2026年7月13日の東京株式市場は、取引時間中に韓国総合株価指数(KOSPI)が急落してサーキットブレーカーが発動。
これを受けてキオクシアホールディングスをはじめとする主要な半導体関連株が売られ、全体としては大幅反落の厳しい一日となりました。
その一方で、小売りやエンタメ、外食などの「内需銘柄」や銀行セクターには買いが入り、明暗が分かれる展開に。
そんななか、相場の地合いを跳ね返すような力強さを見せ、「8連騰(8日連続の上昇)」と異彩を放ったのが、おなじみの牛丼チェーンを展開する吉野家ホールディングス(9861)です。
13日の同社株は一時、初めて3,600円台を突破し、上場来高値を更新しました。
今回は、吉野家HDの株価がここまで急騰した背景にある「好材料」と、多くの投資家が楽しみにしている「8月末権利確定の株主優待」について分かりやすく解説します。
【吉野家ホールディングス(9861)】2026年7月13日の終値は「3,586円」
13日の吉野家HD株の取引概況は以下の通り。
終日右肩上がりで推移し、大引け直前の15時24分に3,616円と、上場来高値を記録しました。
- 株価(終値):3,586円
- 前日比:+5.28%
- 始値:3,452円
- 高値:3,616円
- 安値:3,444円
- 出来高:1,221,700株
- 時価総額:233,555百万円
- 売買代金:4,329百万円
- PER(会社予想):47.37倍
- PBR(実績ベース):3.34倍
- 配当利回り:0.61%
吉野家HDが8連騰!株価急騰を導いた「3つの材料」
全体相場が下落するなか、吉野家HDの株価が独自の強さを見せたのには、主に3つのポジティブな材料が重なったためです。
① 2027年2月期・第1四半期決算が絶好調(7月8日発表)
第1四半期の当期純利益が前年同期比で約2.4倍に急拡大。通期業績の上振れ期待が一段と高まりました。
② 上限25億円の「自社株買い」を発表(7月10日発表)
前週末の取引終了後、上限85万株(発行済み株式総数の1.31%)、または総額25億円を上限とする自己株式取得を発表。株主還元への積極的な姿勢が、市場で素直に好感されました。
③ 米国ラーメンチェーンの「子会社化」も同時発表
自社株買いと同時に、米国子会社を通じて米国の人気ラーメンチェーン「Kizuki International LLC」の持分70%を取得し、子会社化(約46億円)することも発表。今後のグローバル展開への成長期待が、買い安心感を誘っています。
【吉野家ホールディングス(9861)】の年間チャート
吉野家HDの1年間の値動きは以下の通りです。
それまでの吉野家HDの株価は、3,000円台前半を中心とした狭い範囲(レンジ)で行ったり来たりする展開が続いていました。
風向きが変わったのは1Qの決算発表です。
絶好調な決算や自社株買いといった「好材料」が相次いだ絶妙なタイミングで、市場の投資資金が「半導体関連株」から「ディフェンシブ株(内需銘柄)」へとシフト。
行き先を探していた資金をガッチリと掴んだことが、今回の上場来高値更新の大きな原動力となったとみられます。
吉野家の年間チャート
8月末の権利確定を前に確認、株主優待は「500円優待券」
続いて株主優待です。
吉野家ホールディングスの株主優待は、グループ店で使える「株主様ご優待券」(1枚500円)がもらえるというもので、権利確定の基準日は2月末と8月末の年2回です。
8月末が近づくこの時期に、内容を確認しておきたい優待といえます
優待をもらうのに必要な最低購入株式数は100株です。
金額にすると、2026年7月9日の終値ベース(3,361円)で「33万6,100円」です。
保有株数ごとの優待券の金額は?200株のお得感が高いのが特徴
保有株数に応じた1回(各基準日)あたりの優待券は、以下のとおりです。
年2回のため、年間では2倍となります。
保有株数:優待券の枚数→年間合計
- 100~199株:4枚(×2回)→4,000円分(2,000円分×2回)
- 200~999株:10枚(×2回)→10,000円分(5,000円分×2回)
- 1000~1999株:12枚(×2回)→12,000円分(6,000円分×2回)
- 2000株以上:24枚(×2回)→24,000円分(12,000円分×2回)
※会計額に応じ、複数枚の利用が可能
※「株主様ご優待券」のみで支払う場合、釣銭不可
最大の特徴は、保有株数に応じて年間でもらえる金額が着実にアップする点です。
特に200株以上の保有では、1回あたり(半年ごと)の優待額が2,000円分から5,000円分に跳ね上がるため、非常に満足度の高い内容となっています。
たとえば100株を保有する場合、年間で4,000円分の優待券が目安となり、これに配当を加えたインカムを、投資額(株価×100株)に対してどう評価するかがポイントになります。
株価は変動するため、優待利回り・配当利回りは取得価格によって変わる点は押さえておきたいところです。
権利確定スケジュールをチェック!
権利を得るには、権利確定の基準日時点で株主名簿に記載されている必要があります。
権利付き最終売買日:2026年8月27日(木)
この日の大引け(15:30)までに株を買って保有している必要があります
権利落ち日:2026年8月28日(金)
この日に株を売っても、8月分の優待と配当はもらえます
権利確定日:2026年8月31日(月)
株主名簿に名前が載る日です(※株主がこの日に何か操作をする必要はありません)
8月の権利確定スケジュール一覧
使えるお店はどこ?
優待券は、牛丼の「吉野家」やセルフうどんの「はなまるうどん」を中心に、千吉や鶏千などを運営するグループ会社の店舗などで利用できます。
「今日は吉野家でがっつり、明日ははなまるであっさりと」といった使い分けができるため、飽きることなく優待を使い切ることができますね。
一部取り扱いのない店舗もあり、対象店舗は変更される場合があるため、最新の一覧は公式サイトで確認しておきましょう。
- 吉野家(※2026年7月開催の『ドラゴンクエストウォーク』コラボなど、魅力的なイベントも定期的に実施されています!)
- 讃岐うどんのはなまるうどん
- カレーうどん千吉
- 鶏千 親子丼とから揚げがおいしい店
- 炒王 肉あんかけチャーハン専門店
- 最強トロ炊きとんこつ 鶏ガラ醤油 ばり嗎
- 丸鶏醤油ラーメンとりの助
- 石焼濃厚つけ麺 風雲丸
- 鶏白湯らーめん 台湾まぜそば キラメキノトリ(※「株主様ご優待券」2枚につき、お好きなラーメン1杯と引き換え)
吉野家の優待はいつ届く?
権利確定分の優待券は、2月末分が5月上旬頃、8月末分が11月頃に発送されるのが目安です。
優待の最新の内容・条件は、吉野家ホールディングスのIR情報で確認しておくと安心です。
まとめ
2026年7月13日の東京株式市場が大幅反落となるなか、「8連騰」と驚異的な強さを見せたのが吉野家ホールディングス(9861)です。
取引時間中に一時3,600円台を突破し、上場来高値を鮮やかに更新しました。
この急騰の裏には、大幅増益の1Q決算、上限25億円の自社株買い、米ラーメンチェーン子会社化という「3つの好材料」があります。
さらに市場の資金が半導体株から同社のような「ディフェンシブ株(内需銘柄)」へシフトした絶妙なタイミングも重なり、株価の強力な追い風となりました。
また、同社といえば「8月末」に迫る人気の株主優待も見逃せません。
100株で年間4,000円分ですが、200株になると年間10,000円分に跳ね上がるため、「200株保有」のお得感が高いのが大きな魅力です。
優待獲得の権利付き最終売買日は8月27日(木)。
株価が高値圏にあるため、今後の押し目を慎重に見極めつつ、納得のいくタイミングを探りたいところです。
参考
- 株式会社吉野家ホールディングス 自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ
- 株式会社吉野家ホールディングス 当社子会社による Kizuki International LLC の持分の取得(孫会社の異動)および第三者割当の方法による当社自己株式の処分に関するお知らせ
- 株式会社吉野家ホールディングス 2027年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社吉野家ホールディングス 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 吉野家ホールディングス IR「よくいただくご質問」
- 吉野家ホールディングス「株主優待券が利用できる店舗一覧」
- 吉野家ホームページ ドラゴンクエストウォークコラボ特設ページ(2026年7月)
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
