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「厚生年金は月15万円もらえる」の勘違い。データが示す受給額の落とし穴&シビアな現実

平均値の裏にある大きな格差とは? 50代で自身の「ねんきん定期便」のリアルな数字に直面した筆者が、50歳を境に変わる年金見込額の正しい見方を解説します。

執筆者熊谷 良子編集者
06:36

 厚生年金「平均15万円」の3つの落とし穴

ここからは、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、""平均""だけでは見えない受給額の実態を確認していきます。

落とし穴①:男女で6万円近い差がある

厚生年金:年金月額階級別の受給権者数

厚生年金:年金月額階級別の受給権者数
出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成
  • 〈全体〉平均年金月額:15万289円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金部分を含む

男女平均を単純に比べると差は約5万8000円。

「平均15万円」は男性寄りに引き上げられた数字であり、女性の平均は約11万円と1割以上下回ります。

落とし穴②:分布は「山型」ではなく「幅広く分散」

厚生年金の階級別受給権者数は次のとおりです(1万円レンジ)。

  • ~10万円未満:計 約305万人(全体の約19%)
  • 10万円以上~15万円未満:計 約498万人(全体の約31%)
  • 15万円以上~20万円未満:計 約499万人(全体の約31%)
  • 20万円以上~25万円未満:計 約266万人(全体の約17%)
  • 25万円以上:計 約37万人(全体の約2%)

平均額15万円のちょうど周辺(14〜16万円未満)は約189万人で、全体の約11.8%しかいません。「平均額=最も多い」は必ずしも成り立たず、「10万〜20万円」のかなり広い帯域に受給者が幅広く散らばっているのが実態です。

落とし穴③:中央値と平均値のズレ

階級別データを積み上げていくと、受給者の累計がちょうど半数(約804万人)に到達するのは「14万〜15万円未満」の階級。

つまり厚生年金の中央値は月14万円台となり、平均15万円289円と大きくは離れていません。

ただしこれは「厚生年金加入者に限る」統計です。厚生年金に加入していない自営業者・フリーランス層は「国民年金のみ」で、平均月額は約6万円と大幅に下がります。

世の中の年金受給者全体で見ると、「平均15万円」を大きく下回るゾーンにも多くの人がいるという点は忘れてはいけません。

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