【老後の資金計画】年収610万・40年勤務の男性で年金は月17.6万円が目安?ライフコース別5つのモデルと2026年度最新年金額
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【老後の資金計画】年収610万・40年勤務の男性で年金は月17.6万円が目安?ライフコース別5つのモデルと2026年度最新年金額

「夫婦の年金合算額」だけで安心してはいけない理由とは

執筆者中本 智恵LIMO&ファイナンス編集部記者
12:01
【老後の資金計画】年収610万・40年勤務の男性で年金は月17.6万円が目安?ライフコース別5つのモデルと2026年度最新年金額
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この記事はここがポイント

  • 2026年度の公的年金は増額改定となり、平均年収約610万円・約40年勤務男性の年金目安は月額17万6793円
  • 年金額は個人の働き方・加入期間・収入で大きく異なり、モデルケースは目安
  • 自身の年金見込額は「ねんきん定期便」「ねんきんネット」等で確認可能

老後の生活設計を考えるうえで、多くの人が気になるのが「自分は将来いくら年金を受け取れるのか」という点ではないでしょうか。

年金は、加入していた年金制度や加入期間、現役時代の収入によって大きく変わるため、同じ会社員でも受け取れる年金額には差があります。

本記事では、2026年度の年金額の改定内容を確認したうえで、平均年収約610万円・約40年間勤務した男性を含むライフコース別の年金モデルを紹介します。

2026年度の年金額は「国民年金・厚生年金」ともに増額改定に

厚生労働省が公表した「令和8年度の年金額改定について」によると、2026年度の公的年金は、国民年金(老齢基礎年金)が前年度比1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられました。

公的年金の受給額は、加入していた制度や加入期間、現役時代の収入によって異なり、厚生労働省では、ライフコース別のモデルケースも公表しています。

まずは、2026年度の公的年金額の目安を確認してみましょう。

令和8年度の年金額の例

令和8年度の年金額の例
出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
  • 国民年金※1:7万608円(1人分)
  • 厚生年金※2:23万7279円(夫婦2人分) ※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円(対前年度比+1300円)です。 ※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

国民年金は、40年間すべて保険料を納めた場合の満額です。

一方、厚生年金の23万7279円は、平均的な収入で40年間働いた夫と、基礎年金を受け取る妻を想定した2人分のモデルケースであり、個人が受け取る年金額そのものではありません。

実際の受給額は、働き方や加入期間、収入によって異なるため、あくまでも目安として考える必要があります。

次章では、厚生労働省が公表しているライフコース別のモデルをもとに、平均年収約610万円で約40年間働いた男性を含む5つのケースを見ていきます。

中本 智恵
執筆者中本 智恵LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

年金額が「増額改定」されたけど、実際の振込額(手取り)もそのまま増えるの?

残念ながら、必ずしも額面通りに手取りが増えるとは限りません。

年金の額面(支給額)が増えると、それに応じて差し引かれる所得税や住民税、国民健康保険料、介護保険料などの負担も段階的に増える仕組みになっているためです。

毎年6月に届く「年金振込通知書」で、税金などが引かれた後の「控除後振込額(手取り)」をしっかり確認することが大切です。

【ライフコース別】平均年収約610万円で40年働いた男性の年金目安は?

前章で紹介した年金額は、公的年金全体のモデルケースです。

ここでは厚生労働省が公表しているライフコース別のモデルをもとに、働き方によって年金額がどのように変わるのかを見ていきましょう。

ライフコース別の年金額

ライフコース別の年金額
出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

モデルケース①:平均年収約610万円で約40年間働いた男性

《年金月額》17万6793円

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50万9000円(※賞与含む月額換算。年収換算で約610万円)
  • 内訳:基礎年金6万9951円/厚生年金 10万6842円

このモデルは、平均年収約610万円(月額換算50万9000円)で約40年間厚生年金に加入した男性を想定したケースです。

年金月額17万6793円のうち、約7万円が老齢基礎年金、約10万7000円が老齢厚生年金となっています。

ただし、実際の受給額は加入期間や収入、受給開始年齢などによって異なるため、あくまでも目安として参考にしましょう。

比較のため、厚生労働省が公表している他のモデルケースも確認してみましょう。

モデルケース②:国民年金(第1号被保険者)期間が中心の男性

《年金月額》6万3513円

  • 平均厚生年金期間:7.6年
  • 平均収入:36万4000円
  • 内訳:基礎年金 4万8896円/厚生年金 1万4617円

モデルケース③:厚生年金期間中心の女性

《年金月額》13万4640円

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 内訳:基礎年金 7万1881円/厚生年金 6万2759円

モデルケース④:国民年金(第1号被保険者)期間中心の女性

《年金月額》6万1771円

  • 平均厚生年金期間:6.5年
  • 平均収入:25万1000円
  • 内訳:基礎年金 5万3119円/厚生年金 8652円

モデルケース⑤:第3号被保険者期間中心の女性

《年金月額》7万8249円

  • 平均厚生年金期間:6.7年
  • 平均収入:26万3000円
  • 内訳:基礎年金 6万9016円/厚生年金 9234円

モデルケースを比較すると、働き方や加入期間、加入していた年金制度などの違いによって、受給額に大きな差があることが分かります。

【元銀行員が伝えたい】「夫婦の年金合算額」だけで安心してはいけない理由

夫婦の年金を考えるうえで、ぜひ知っておいていただきたいのが、「夫婦2人の年金額」は、どちらか一方が亡くなった時点で大きく変わるということです。

例えば、夫が厚生年金を中心に月額約17万6,000円、妻が第3号被保険者として老齢基礎年金を中心に月額約7万8,000円を受け取っている場合、夫婦の年金収入は合計で月額約25万4,000円になります。

この金額だけを見ると、「老後の生活は何とかやっていけそう」と感じるかもしれません。

しかし、もし夫が先に亡くなった場合、妻は自分の老齢基礎年金に加え、一定の条件を満たせば夫の厚生年金をもとにした「遺族厚生年金」を受け取ることができます。

そのため収入がすべてなくなるわけではありませんが、夫婦2人で受け取っていた年金額よりは大きく減少するケースが一般的です。例えばこのモデルでは、世帯全体の年金収入は約25万4,000円から約15万8,000円へと減り、毎月約10万円の収入減となります。

このように、「夫婦の合計年金額」だけを基準に老後の生活設計をしてしまうと、どちらか一方が亡くなった際に、遺された方の生活が想像以上に厳しくなる可能性があります。

私が銀行で資産相談を担当していた頃も、「夫が定年退職したタイミングで生命保険を解約してしまった」「年金は夫婦でもらえるから十分だと思っている」と話される方が少なくありませんでした。しかし、実際に配偶者を亡くされた後、収入が大きく減り、家計を見直さざるを得なくなったというケースも起こり得るのです。

ねんきん定期便を確認する際は、夫婦2人の受給額だけで安心するのではなく、「もし一人になったら毎月の収入はいくらになるのか」までシミュレーションしておくことが大切です。

不足が見込まれる場合は、現役のうちから貯蓄を増やしたり、NISAやiDeCoなどの資産形成制度を活用したりするなど、将来に備えた準備を進めておくと安心です。

次章では、年金見込額を確認する方法について紹介します。

自分の年金見込額を確認しよう

実際に受け取る年金額は一人ひとり異なるため、モデルケースはあくまで目安です。

将来受け取れる年金額を把握するには、自分の加入記録を確認することが大切です。

ここでは、現役世代と年金受給者それぞれが年金額を確認する方法を紹介します。

現役世代:ねんきん定期便・ねんきんネット

将来受け取る年金額を知るには、日本年金機構が提供する公的サービスを利用するのが基本です。

毎年誕生月ごろに送付される「ねんきん定期便」には、これまでの加入記録や保険料の納付状況、現在の条件をもとにした年金見込額が記載されています。

ねんきん定期便

ねんきん定期便
出所:日本年金機構「「ねんきんネット」による電子版「ねんきん定期便」」

電子版(PDF)でも確認でき、保存や管理にも便利です。

さらに、「ねんきんネット」を利用すれば、加入記録の確認に加え、今後の収入や受給開始年齢を変更した場合の年金額も試算できます。

「ねんきんネット」の情報

「ねんきんネット」の情報
出所:日本年金機構「ねんきんネット」

将来の老後資金を考えるうえでも、一度確認しておくと安心でしょう。

年金受給者:年金振込通知書

すでに年金を受給している人には、毎年6月頃に日本年金機構から「年金振込通知書」が送付されます。

年金振込通知書

年金振込通知書
出所:日本年金機構「年金振込通知書」

通知書には改定後の年金額だけでなく、「年金支払額」と「控除後振込額」が記載されています。

「年金支払額」は税金や社会保険料が差し引かれる前の金額、「控除後振込額」は実際に振り込まれる手取り額です。

年金からも税金や社会保険料が控除されるため、実際に受け取る金額を把握するためには、毎年届く通知書の内容を確認しておくことが大切です。

モデルケースを参考に、自分の年金見込額を確認しておこう

本記事では、2026年度の年金額の改定内容を確認したうえで、平均年収約610万円・約40年間勤務した男性を含むライフコース別の年金モデルを紹介しました。

2026年度は国民年金・厚生年金ともに増額改定となりましたが、公表されている年金額は一定の条件を前提としたモデルケースです。

今回紹介したように、平均年収約610万円で約40年間勤務した男性では月額17万6793円が目安とされていますが、年金額は加入していた制度や加入期間、収入などによって一人ひとり異なります。

そのため、モデルケースは参考として活用しつつ、自分自身の受給見込額を把握することが大切です。

現役世代は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」、年金受給者は「年金振込通知書」を確認することで、自身の年金額を把握できます。

老後の生活設計や資産形成を考える第一歩として、一度確認してみてはいかがでしょうか。

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