この記事はここがポイント
- イオン優待のオーナーズカードは、300株保有で返金率3%、ラウンジ月8回利用の恩恵
- 100株保有でもイオンシネマ優待は鑑賞料金1,000円、ドリンク付きで一般から1,000円割引
- イオン株は10月5日に年初来安値1,209円、第1四半期は過去最高益も第2四半期は震災影響
イオン<8267>は10月13日大引け後に、2027年2月期の第2四半期(中間期)決算を発表する予定です。
その決算を前に、株価は安値圏での推移が続いています。
5日には取引時間中に1,209円まで下げ、年初来安値を更新しました。
1月5日につけた年初来高値2,542円と比べると、半値を下回る水準です。
株価が下がった局面では、買い物で使える株主優待「オーナーズカード」を目当てに、イオン株を拾いたいと考える個人投資家もいるのではないでしょうか。
ただ、オーナーズカードの返金率は保有株数によって1~7%と幅があり、たとえば100株と300株では受けられる恩恵にかなりの差があります。
今回は、13日の中間決算を前に、7月10日に発表された第1四半期決算を簡単に振り返ったうえで、オーナーズカードを保有株数別に整理します。
1Qは第1四半期として過去最高、ヘルス&ウエルネス事業がけん引
イオンが2026年7月10日に発表した2027年2月期第1四半期(2026年3~5月)の連結業績は、次の通りです。
- 営業収益:2兆9,419億8,100万円(前年同期比14.6%増)
- 営業利益:752億300万円(同33.6%増)
- 経常利益:635億8,200万円(同32.3%増)
- 四半期純利益:138億900万円(前年同期は65億7,000万円の赤字)
営業収益、営業利益、経常利益はいずれも第1四半期として過去最高を更新し、純利益は黒字に転じました。
同社は、ヘルス&ウエルネス事業でツルハホールディングスとウエルシアホールディングスの統合による相乗効果が順調に出ているとしています。
通期では営業収益12兆円(前期比12.0%増)、営業利益3,400億円(同25.7%増)、経常利益2,900億円(同19.3%増)、純利益730億円(同0.4%増)を見込んでいます。
配当は中間7.5円・期末7.5円の年間15円(いずれも記念配当0.5円を含む)の予定です。
13日に控える中間決算、熊本地震の影響も
10月13日の中間決算では、この流れが第2四半期(6~8月)も続いたかが焦点になります。
ただ、第2四半期には7月28日に発生した令和8年熊本地震の影響も含まれます。
この地震に際しては「イオンモール熊本」で爆発事故が発生し、死傷者が出ました。
同社は7月30日、グループの店舗などでも被害が出ており、連結業績への影響は精査中だとしています。
その後、連結子会社で東証スタンダード市場に上場するイオン九州<2653>が9月28日、現時点で判明した設備修繕費や商品破損額などの震災関連費用17億4,500万円を、第2四半期に特別損失として計上すると発表しました。
調査中の費用は第3四半期以降に計上する予定です。
ここまで見てきた通り、イオンの第1四半期は過去最高の数字でした。
一方で株価は年初来高値から半値を下回る水準まで下げており、業績と株価の動きにはずれが生じています。
イオンの年間チャート
イオン<8267>の10月7日の株価終値
7日の株価終値は1,217.5円(前日比:▲8.5円、▲0.69%)でした。
主な指標は以下の通りです。
- PER(会社予想):46.15倍
- PBR(実績):2.79倍
- 配当利回り(会社予想):1.23%
- 年初来高値:2,542円(1月5日)
- 年初来安値:1,209円(10月5日)
※株価・指標は2026年10月7日終値時点
10月7日の終値は年初来安値をわずかに上回る水準にとどまっています。
配当利回り(会社予想)は1%台前半のため、優待目的で保有する場合は、オーナーズカードをどれだけ使うかで受け取れる恩恵が大きく変わります。
株主優待「オーナーズカード」、100株と300株で何が違う?
イオンの株式を100株以上保有すると、株主ご優待カード「オーナーズカード」が届きます。
カードを提示して買い物をすると、半年間の買い物金額に保有株数に応じた返金率をかけた金額が、半年ごとに還元されます。
対象となる買い物金額は、家族カードの利用分と合わせて半期100万円までです。
保有株数:返金率:イオンラウンジ(月間利用回数)
- 100~199株:1%:4回
- 200~299株:2%:4回
- 300~1,499株:3%:8回
- 1,500~2,999株:4%:16回
- 3,000~8,999株:5%:16回
- 9,000株以上:7%:16回
※イオンラウンジの利用回数は2026年5月1日からの条件
支払いは現金のほか、WAON、イオンマークのカードでのクレジット払い、AEON Payなどが対象です(専門店など一部の会社・店舗では現金払いのみ)。
毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」では、5%割引に加えてこの返金も受けられます。
100株で受けられる返金率は1%です。
仮にイオン系列の店舗で月3万円、半年で18万円買い物をする家庭なら、100株での返金は1,800円にとどまります。
SNSなどでは、実際の株主から「1%では恩恵を感じにくい」という趣旨の声も複数見られました。
同じ買い物額でも、300株なら返金率は3%となり、返金額は5,400円に増えます。
月に使える回数が限られるイオンラウンジも、100~299株では月4回ですが、300株以上になると月8回に増えます。
買い物の合間に休憩できるラウンジをよく利用する人にとっては、回数が倍になる点も300株を選ぶ理由になりそうです。
もっとも、300株を買うのに必要な資金は、10月7日の終値で計算すると36万5,250円(1,217.5円×300株)になり、100株(12万1,750円)の3倍です。
株価が下がれば、その分だけ評価損も3倍になります。
イオンシネマの優待は100株でも同じ内容
返金率やラウンジの回数とは違い、保有株数で差がつかないのがイオンシネマの優待です。
オーナーズカードを持っていれば、100株の株主でも鑑賞料金は大人・大学生が1,000円、高校生以下が800円になります。
カード1枚につき同伴者を含めて4名まで、この料金が適用されます(株主本人と同じ作品・同じ時刻の鑑賞に限ります)。
さらに、カード1枚につきポップコーン(Sサイズ)かドリンク(Sサイズ)のどちらか1つが付きます。
イオンシネマは6月19日に鑑賞料金を改定し、一般料金は1,800円から2,000円に上がりました。
優待料金の1,000円は変わっていないため、一般料金との差は800円から1,000円に広がっています。
たとえば月に1回、夫婦2人で映画を観る場合、一般料金との差額は1回あたり2,000円です。
半年で6回なら1万2,000円になり、100株での買い物の返金(半期上限1万円)を上回ります。
買い物の返金では物足りない100株の株主でも、映画館に足を運ぶ機会が多ければ、恩恵を感じやすいといえそうです。
ただし、優待料金を使えるのは、劇場の自動券売機でオーナーズカードを読み込んで購入した場合に限られます。
オンライン予約の「e席リザーブ」やムビチケ、ACチケットでの購入は対象になりません。
ライブビューイングなどの特別興行では、使えない作品や追加料金が必要な作品もあります。
3%の割引ならオーケーの会員制度という選択肢も
食品の割引という点では、首都圏などに店舗を展開するスーパーのオーケーの会員制度「オーケークラブ」と比べる見方もあります。
オーケークラブは入会金・年会費が無料で、会員カードの発行費用200円(税込)だけで入会できます。
現金で支払う場合、食料品(酒類を除く)が本体価格×3/103(3%相当額)割引になります。
もっとも、割引の対象は現金払いに限られ、クレジットカードや電子マネー、スマホ決済で支払った場合は対象外です。
非食品や酒類、医薬品・医薬部外品も割引の対象になりません。
一方のオーナーズカードは、300株以上なら食品以外の買い物にも3%の返金があり、電子マネーやイオンマークのカードでの支払いでも対象になります。
ただし、返金は会計時ではなく半年ごとにまとめて受け取る形です。
株価の値動きや、株式を買うための資金の拘束も伴います。
どちらの使い勝手に軍配が上がるかは、ふだんどこで、どんな支払い方法で、何を買っているかで変わります。
次回の権利確定は2027年2月末
オーナーズカードの権利確定日は毎年2月末日と8月末日です。
8月末の権利確定はすでに過ぎているため、これから株式を買う場合、次に対象となるのは2027年2月末の権利確定です。
2027年2月28日は日曜日のため、国内株式の決済ルール(約定日から2営業日後に受け渡し)から逆算すると、権利付き最終日は2027年2月24日(水)、権利落ち日は2月25日(木)になる見込みです。
また、新しく株主になった場合、オーナーズカードは権利確定日から約2カ月後に届き、利用できるのはカードが届いてからです。
カードが届く前の買い物は返金の対象にならない点にも注意が必要です。
記者コメント
イオン株は10月5日に年初来安値を更新し、優待目的の個人投資家にとっては、年初より安い価格で株主になれる局面ではあります。
ただし、安値圏だからといって、ここで下げ止まるとは限りません。
10月13日の中間決算の内容次第で、株価が上下に大きく動く可能性もあります。
熊本地震の影響は、イオン九州の特別損失だけにとどまりません。
イオン九州は一時20店舗で営業を見合わせ、9月28日時点でも「イオンモール熊本」と「イオンモール宇城」にテナントとして入る2店舗は休業が続いています。
イオンが9月16日に公表した8月度の月次も、1日以上臨時休業したイオン九州の12店舗と、営業を見合わせているイオンモールの2SCを除いて既存店売上高の前年比を算出しています。
子会社の損失はイオンの連結業績にも取り込まれますが、被災したのはイオン九州の店舗に限りません。
中間決算でグループ全体の影響がどう示されるのか、通期の見通しに変化があるのかも確認しておきたいところです。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
