50歳代の貯蓄額、平均1704万円の裏側。老後に向けた「ねんきん定期便」のリアルな活用法
kapinon.stuio/shutterstock.com
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50歳代の貯蓄額、平均1704万円の裏側。老後に向けた「ねんきん定期便」のリアルな活用法

リタイアまでの「ゴールテープ」が見えた今、貯金だけでは限界?「労働」から「運用」へシフトし始めた同世代の《資産づくりのヒント》

執筆者熊谷 良子編集記者
06:36
50歳代の貯蓄額、平均1704万円の裏側。老後に向けた「ねんきん定期便」のリアルな活用法
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この記事はここがポイント

  • 50歳代世帯の貯蓄は二極化し、約18%が貯蓄ゼロ、同割合が3000万円以上。資産増加の主要因は給与から運用益へのシフト。
  • 50歳以上で内容が変わる「ねんきん定期便」で年金見込額を確認し、老後不足額把握が資産形成の第一歩。
  • 総務省2025年調査、40代勤労者世帯の貯蓄平均1395万円に対し50代は1704万円と明確な差。

人生の折り返し地点ともいえる40歳代から50歳代。

筆者自身も50歳代に突入し、同世代の友人たちと集まると、最近はいつの間にか「老後のお金」の話にたどりつくことを実感しています。

子育てが一段落して教育費のメドが立ち、長かった住宅ローンの終わりもようやく意識できるようになってきた人が多い、そんな世代かもしれません。

まさに50歳代・リタイアのゴールテープが見えてきた時期だからこそ、「自分たちの老後資金は本当に足りるのだろうか?」というリアルな悩みが切実さを増してきているのです。

今回は、50歳代の筆者と同世代、そして少し後を歩む40歳代の皆さんの貯蓄の現実と、老後への向き合い方について、最新の統計データを紐解きながら一緒に考えてみたいと思います。

40歳代と50歳代で大きく広がる「貯蓄の差」の実態

総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(第8-5表)」によると、二人以上の世帯(勤労者世帯)の貯蓄現在高の平均は、40歳代で1395万円、50歳代で1704万円となっており、現在の40歳代と50歳代を比較すると着実に資産額に差が生まれていることがうかがえます。

50歳代の貯蓄は「二極化」の傾向も

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」でさらに詳しく内訳を見てみると、別の現実が浮き彫りになります。

【円グラフ】50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

【円グラフ】50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額
出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

同調査によると、50歳代の二人以上世帯のうち、貯蓄がまったくない「金融資産非保有」の世帯が18.2%いる一方で、3000万円以上を保有している世帯も18.8%存在します。

同じ50歳代の中で「貯蓄ゼロ」と「3000万円以上」の割合がほぼ同水準となっているのです。

【円グラフ】40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

【円グラフ】40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額
出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

40歳代のデータ(金融資産非保有18.8%、3000万円以上13.1%)と比較しても、年代が上がるにつれて3000万円以上の層が厚みを増す一方、貯蓄ゼロの層も2割弱から減っていません。

コツコツと資産を築いてきた層とそうでない層の「二極化」がはっきりとデータに表れています。

今回提示するデータは「いまの40歳代が年齢を重ねて50歳代になったときにどう増えるか」という同一世帯の推移を示したものではありません。

あくまで調査時点における「現在の40歳代」と「現在の50歳代」という異なる世代間の比較である点にご注意ください。

「就労」から「運用」へ。資産を増やす原動力の変化

こうした二極化の背景には、「資産運用」を取り入れているかどうかの差も大きく影響していると考えられます。

J-FLECの同調査で、50歳代(二人以上世帯)に「金融資産が増加した理由」を尋ねたところ、以下のような結果となりました。

【50歳代・二人以上世帯】金融資産残高が増加した理由(※複数回答、上位抜粋)

【20歳代~70歳代】二人以上世帯で「貯蓄が増えた」理由とは?(複数回答)

【20歳代~70歳代】二人以上世帯で「貯蓄が増えた」理由とは?(複数回答)
  • 株式、債券価格の上昇により、これらの評価額が増加したから:34.1%
  • 配当や金利収入があったから:29.5%
  • 定例的な収入が増加したから:26.6%
  • 定例的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから:23.6%

このように、「給与の増加」よりも「運用益」の影響が大きくなっていることが分かります。

役職定年などで労働収入の伸びが鈍くなる人も増える50歳代にとって、資産を増やす原動力は「労働による貯蓄」から「お金を働かせること」へシフトしている様子がうかがえます。

実際、三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社の「夏ボーナス使い道調査」でも、5年前と比較して「投資が増えた」と回答した人は60.8%にのぼり、「預貯金が増えた(21.1%)」と答えた人の約3倍となりました。

多くの人が資金を「貯める」だけでなく、運用へ回す行動を意識し始めていると言えそうです。

まとめ:ゴールに向けて今すぐできること

50歳代、リタイアのゴールテープが見えてきた今、ただ漠然と不安に思っているだけでは解決には繋がりにくいです。

資産形成に関心を持ちつつも、「何から手をつけていいかわからない」と迷うこともあるかもしれません。

まずは、ご自身の将来の年金受給見込額をしっかりと確認しましょう。

ここでぜひ知っておいていただきたいのが、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」は、50歳を境に記載内容が大きく変わるということです。

50歳未満の方に届くねんきん定期便には、「これまでの加入実績に応じた年金額(今受給した場合の年金額)」が記載されています。

50歳以上の人に届くねんきん定期便のサンプル

50歳以上の人に届くねんきん定期便のサンプル
ねんきんていきびん

一方で、50歳以上の方に届くねんきん定期便には、現在の加入条件のまま60歳まで保険料を納め続けたと仮定した「65歳から受け取れる年金見込額」が記載されるようになります。

つまり、実際に老後にもらえる金額に近い、よりリアルな数字を確認することができるようになるのです。

このリアルな数字をもとに、老後の生活費として毎月いくら足りなくなるのか、現実的な数字を把握することが資産形成の第一歩です。

ご自身が許容できるリスクの範囲内で、NISAやiDeCoなどを活用した仕組みを作っていくのも良いですね。

リタイアまでのゴールが見えかけてきたからこそ、一度立ち止まってペース配分を再確認し、将来の安心に向けた着実な一歩を踏み出していきましょう。

参考資料

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熊谷 良子編集記者株式会社モニクルリサーチ

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