この記事はここがポイント
- 2026年8月期限定、配当30円と優待1000円のダブル増額、100株利回り5.21%上昇。
- 2026年8月期は営業利益77億円で業界トップ、FCと定期物販が収益の柱。
- シニア向け独自戦略とFC展開で成長、初の自社株買いと財務改善で競争力強化。
成長性の点で、注目したい1社がカーブスホールディングスです。シニア女性向けフィットネスクラブ「カーブス」を展開する企業で、2020年3月に上場しました。上場直後にコロナ禍となる不運がありましたが、その後は躍進し、業界トップクラスの規模にまで成長しています。
カーブスHDは、進行期である2026年8月期に限り、配当金と株主優待の双方を引き上げる特別処置を発表しました。その中身と、現在の株価水準と業績を解説します。
※決算情報・業績等は執筆時点での情報にもとづいています。
カーブスHD(7085)今年は特別!26年8月に限り配当金と株主優待をダブル増額
まずはカーブスHDの配当金と株主優待を押さえましょう。
配当金は13円増の30円 20周年の記念配上乗せ
カーブスHDの1株あたり配当金(2020年8月期~2026年8月期)
カーブスHDは2026年8月期に1株あたり30円の配当金を予定しています。普通配当金20円に、チェーン創設20周年を記念して10円を上乗せする形です。記念配当は当初5円の予定でしたが、業績の上振れを見込むことから増額しました。
株主優待も増額!全株主に1000円上乗せ、100株の初回株主は2倍
カーブスHDの株主優待(QUOカード、電子マネー等)
チェーン創設20周年を記念する増額は株主優待でも実施します。
カーブスHDの株主優待は、毎年8月末の株主にQUOカードや電子マネー等を進呈するものです。額面は保有株数と保有期間で決まり、100株を1年未満保有する場合、1000円相当を受け取れます。
この通常の株主優待に加え、2026年8月末に限り、100株以上の全株主に1000円相当を進呈します。100株の株主なら額面が倍増する計算です。
100株の配当+優待利回り5.2%!権利付最終日は8月27日
これら特別措置のため、カーブスHDの配当金+株主優待利回りは一時的に上昇しています。初めて100株の株主になった場合、足元の株価で計算した本来の同利回りは約3%ですが、2026年8月末は5%を超える状況です。
【配当金+株主優待利回り(2026年8月期、100株)】
- 年間配当金:3000円(うち記念配当1000円)
- 年間株主優待:2000円相当(うち記念株主優待1000円相当)
- 配当金+株主優待:5000円相当
- 100株の取得価格:9万6000円
- 配当金+株主優待利回り:5.21%
※2026年7月31日終値
上記の権利付き最終日は2026年8月27日(木)です。
同日までに100株以上を購入し、翌営業日の8月28日(金)まで持ち越すことで権利が確定します。
カーブスHD(7085)株価は高値圏、強みはどこ?業績を確認
カーブスHDの株価チャート(日足、1年)
カーブスHDは960円まで上昇(2026年7月31日終値)しており、2022年12月の高値1020円や、2021年4月の上場来高値1072円に近づいてきています。
このまま高値を維持できるのでしょうか。業績から探ってみましょう。
フィットネスジムの成長株、利益は業界トップクラスまで拡大
カーブスHDの業績(2020年8月期~2026年8月期)
カーブスHDは2025年8月期まで5期連続の増収増益となり、営業利益は同期間に5.4倍となりました。
進行中の2026年8月期も増収増益の計画で、営業利益は前期比21.4%増となる77億円を予想します。この利益規模は、RIZAPグループおよびコナミグループのフィットネス事業を超える水準です。
【主なフィットネス企業の営業利益/事業利益(2025年度)】
- カーブスHD:77億円
- RIZAPグループ(ヘルスケア・美容):59億円
- コナミグループ(スポーツ):34億円
※カーブスHDは2026年8月期(予想)、その他は2026年3月期
※カーブスHDは日本基準、その他は国際会計基準
※カーブスHDは連結営業利益、RIZAPグループはヘルスケア・美容セグメント営業利益、コナミグループはスポーツセグメント事業利益
柱は物販 FC展開によるスピードと収益力を両立
成長の原動力はFC展開と物販です。
フィットネス事業は通常、入会金や会費などが主な収入となりますが、カーブスHDは売上高の約6割が物販となっています。
FC店舗における会費および入会金は、大部分がFC加盟店の取り分のため、カーブスHD本体に与える影響は小さめです。2026年8月期第3四半期累計では、チェーン売上における会費入会金のうち、カーブスHDの売上高として計上されたのは約12%にとどまります。
一方、プロテインなどの物販はカーブスHDの直販で、全額が同社の売上高に計上されます。さらに、物販の98%は定期購入型であり、収入は安定的です。
2026年2月末時点で「カーブス」の店舗数は2001店舗で、うち1918店舗がFC店舗です。FC展開は出店費用が軽い一方で、直営店より売上が落ちますが、カーブスHDは物販によってこれを解消し、店舗網の迅速な拡大と収益力の両立に成功しています。
カーブスHD(7085)初の自社株買いも材料視 成長の「機会」と「脅威」は?
- 「競争しない」独自路線が奏功 今後は新業態「メンズ」「身体機能ケア」も強化
- 拡大フェーズもFC展開で投資軽い、上場初の自社株買いで還元強化
- ライバル参入には注意 競争勝ち抜く「体力」はついてきた
カーブスHDはシニアにフォーカスする独自路線であり、激しい競争を避けることができています。今後は男性向けの「メンズ・カーブス」や、身体機能の回復を支援する「ピント・アップ」などの業態でも展開し、引き続きシニア向けに注力する方針です。
また、今後も店舗を拡大する方針ながら、FC展開が主軸のため投資負担は小さめです。資金に余裕が生まれやすく、配当性向50%を目安に株主還元にも振り向ける計画を立てています。さらに、2026年7月には初めて自社株買い(自己株式除く発行済株式数の最大3.3%、市場外)も発表しました。
注意したいのはライバルの出現です。高齢化が進む国内において、シニア市場への参入企業は増加することが想定されます。「競争しない」がカーブスの戦略ですが、将来的には競争環境が悪化するかもしれません。
カーブスHDの財務レバレッジは2025年8月期で1.94倍と、5年前の4.52倍から余裕が出てきました。資金調達力が改善しており、競争激化時の対応力は高まっています。もっとも、高齢化による市場拡大は続く見通しで、シェアの奪い合いにまで発展しない可能性もあるでしょう。
独自路線による競争回避と、財務体力の両輪がそろっている点は、投資家も評価するところでしょう。先駆者として会員基盤をどこまで伸ばせるか、今後の展開に注目したいところです。
参考資料
- 株式会社カーブスホールディングス「2022年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社カーブスホールディングス「2024年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社カーブスホールディングス「2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社カーブスホールディングス「2026年8月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社カーブスホールディングス「2026年8月期第3四半期決算補足説明資料」
- コナミグループ株式会社「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
- RIZAPグループ株式会社「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
- 株式会社カーブスホールディングス「半期報告書-第18期(2025/09/01-2026/08/31)」
- 株式会社カーブスホールディングス「カーブスグループ中期ビジョン2030年・2035年成長戦略・事業計画」
- 株式会社カーブスホールディングス「自己株式の取得に関するお知らせ」
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
証券会社を経てIFAとして10年以上活動。個人へ投資提案を行う傍ら、金融ライターとしてNISA等の資産運用から社会保障まで幅広く執筆。現在は大型株を中心に年100本ペースで連載。AFP等保有。

筆者は「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA=Independent Financial Advisorの略)」として個別株式も提案しますが、そのなかで、よく話題となるのが配当金や株主優待です。
目に見える形で受け取れるため価値を実感しやすく、株式投資を始めるきっかけになっているようです。
ただし、株式投資のリターンは、大部分をキャピタルゲインが占めるケースが一般的です。配当金や株主優待だけに目を奪われることなく、企業の成長性や資本政策などを把握し、株価の上昇に期待できるかどうかを見極めることが求められます。