億円

半導体テスタ市況の影響を色濃く受ける事業構造上、2024年3月期にFCFが一段縮小したのち、2025年3月期・2026年3月期は営業キャッシュフローの拡大とともにFCFが大きく回復・拡大しています。

アドバンテストのキャッシュポジション

  • 現預金:3,399億円
  • 主要有利子負債(リース債務のみ):201億円
  • ネットキャッシュ(現預金−主要有利子負債):3,197億円(プラス)
  • 営業CFマージン(対売上):29.7%

同社は借入金・社債の残高が実質的に僅少で、有利子負債はリース債務が中心の構造となっており、現預金が有利子負債を大幅に上回るネットキャッシュポジションを維持しています。

アドバンテストの5年営業キャッシュフロー推移

  • 2022年3月期:788億円
  • 2023年3月期:702億円
  • 2024年3月期:326億円
  • 2025年3月期:2,859億円
  • 2026年3月期:3,351億円

営業CFは半導体サイクルに連動して2024年3月期に一段落したのち、2025年3月期・2026年3月期にかけて過去5期分の最高水準に達しています。

アドバンテストの3か月間の株価まとめ

3か月間のアドバンテストは、27,200円から29,630円へと2,430円(8.9%)上昇しました。

期間平均値は28,680円で、最高値35,900円(平均値との乖離率+25.2%)・最低値25,175円(同-12.2%)のレンジで推移しました。

直近の2026年3月期通期決算では、売上収益1兆1,286億円・営業利益4,991億円・当期利益3,753億円で着地しています。

株式投資において、日々更新される情報をリアルタイムに追うことは重要ですが、今回ご紹介したように時間軸を決めて過去を振り返ることも投資のヒントにつながります。

ぜひ参考にしてみてください。

石津 大希
執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ

直近3か月の株価推移と2026年3月期通期決算、2026年3月期通期の有価証券報告書におけるキャッシュフロー内訳を見てみると、アドバンテストのビジネスモデルの特徴と、直近の業績局面の実態が見えてきます。

まず、同社の中核事業である半導体テスタについて。顧客である半導体メーカーの設備投資動向に大きく左右される構造上、業績とキャッシュフローに一定のボラティリティがあります。

俗にシリコンサイクルと呼ばれるもので、過去5期分のFCF推移が示すように、直近2期は営業キャッシュフローの拡大とともに大きく回復・拡大している一方、その前期には一段の縮小を経ており、単一年度のパフォーマンスでモメンタムの解釈をすることはできません。

生成AI関連の演算処理向け半導体需要という追い風環境ではあるものの、テスタ需要そのものは顧客側の投資サイクルに依存する構造である点は、時間軸を考えるうえで大いに注意しましょう。

次に、設備投資額について。営業キャッシュフローに対して設備投資が抑制・コントロールされている点は、資産効率とファブレスに近いビジネスモデルが寄与しているとみられます。

テスタ本体の組み立てを外注比率の高い体制で運営していると考えられ、投資キャッシュフローが売上規模に比して小さい構造は、業績拡大局面でFCFが加速度的に積み上がりやすい一方、需要の反転局面ではキャッシュインが早く鈍化しやすい二面性を持ちます。

留意点として、生成AI関連需要の持続性、地政学リスク含む半導体サプライチェーンの動向、業界の設備投資計画の変更、為替感応度など、外部変数の影響を受けやすい構造は引き続き併せ持っています。

過去実績が示す高い営業CFマージンとFCF創出力が今後も同水準で持続可能かどうかを考えるうえで、これら外部要因と経営の対応力を引き続き観察していきましょう。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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