「シングル女性の厚生年金は月約10万円?」FPが解説する【おひとりさまの年金】とマネープラン
ayanonnon/shutterstock.com
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「シングル女性の厚生年金は月約10万円?」FPが解説する【おひとりさまの年金】とマネープラン

自由な未来を守る「自分年金」の準備を

執筆者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
17:30
「シングル女性の厚生年金は月約10万円?」FPが解説する【おひとりさまの年金】とマネープラン
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「おひとりさま」というライフスタイルがすっかり定着し、生涯を単身で自由に、自分らしく過ごす選択をする女性が増えています。夏の連休などで少し羽を伸ばす時間は、旅行や趣味を楽しみつつ、ふと「これからの暮らし」に思いを巡らせる良いきっかけになるかもしれません。

私自身、FP(ファイナンシャルプランナー)として多くのシングル女性からマネープランのご相談をお受けしてきましたが、なかでも圧倒的に多いのが「将来もらえる年金額」へのご不安です。「ずっと働き続けているけれど、実際のところ老後は大丈夫なのだろうか」と、漠然とした気がかりを抱えている方は少なくありません。

厚生年金の女性平均は月11万円台と言われますが、実際の受給額の分布はどうなっているのでしょうか。今回は、これまで多くのご相談に向き合ってきた視点も交えつつ、女性の厚生年金が月10万円前後の水準に集まりやすい背景について、最新のデータからひもといていきます。

年金の基本、国民年金と厚生年金は「2階建て構造」

公的年金は、基礎部分となる「国民年金」と、上乗せ部分にあたる「厚生年金」から成り立つ2階建て構造です。

厚生年金と国民年金の仕組み

国民年金は原則として、国内在住の20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象で、年金のベースとなります。国民年金保険料(※1)は全員一律です。

厚生年金は企業や官公庁などで働く人たちが、国民年金に上乗せして加入する年金です。毎月の給与や賞与に応じた保険料(※2)を納めます。

厚生年金は「年金加入月数」と「納めた保険料」で老後の年金額が決まるため、シングルで長期間フルタイム勤務を続けてきたか、途中で非正規雇用に切り替えたかによって、受給額に差が出やすい仕組みです。

※1 国民年金保険料:2026年度は月額1万7920円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される

国民年金の満額「ひとり当たり7万円台」、厚生年金の夫婦2人分「標準的年金額はいくら?」

公的年金の支給日は「偶数月の15日(※)」で、2026年度の改定額が反映されたのは先日6月15日の支給分(4月・5月分)からでした。次回の支給日は8月14日(金)です。

厚生労働省によると、2026年度のモデル世帯(夫婦2人分の標準的な年金額)は月23万7279円となり、前年度から改定率がプラスとなりました。

令和8年度 年金額の例

老齢基礎年金の満額は月7万608円(昭和31年4月2日以降生まれ)となり、2025年度の月6万9308円から約1300円の増額です(※2)。

※ 15日が土日祝の場合は前営業日
※2 昭和31年4月1日以前生まれの人は月7万408円

シングル女性の厚生年金は月約10万円?現在の分布をみる

厚生年金の平均月額は男性で16万9967円、女性で11万1413円と、5万円以上の開きがあります。シングルで長く働いてきた女性でも、月10万円前後の受給になるケースは少なくありません。

厚生年金 階級別受給権者数

階級別受給権者数の分布を見ると、女性は月10万円未満のゾーンに集中しています。厚生年金の受給権者全体で月10万円未満は約305万3974人(全体の約19.0%)にのぼり、女性受給者はこのボリュームゾーンに含まれる割合が高くなっています。

背景には、結婚や出産・育児で一度キャリアを中断したり、パート勤務に切り替えたりする女性が男性より多いことが挙げられます。加入月数と平均標準報酬額の両方が低くなれば、老齢厚生年金の受給額も少なくなる仕組みです。

シングルで働き続けた場合でも、業種や職種によって年収に大きな幅があり、平均標準報酬額が男性よりも低いケースは珍しくありません。

【FPからのアドバイス】シングルだからこそ、自由な未来を守る「自分年金」の準備を

日々の相談現場でも、「自分の年金と貯蓄だけで老後を乗り切れるでしょうか?」という切実なお声をよく伺います。おひとりさまの老後は、すべてを自分のペースで決められる素晴らしい自由がある一方で、生活費から住居費、医療費までを自身の年金と資産だけでまかなう必要があるため、不安を感じてしまうのも当然のことです。

もし年金の受給見込額が月10万円台だとすると、ご自身が望むゆとりある暮らしを維持するためには、どうしてもプラスアルファの備えが必要になってきます。

そこで大切になるのが、現役世代のうちから少しずつ「自分年金」を育てていくことです。iDeCo(イデコ)やNISAなどを活用した無理のない資産形成をはじめ、将来を見据えた住まいの選択や、不要な保険の見直しなど、今からできることはたくさんあります。また、ご自身のペースで長く働き続けられる環境への転職や、副業などを通じて厚生年金の加入期間を延ばすことも、力強い選択肢になります。

「すべて一人で背負わなければ」と焦る必要はありません。まずはご自身の現状を優しく受け止め、これからも心地よく過ごせる未来のために、できることから少しずつ準備を始めていきましょう。

参考資料

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村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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