積立投資に「始めどき」はある? 相場が気になる人ほど知っておきたい積立の考え方
aijiro/shutterstock.com
執筆者篠田 尚子ファンドアナリスト/CFP®
07:40
積立投資に「始めどき」はある? 相場が気になる人ほど知っておきたい積立の考え方
aijiro/shutterstock.com

この記事はここがポイント

  • 積立投資は、開始時期より忍耐強い継続が長期的な資産形成の鍵。
  • 相場下落時は、より多くの口数を購入し、将来の資産回復を後押しする機会。
  • 積立投資は価格追求でなく、将来の資産形成につながる「持ち分」を積み上げること。

NISAの普及に伴い、投資信託の積立投資を続けている人が増える一方で、「もっと安いときに始めておけばよかった」とか、「いったん積立を止めた方がいいのではないか」と考えたことがある人も少なくないでしょう。

相場が大きく動くと、「今始めても大丈夫だろうか」「もう少し待った方がよいのではないか」と迷うことがあります。しかし、積立投資は、そもそも「安いところを狙って買う」ことを目的とした投資方法ではありません。

積立投資では何を積み上げているのか

積立投資でタイミングが気になるのは、「価格」で投資を考えているからかもしれません。

積立投資では毎月決まった金額分の投資信託を購入します。このとき変わるのは、投資金額ではなく購入できる口数です。基準価額が高いときは購入できる口数は少なくなり、基準価額が下がれば、同じ金額でもより多くの口数を購入できます。

つまり、積立投資は毎月の価格を追いかける投資ではなく、将来の資産形成につながる「持ち分」を少しずつ積み上げていく投資とも考えられます。投資信託の価格である基準価額は日々変動しますが、一度積み上げた口数は、その後も資産として残り続けます。

下落相場は「悪いこと」なのか

積立投資を価格だけで考えると、相場の下落は避けたい事態です。しかし、「持ち分を積み上げる」という視点で見ると、景色は少し変わります。

基準価額が下がると評価額は一時的に減少しますが、積立を続けてさえいれば、多くの口数を購入・積み上げることができます。将来的に相場が回復し、基準価額が再び上昇すれば、積み上げた口数が資産全体の回復を後押しすることになります。

もちろん、積立投資は利益を保証するものではありません。しかし、相場の下落を「損をした」と表面的に捉えるのではなく、「将来に向けて持ち分を積み上げる期間」と考えることもできるのです。

積立投資で一番難しいこと

積立投資は、仕組みそのものはシンプルですが、忍耐を試される投資方法でもあります。

相場が好調なときは積立を続けやすい一方で、評価額が減少する局面では、「いったん積立を止めよう」「相場が落ち着いてから再開しよう」と考えてしまいがちです。しかし、その判断によって、価格が下がっている局面で多くの口数を購入できる機会を逃してしまうこともあります。

だからこそ、積立投資では「いつ始めるか」以上に、「忍耐強く続けられるか」が重要になります。

相場はこれからも何度も上がったり下がったりを繰り返すでしょう。そのたびにタイミングを探すのではなく、自分で決めたルールに沿って積立を続けることが、長期的な資産形成につながります。積立投資とは、「価格」を積み上げるのではなく、「将来の資産」を積み上げていくための投資なのです。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
Google で優先するソースとして追加

関連タグ

篠田 尚子ファンドアナリスト/CFP®モニクル総研

PROFILE