【現役ファイナンシャルアドバイザー解説】厚生年金、「月額20万円以上」もらえる人は何パーセント?お金のプロが「いまどきシニア」の年金事情を紐解く
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【現役ファイナンシャルアドバイザー解説】厚生年金、「月額20万円以上」もらえる人は何パーセント?お金のプロが「いまどきシニア」の年金事情を紐解く

厚生年金に加入していない人は要チェック!「2年で元が取れる」付加年金制度とは

執筆者筒井 亮鳳ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/TLC
20:30
【現役ファイナンシャルアドバイザー解説】厚生年金、「月額20万円以上」もらえる人は何パーセント?お金のプロが「いまどきシニア」の年金事情を紐解く
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6月8日に内閣府が公表した「四半期別GDP速報(2026年1-3月期・2次速報)」によると、実質GDP成長率は前期比0.5%増となりました。景気や賃金への関心が高まるなか、老後の生活を支える公的年金についても気になっている人は多いのではないでしょうか。

筆者は、ブレイクダンスインストラクターから生命保険業界へ転身し、資産形成や介護など、お金に関するさまざまな相談に携わってきました。その経験から感じるのは、将来への不安を和らげる第一歩は、公的制度を正しく知り、自分の状況を把握することだという点です。

日本の公的年金制度は2階建ての仕組みとなっており、加入状況や現役時代の収入によって受給額は大きく異なります。では、老後生活の一つの目安として語られることも多い「月額20万円以上」の年金を受け取っている人は、実際にどれくらいいるのでしょうか。

本記事では、公的年金制度の基本的な仕組みをおさらいしながら、厚生労働省のデータをもとに、厚生年金・国民年金の平均受給額や、月額20万円以上の受給者の割合など、年金受給の実態を見ていきます。

日本の公的年金制度は「2階建て」の構造

日本の公的年金制度は「2階建て」

日本の公的年金制度は「2階建て」
厚生年金と国民年金の仕組み

日本の公的年金制度は、「国民年金(基礎年金)」をベースとし、会社員や公務員などが「厚生年金」に上乗せ加入する二階建て構造です。

1階部分:国民年金(基礎年金)

  • 誰が加入する?:原則として「国内在住の20歳以上から60歳未満」全員
  • 保険料はいくら?:全員一律(2026年度月額 1万7920円)
  • 老後の受給額はいくら?:全期間(480カ月)納付すれば満額(2026年度月額 7万608円)
  • 被保険者区分は?:第1号~第3号の3区分(※)

国民年金の被保険者区分

  • 第1号被保険者:農業者・自営業者・学生・無職の人など
  • 第2号被保険者:厚生年金の加入者
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者

2階部分:厚生年金

  • 誰が加入する?:会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
  • 保険料はいくら?収入に応じて決まり、給与からの天引きで納付(保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算)
  • 老後の受給額はいくら?:加入期間や納めた保険料により個人差あり
  • 被保険者区分は?:第1号~第4号の4区分

厚生年金の被保険者区分

  • 第1号:第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人
  • 第2号:国家公務員共済組合の組合員
  • 第3号:地方公務員共済組合の組合員
  • 第4号:私立学校教職員共済制度の加入者

国民年金と厚生年金、シニア世代の平均年金月額はいくらか

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、公的年金(厚生年金・国民年金)の平均年金月額、および年金月額分布を見ていきます。

厚生年金・国民年金の平均月額(2024年度末現在)

厚生年金・国民年金の平均月額(2024年度末現在)
厚生年金・国民年金の平均月額

厚生年金:平均年金月額はいくら?

  • 男女全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

※厚生年金の月額には国民年金の月額部分が含まれています。また、ここでは、会社員など民間の事業所で雇用されていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」の年金月額を紹介しています。

国民年金:平均年金月額はいくら?

  • 男女全体:5万9310円
  • 男性:6万1595円
  • 女性:5万7582円

国民年金の平均月額は、男性は6万円台・女性は5万円台にとどまります。これは、保険料が全員一律となる国民年金の仕組み上、受給額に大きな差が出にくいことが影響しています。

2026年度の国民年金の満額(1人分)が月額7万608円です。国民年金のみで年間240万円(月額20万円)超の年金収入を確保することは現実的ではないでしょう。

一方、厚生年金は国民年金に上乗せされる形で支給されます。さらに、加入月数とその期間の収入に応じて保険料と受給額が変動するしくみです。そのため、国民年金と比べて年金額に個人差が出やすいのが特徴です。

厚生年金の平均月額は男女全体で15万289円ですが、男性は16万9967円、女性は11万1413円と、男女間でも大きな差が見られます。

上記の公的年金の平均額を踏まえると、公的年金収入だけで老後の生活を維持できるのかが気になるところです。特に「月額20万円」は、年金だけで生活費を賄えるかどうかの一つの大きな目安となるでしょう。

厚生年金、「月額20万円以上」もらっている人の割合は何パーセント?

本章では、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給額分布を見てみましょう。

厚生年金の受給額ごとの受給権者数

厚生年金の受給額ごとの受給権者数
厚生年金の受給額ごとの受給権者数

厚生年金:受給額ごとの人数

  • 1万円未満:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上~:1万9283人

公的年金収入が「月額20万円以上」に達しているのは、厚生年金受給権者のうちわずか18.8%にとどまります。

言い換えれば、約8割の人は月額20万円未満の年金を受給していることになります。

なお、この割合は厚生年金受給権者を対象としたものです。国民年金のみを受給している人も含めて考えると、月額20万円以上の年金を受け取る人の割合は、さらに低くなると考えられます。

年金額は現役時代の働き方や収入、加入期間によって大きく異なるため、平均額や割合は一つの目安として捉え、自身の受給見込額を確認したうえで老後の資金計画を考えておくことが大切です。

知っておきたい!国民年金の受給額を増やせる「付加年金制度」とは

厚生年金に加入していない自営業者やフリーランスなどは、老後に受け取る年金が国民年金のみとなるため、会社員・公務員より受給額が少なくなりやすい傾向があります。

そこで活用したいのが、国民年金の受給額を増やせる「付加保険料」です。

付加保険料の納付

付加保険料は、国民年金保険料(2026年度は月額1万7920円)に月額400円を上乗せして納める制度です。将来は、「200円×付加保険料を納めた月数」が毎年の年金額に加算されます。

付加保険料を納付できる人

  • 国民年金第1号被保険者
  • 65歳未満の任意加入被保険者

付加保険料を納付できない人

  • 国民年金保険料の納付を免除されている人(法定免除、全額免除、一部免除、納付猶予、または学生納付特例)
  • 国民年金基金の加入員である人

個人型確定拠出年金(iDeCo)と付加年金は同時に加入することができますが、個人型確定拠出年金の納付額によっては併用ができない場合があります。

付加保険料を「20歳~60歳の40年間」納付した場合

  • 40年間に納付した付加保険料の総額:19万2000円(400円×480カ月)
  • 65歳以降に受け取れる付加年金額(年間):9万6000円(200円×480カ月)

例えば20歳から60歳までの40年間(480か月)納付すると、支払う付加保険料の総額は19万2000円、年金は年間9万6000円増額されます。そのため、年金を約2年間受給すれば、支払った付加保険料の総額を上回る計算です。

なお、付加保険料を利用できるのは、主に自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者です(会社員など厚生年金保険の加入者は対象外)。老後の年金を少しでも増やしたい人は、活用を検討してみるとよいでしょう。

【現役ファイナンシャルアドバイザーからのひとこと】まずは「理想の老後」をイメージしてみよう

老後の暮らしを考えるうえでは、「平均額」や「モデル年金」だけを見るのではなく、自分が将来どのくらい受け取れるのかを把握しておくことが大切です。

「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などを活用し、早めに将来の見込み額を確認しておくと、老後資金の準備もしやすくなります。

理想の老後は、「年金がいくらもらえるか」だけで決まるものではありません。自分の年金額を把握したうえで、無理のない生活設計や必要な資産形成を進め、「収入」と「支出」のバランスが取れた暮らしを築くことが大切です。

まずは「自分がどんな老後を迎えたいのか」を具体的にイメージするところから始めてみましょう。

参考資料

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筒井 亮鳳ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/TLC

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