2026年6月25日に日経平均株価は史上最高値を更新し、終値で 7万2366円 を記録しました。
元銀行員として多くのお客様の資産形成を見てきましたが、このような株高が続く市場環境の中では、投資をしていた人とそうでない人との間で大きな差が生まれやすくなります。
では、実際に早くから投資を取り入れていた個人投資家は、どのくらい資産を殖やすことができているのでしょうか。
今回は、実際にiDeCoを活用して長期間運用し、2026年7月6日時点で運用資産残高1800万円を突破したRさん(50代・男性・会社員)に、気になる「iDeCoのリアル」を直撃インタビューしました。
iDeCoで1800万円到達した個人投資家へインタビュー
Rさんの資産状況をご紹介します。
拠出金の内訳として、掛金と移換金があることに気づいた方もいるのではないでしょうか。個人でiDeCoをスタートする前に、企業型確定拠出年金に加入していた分が移換金として表記されています。
ここからは具体的な話をうかがっていきましょう。
Rさん(50代・男性・会社員)の資産状況
ー iDeCoをはじめたきっかけは何だったのでしょうか
以前勤務していた金融機関には企業DCの制度があったのですが、その後、転職した会社では企業DCの制度がなく、仕方なくiDeCoに切り替えました。
したがって、先の拠出金累計額は企業DCからの分と、その後にiDeCoでの拠出分が含まれています。
スタートする前に、どのような情報収集をしましたか?
ー iDeCoをスタートする前にどのような情報収集をしていましたか
iDecoを始めるためには、まずどの運営管理機関が良いかを決めなくてはいけません。
運営管理機関を選ぶ上で、運用商品のラインナップを参考にすることも大切ですが、私は維持手数料が安いことを優先して探しました。長期投資になるので、手数料はできるだけ抑えておきたいと考えたためです。
結果、手数料が安いのはやはりネット証券だなと確信したので、ネット証券で口座開設することにしました。
初期設定時にどのような商品を選定しましたか?
ー はじめに選定した商品を教えてください
実は、最初はiDeCoで運用することは全く考えていなかったので、元本確保型でしばらくそのまま放置していました。
2012年頃iDeCoに移換して2018年までそのままにしていたんです。
自動移換されてしまう前に早くiDeCoを始めたかったのが本音なんです。その頃から運用をスタートしていたら、「長期投資の恩恵をもっと受けることができたのに…」と思う時もあります。
運用を開始してからはどのような運用をしましたか?
ー 2018年頃から運用を開始されてからはどのような運用をしていましたか
私のケースでは、毎月の掛金は制限いっぱいの2万3000円です。
世界株式に投資ができるインデックスファンドとアクティブファンドの両方に大体半分ずつくらい投資をしています。
私は40代なのですが、自分の年齢を考えると、20年以上といった長期で資産ができていればいいと思うので、債券ファンドや債券が組み込まれているバランス型ファンドには興味はないですね。
個人的な意見でいえば、資産形成層は資産を分散しないで株式に集中して資産拡大を狙った方がいいかと思います。
iDeCoでの運用をどのように考えているのでしょうか?
ー iDeCoでの運用をどのようにとらえているか教えてください
iDeCoの制度上では、スイッチングに手数料がかかりません。
そのため、都度、投資信託を入れ替えたり、一時的に運用商品を売却して現金比率(元本確保型の定期など)を増やしています。
ー 現金の確保にはこだわりがあるようですね
資金の現金比率を自在に操ることは、個人投資家の醍醐味です。
ITバブルやリーマンショックなどの歴史的な暴落時には資産価値が半減し得るため、常に市場環境に合わせて現金の割合をコントロールしています。
株価が急落した際には、この現金を使って買い増すという戦略です。iDeCoは枠内での商品の売買(スイッチング)が自由に行えるという利点があるため、相場状況に応じて機動的な運用を実践しています。
老後生活は毎月約24万円の赤字。貯蓄を取り崩す生活に
いかがでしょうか。Rさんの資産状況とインタビューをご紹介してきました。
なぜ私たちが「投資」をしてまで老後資金を作る必要があるのか、に疑問を持つ方もいるかもしれません。その理由を最新のデータから確認しておきましょう。
総務省が発表した「家計調査報告(2026年5月分)」から、主に年金生活を中心とする「無職世帯」の家計の数字を見てみましょう。
【無職世帯(二人以上の世帯)の1ヶ月の家計収支】
- 手取り収入(可処分所得):21,567円
- 生活費など(消費支出):262,704円
- 毎月の赤字額(黒字額):-241,137円
このように、公的年金などの収入だけでは日々の生活費が足りず、現役時代に貯めた預貯金を毎月大きく切り崩しながら生活していることがわかります。
さらに、昨今のインフレ(物価高)が続けば、同じものを買うのにもより多くのお金が必要になり、この赤字額は将来さらに膨らむ可能性があります。
「なんとなく預金だけ」では、老後の生活を守り切れないと感じる方が増えているのも納得できるのではないでしょうか。
インタビューを終えて
今回は、iDeCoでしっかりと利益を積み上げているRさんにお話を伺いました。
「運用資産が1,800万円を突破した」というエピソードは、これからiDeCoを始める方や、着実に長期投資を続けている方にとって、とても魅力的にうつったのではないでしょうか。
ぜひRさんの体験談をヒントにしながら、「自分らしい資産形成」について一度考えてみてください。
参考資料
みずほ銀行出身。FP2級保有。確定拠出年金の講師として全国でセミナーに登壇。フィンテック企業広報を経て、現在はLIMOで官公庁データを基に、年金や資産運用、新NISA、iDeCo等の記事を執筆。
