「私は対象外」と思い込んでない?通常の年金本体に上乗せされる【支援給付金】見落としがちな受給条件
Wako Megumi/shutterstock.com
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「私は対象外」と思い込んでない?通常の年金本体に上乗せされる【支援給付金】見落としがちな受給条件

障害年金や遺族年金は所得ノーカウント?「年金生活者支援給付金」の仕組みを分かりやすく解説。請求手続きしないともらえない支援です

執筆者熊谷 良子編集記者
22:06
「私は対象外」と思い込んでない?通常の年金本体に上乗せされる【支援給付金】見落としがちな受給条件
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この記事はここがポイント

  • 年金生活者支援給付金は低所得者支援で、2026年度は前年度より3.2%増額の制度。
  • 本給付金は自動支給でなく、日本年金機構からの請求書で自身の手続きが必須。
  • 2026年度月額は老齢・遺族5620円、障害1級7025円・2級5620円。所得・世帯非課税が要件。

2026年度も折り返し地点を迎えましたが、物価高騰の勢いはとどまるところを知りません。

日々の生活費のやりくりに工夫を凝らしながら、上手にこの難局を乗り切りたいものです。

【60歳代・70歳代世帯】年金に対する意識&年金にゆとりがない理由

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実際に、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によれば、70歳代の世帯のうち「ゆとりがない」と感じる割合は、二人以上世帯と単身世帯のどちらも約87%(87.7%)に達しており、大多数が経済的な厳しさを感じている実態が明らかになっています。

「年金生活者支援給付金」は2019年10月から始まった、比較的新しい制度。

制度の存在自体を知らなかったという方もいらっしゃるかもしれません。

支給対象となった場合は日本年金機構からお知らせが届きますよ。

そんな中、2026年度は公的年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」は、物価上昇率を踏まえ前年度より3.2%増額となっています。

今回は、物価高対策としてぜひ知っておきたいこの給付金の対象者や、見落とし要注意の請求手続きについてわかりやすく解説します。

シニアの9割超が食料品の負担増を実感。物価高による節約のリアル

特に年金収入を主な生活の糧とするシニア世代にとって、物価高騰はより一層深刻な問題です。実際に、シニア世代はどのような影響を受けているのでしょうか。

コスモヘルス株式会社が発表した「シニアの意識調査」によると、シニアの93.0%が「食料品の負担増」を実感していることがわかりました。

家計の負担が増えたと感じる分野は?

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さらに、67.8%のシニアが「節約行動を変化させた」と回答しており、物価高に立ち向かう高齢者のリアルな購買行動が浮き彫りになっています。

食費や光熱費を切り詰めるなど、節約意識が高まっている様子がうかがえる結果となりました。

こんな中、年金世帯が知っておきたい制度の一つが、通常の年金本体に上乗せ支給される「年金生活者支援給付金」です。

この記事では、多くのシニア世帯が直面する物価高への対策として、改めて確認しておきたい「年金生活者支援給付金」の仕組みと、受給するためのポイントをわかりやすく解説します。

「私(わが家)は対象外かも」と思い込んでいませんか?

障害年金や遺族年金などの非課税収入は所得判定に含まれないため、ご自身が思っている以上に支給対象となる可能性があります。

また、この給付金は自動的に振り込まれるわけではなく「申請」が必須です!

緑の封筒が届いたら、後回しにせずすぐに手続きを済ませましょう。

年金生活者支援給付金は「自動的に振り込まれるわけではない」

年金生活者支援給付金について、まず知っておくべき重要な点は、この給付金が自動的に支給されるわけではなく、ご自身で請求手続きを行う必要があるということです。

対象者になったとしても、何もしなければ年金に上乗せされることはないため、注意が必要です。

現在すでに年金を受給している方で、所得の減少などによって新たに給付金の対象者となった場合には、毎年9月1日以降、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。

9月頃に届く「緑の封筒」とは?

年金受給中の方向けの手続き案内

年金受給中の方向けの手続き案内
出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)送付用封筒」
年金生活者支援給付金請求書の封筒

※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。

また、これから65歳を迎え、老齢基礎年金の請求手続きをする方については、誕生日の3カ月前に送られてくる年金の請求書に、給付金の請求書が同封されています。

必要事項を記入のうえ、年金の請求書とあわせて提出しましょう。

給付金の手続きは毎年行う必要があるの?

この給付金は、一度申請手続きを行い受給が決定すると、支給要件を満たし続ける限り、翌年度以降に改めて手続きをする必要はありません。

継続して支給対象となるかの判定は、前年の所得情報をもとに毎年行われ、その結果は10月分(12月支給分)から1年間適用されます。

所得が増えるなどして対象外となった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が送付されます。

なお、毎年度(4月分から)の支給額については、毎年6月上旬に郵送される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認ができます。

【2026年度版】年金生活者支援給付金は3.2%増額!老齢・障害・遺族ごとの基準額

年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得が一定の基準額に満たない年金受給者の生活を支えることを目的に、2019年から始まった制度です。

この給付金は、2カ月に一度、公的年金に上乗せする形で支給されます。

受給している年金の種類に応じて、以下の3つの給付金が用意されており、それぞれに支給の要件や金額が定められています。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

2026年度の給付金、月額はいくらになる?

先述のとおり、2026年度の年金生活者支援給付金の額は、物価の変動などを考慮し、前年度から3.2%の引き上げとなっています。

【2026年度の月額】

年金生活者支援給付金《2026年度の月額》

年金生活者支援給付金《2026年度の月額》
  • 老齢年金生活者支援給付基準額:5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:1級 7025円・2級 5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:5620円

老齢年金生活者支援給付金については、上記の基準額をもとに、保険料の納付済み期間などに応じて個別の支給額が計算されます。

これらの金額は月額表示ですが、実際の支給は2カ月分がまとめて年金に上乗せされます。

例えば、基準額を満額受け取れる場合、1回の支給で約1万1000円、年間では約6万7000円が支給されることになります。

年金生活者支援給付金の対象者は?支給要件を詳しく解説

年金生活者支援給付金を受け取るための具体的な要件を見ていきます。

まず、「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの基礎年金(障害基礎年金または遺族基礎年金)を受給していて、なおかつ前年の所得が479万4000円以下の方が対象です。

この所得の判定において、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。

また、扶養している親族の人数に応じて、所得の基準額は引き上げられます。

一方で、「老齢年金生活者支援給付金」については、所得以外にもいくつかの要件を満たす必要があります。

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金は、以下の要件をすべて満たす方が対象となります。

  • 65歳以上で老齢基礎年金を受給していること
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
  • 前年の公的年金などの収入金額と、その他の所得(給与所得や利子所得など)の合計額が、昭和31年4月2日以降に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下であること

老齢年金生活者支援給付金の所得判定でも、障害年金や遺族年金といった非課税収入は計算に含まれません。

また、所得が基準額を少しだけ超えたために給付の対象から外れてしまう方(※)との公平性を図るため、「補足的老齢年金生活者支援給付金」という仕組みも用意されています。この給付金は、所得額が多くなるにつれて、支給される金額が段階的に減っていく仕組みになっています。

※昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方

公的年金の受給額には大きな個人差

厚生労働省が公表している「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均的な月額は、国民年金(老齢基礎年金)で約5.6万円(2025年3月末現在)、厚生年金(国民年金部分を含む)では約15万円です。

しかし、実際に受け取る年金額には大きな個人差があります。

厚生年金を月に30万円以上受け取る方がいる一方で、国民年金・厚生年金をあわせても月額3万円に満たない方もおり、受給額は非常に広い範囲に分布しているのが現状です。

【まとめ】社会保障制度へアンテナを張り、もらえる給付金は確実に受け取りましょう

前述のコスモヘルス株式会社の「シニアの意識調査」によると、物価高対策に対して国や自治体に期待する支援として、「生活必需品の価格抑制/補助」(28.6%)と、「社会保障(年金・医療)制度の安定」(28.5%)がほぼ同率で並びました。

多くのシニアが、目先の価格補助だけでなく、将来の生活の基盤となる「社会保障制度そのものの安定」を求めていることがわかります。

公的年金とそれ以外の所得を合計しても基準を下回る場合には、今回ご紹介した「年金生活者支援給付金」の対象となる可能性があります。

物価高という厳しい環境だからこそ、国や自治体の社会保障制度に対して私たち自身がアンテナを高く張っておくことが大切です。

「自分には関係ない」と思い込まず、受け取れる支援は確実に手続きをおこない、公的制度を味方につけてこの時代を乗り切っていきましょう。

アンケート結果からもわかるように、「社会保障制度の安定」を求める切実な声は非常に多く、年金生活への不安は誰もが抱える共通の悩みです。

だからこそ、社会保障制度への関心を高め、最新情報をキャッチするアンテナを高く張っておくことが欠かせません。

「年金生活者支援給付金」のような制度を漏れなく活用し、家計の防衛につなげましょう。

参考資料

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熊谷 良子編集記者株式会社モニクルリサーチ

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