【意外に少ない国民年金】どう増やす?満額・月7万608円でも赤字に…5つの対策
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【意外に少ない国民年金】どう増やす?満額・月7万608円でも赤字に…5つの対策

「2年でモトがとれる」最強コスパ術も。介護経験者が語る「生涯現役の限界」や想定外の支出を見越した《自分年金の作り方》

執筆者熊谷 良子編集記者
19:06
【意外に少ない国民年金】どう増やす?満額・月7万608円でも赤字に…5つの対策
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「国民年金だけで、これからの老後を安心して暮らしていけるのだろうか…」

自営業やフリーランスのみなさんの中には、そんな不安を感じている人もいるでしょう。

2026年度の老齢基礎年金(国民年金)の満額は月7万608円と、ようやく7万円台に乗りました。

しかし、総務省「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」を見ると、65歳以上の単身無職世帯における1ヶ月の消費支出(生活費)は平均14万8445円です。

年金だけでは毎月の家計が赤字になってしまうのが現実と言えます。

筆者は日々、金融メディアで家計や年金のデータ分析を行うかたわら、自分自身の家族の介護を通じ、リアルな「お金とくらし」の課題に直面してきました。

今回はそんな視点から、自営業やフリーランスの方へ向けて、国民年金の受給額の実態と、老後の安心につながる「年金を増やす5つの方法」をわかりやすく解説します。

公的年金のキホン:国民年金と厚生年金の「2階建て構造」とは?

公的年金は、基礎部分となる「国民年金」と、上乗せ部分にあたる「厚生年金」から成り立つ2階建て構造です。

厚生年金と国民年金の仕組み

会社員や公務員は「1階の国民年金+2階の厚生年金」の2階建てですが、自営業やフリーランスは1階部分の国民年金だけ。

同じ「公的年金」といっても、受給額の水準は大きく異なります。

国民年金の受給額は「意外に少ない」実態

令和8年度の年金額の例

令和8年度の年金額の例
令和8年度の年金額の例
  • 国民年金(老齢基礎年金)満額:月7万608円

国民年金:年金月額階級別の受給権者数

国民年金:年金月額階級別の受給権者数
国民年金:年金月額階級別の受給権者数

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金の実際の平均月額は次のとおりです。

  • 〈全体〉平均月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均月額:5万7582円

満額7万608円と比べても、実際の平均は月約6万円。40年間フル納付できた人ばかりではないため、平均は満額より1万円ほど低くなっています。

自営業・フリーランス必見!国民年金をどう増やす?「5つの対策」

①付加年金に加入する(自営業向けの最強コスパ)

国民年金第1号被保険者は、月400円を上乗せで払うことで「付加年金」に加入できます。

老後は「200円×納付月数」が老齢基礎年金にプラスされる仕組みです。

10年(120月)加入すれば老後に年24000円プラス、2年で元が取れる高コスパの制度です。

②国民年金基金を活用する

自営業者向けの上乗せ年金制度です。

掛金は全額所得控除の対象になり、老後は終身年金として受け取れます。

掛金の上限は、iDeCoと合算で月6万8000円です。

③60〜65歳の任意加入で満額に近づける

60歳時点で満額に届いていない場合、任意加入で60〜65歳の5年間、追加で保険料を納めることが可能です。

40年(480月)に近づけるほど老齢基礎年金は増えます。

④繰下げ受給で最大84%増額

繰下げ受給の増額イメージ

繰下げ受給の増額イメージ
【グラフで分かる】繰下げ受給の増額イメージ

65歳から受け取らず、66歳〜75歳まで受給開始を遅らせる「繰下げ受給」。

1カ月遅らせるごとに0.7%、最大75歳まで繰下げれば84%の増額に。70歳まで繰下げれば、月額7万608円→約10万円に増えます。

⑤iDeCoで自助努力の年金を作る

個人型確定拠出年金(iDeCo)は掛金全額が所得控除、運用益非課税、受取時も税優遇の三重の税制メリットがあります。

自営業者は月6万8000円まで拠出可能で、老後の年金額を自分でつくれる制度です。

「自営業=生涯現役」の落とし穴。想定外の支出と、先を見越した生活設計の大切さ

総務省「家計調査(2025年)」によると、65歳以上の単身無職世帯の家計は、毎月およそ3万円の赤字となっています。

実はこのデータは多くが「持ち家」を前提としたものであり、介護費用なども原則として含まれていません。賃貸にお住まいの方や将来の介護を想定すると、赤字幅はさらに大きくなる可能性があります。

筆者は老親の介護を通じ、統計データには表れにくい「想定外の支出」の重さを痛感しました。たとえば住まいのバリアフリー改修です。

段差の解消や手すりの設置には介護保険を利用できますが、支給限度基準額は生涯で20万円までと決められており、一定規模以上の工事になれば当然自己負担が発生します。

若い頃に選んだ住まいでは、わずか数センチの段差で自分が転倒することなど想像しにくいかもしれませんが、老後はそうはいきません。

また、「自営業だから生涯現役で稼げる」と思っていても、体力や健康面のダウンがいつ訪れるかは誰にもわかりません。

お金も健康も同じです。「若い頃の良好な状態がずっと続くとは限らない」という前提に立ち、先を見越した生活設計(お金や住まい、仕事のペースなど)を早めに考えていく必要があります。

「月3万円の赤字」はあくまで最低ラインです。将来の不安を和らげるために、まずは収支を見直し、iDeCoやNISAを活用した「自分年金」づくりを少しずつ始めてみませんか。

まとめ:「ねんきん定期便」の確認から、ゆとりある未来の準備を始めよう

ここまで、国民年金の実態と受給額を増やすための具体的な方法を見てきました。

現在の国民年金の平均受給額は月約6万円。先ほどご紹介した単身高齢者の平均的な生活費(約14.8万円)と比べても、明らかに不足してしまうのが現実です。

とくに、厚生年金の上乗せがない自営業やフリーランスの方にとって、公的な制度(付加年金、国民年金基金、任意加入、繰下げ受給)のフル活用と、私的な資産形成(iDeCoやNISAなど)の組み合わせは、老後の安心をつくるための「必須のピース」と言えます。

コラムでもお伝えしたように、老後にはデータに表れにくい想定外の支出や、体力的な変化が待ち受けています。

「まだ先のことだから」と後回しにせず、まずはご自宅に届く「ねんきん定期便」などで、ご自身の将来の見込み額を確認してみましょう。現状を正しく知ることが、ゆとりある未来への第一歩。

40歳代、50歳代の今から少しずつ対策を重ねて、自分らしい心豊かな老後を迎える準備を始めていきませんか。

参考資料

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熊谷 良子編集記者株式会社モニクルリサーチ

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