この記事はここがポイント
- 東京・銀座の路線価が5年連続最高額5336万円、相続税・贈与税算定の重要指標。
- 地価上昇で相続税対象は約10人に1人、課税総額23.3兆円が過去最高。
- 令和7年贈与税納税額は28.7%増の4215億円、一件あたり贈与規模が拡大。
2026年7月1日、国税庁より相続税や贈与税の算定基準となる「令和8年分路線価」が発表されました。筆者はファイナンシャルアドバイザーとして、これまで多くのお客様のお金の相談業務をしてきました。
現場でお客様の資産状況を拝見していても、近年の地価上昇が将来の税負担に与える影響の大きさを実感しています。今回は、発表されたばかりの最新データをもとに、資産価値への影響や確認方法を解説します。
【5年連続上昇の路線価】東京・銀座がトップ「最高額5336万円」!不動産の取引や相続税・贈与税算定の重要な指標
路線価や地価は、不動産の取引や相続税・贈与税の算定において欠かせない重要な指標です。全国の都道府県庁所在都市で最も高い路線価をつけたのは、東京都中央区銀座5丁目「銀座中央通り」の5336万円(1平米あたり)でした。
前年比11.0%増となり、今年も全国1位の座を維持しています。次いで高い路線価の主なエリアは以下の通りです。
- 大阪市北区(御堂筋):2120万円(1.5%増)
- 横浜市西区(横浜駅西口):1760万円(1.4%増)
- 名古屋市中村区(名駅通り):1304万円(1.2%増)
このように、主要都市の中心地では引き続き堅調な地価上昇が確認できます。
【路線価図の見方】1平米あたり千円単位「215D」だとどういう意味?
令和8年分財産評価基準を見る
路線価は土地の税額を計算する際の重要な基準です。国税庁サイトの地図から対象地域を選ぶだけで、道路に面した標準的な宅地の1平米あたりの価格(千円単位)を誰でも簡単に確認できます。
【借地権はA〜Gで判定】我が家の資産価値シミュレーション
路線価図ってどうやってみるの?
たとえば、路線価図上の「215D」という表記は、「1平米21万5000円、借地権割合60%(D)」を意味します。このA〜Gのアルファベット記号を理解しておけば、ご自身の土地や借地の評価額を容易に把握可能です。なお、路線価のない倍率地域は、固定資産税評価額に一定倍率をかけて計算します。
【相続税】相続財産の約3割が土地「約10人に1人」が相続税の対象へ
相続税の申告事績
高齢化や地価上昇を背景に、直近のデータでは亡くなった方の「約10人に1人(課税割合10.4%)」が相続税の対象となっています。課税価格の総額は約23.3兆円と過去最高を更新しました。
【相続財産】現金に次いで高い割合が土地
相続財産の内訳は現金・預貯金(34.9%)に次いで土地(30.2%)が多くを占めます。都市部に自宅がある一般的なご家庭でも、将来に向けた相続税への備えが重要です。
【贈与税】申告納税額「4215億円」贈与税総額が28.7%増!生前贈与の動向
暦年課税及び相続時精算課税別の申告状況の推移
令和7年分の贈与税では、暦年課税の申告人数(約39.1万人)が減少した一方、申告納税額は4215億円(前年比28.7%増)と急増しました。早期の資産移転が進む中、1件あたりの贈与規模が大きく拡大していると推測されます。
まとめにかえて
令和8年分の路線価は、都市部を中心とした地価の上昇基調を裏付ける結果となりました。資産価値の向上は喜ばしい反面、相続税などの税負担増に直結します。
約10人に1人が課税対象となる現在、相続税は一部の富裕層だけの問題ではありません。まずはご自身の土地の路線価を確認し、現状の価値を把握することが第一歩です。将来を見据え、早めの資産シミュレーションを始めてみてはいかがでしょうか。
都市部を中心とした路線価の上昇により、ごく一般的なご家庭であっても思いがけず相続税の課税対象となるケースが増加傾向にあります。
将来の税負担やご親族間のトラブルを防ぐためにも、まずは早い段階でご自身の資産状況を正確に把握し、必要に応じて専門家を交えた事前の対策を検討することが重要です。
参考資料
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及びTLC資格保有。ジブラルタ生命出身。現在はIFAとして、若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
