この記事はここがポイント
- 厚生労働省調査による部長約1017万円、課長約847万円、係長約639万円の平均年収。
- 約9割の中間管理職はプレイングマネージャー、マネジメント時間は業務の4~6割が最多。
- 日本経営協会の調査による中間管理職の70.5%が仕事に充実感。
【中間管理職】部長、課長、係長はいくら貰っているのか「年収一覧表」で見る
夏のボーナスが出るこの時期、「自分の年収」を計算する方もいるでしょう。ボーナスは会社の業績により左右されやすいものでもある一方で、物価高が続いており、「この先、年収を上げるために自分はどうすればいいのか?」と悩まれる方もいると思います。
年収を上げる方法の一つとして「役職」が挙げられます。課長、部長…など役職が上がるとともに収入も増える傾向にあるので、一度は考えるものでしょう。
とはいえ、現代の日本では「管理職は罰ゲーム」なんて声も。マネジメントにしろ、スペシャリストにしろ、そもそもマネジメントも収入面だけでなく、適性や希望などといった点も重要です。
収入を上げたいからマネジメント、とは繋がらないものです。仕事は何よりも継続が大事。マネジメントとスペシャリスト、どちらにせよ継続と成果を出すことが求められますから、自身の適性と希望あっての選択となるでしょう。
今回はボーナスが入り自分の年収を考えやすいこの時期に向けて、中間管理職である部長・課長・係長の平均賃金と年収の目安をご紹介します。また、現代の中間管理職の実態について、一般社団法人日本経営協会の「第8回 日本のミドルマネジャー意識調査」をもとに現状を実際に中間管理職として働く筆者が解説します。
部長・課長・係長の平均賃金一覧表&平均年収一覧表
中間管理職の賃金&年収一覧表
まずは、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の役職別データから、中間管理職の平均賃金(月額の所定内給与)をみていきましょう。所定内給与とは、6月分のきまって支給する給与から残業代などを除いた、税引き前の金額です。参考までに非役職者も確認します。
部長・課長・係長の平均賃金一覧表(月額の所定内給与)
- 部長:男女計 63万5800円(男性 64万2400円/女性 57万8300円)、平均年齢53.1歳
- 課長:男女計 52万9200円(男性 54万1400円/女性 47万300円)、平均年齢49.5歳
- 係長:男女計 39万9200円(男性 41万900円/女性 36万5700円)、平均年齢45.4歳
- 非役職者:男女計 31万500円(男性 33万2100円/女性 28万100円)、平均年齢41.8歳
月額でみると部長は非役職者の約2.05倍・課長約1.7倍・係長約1.29倍です。
男女計の平均は、部長が63万5800円、課長が52万9200円、係長が39万9200円でした。役職が上がるほど賃金も高く、部長と係長では月あたり20万円以上の開きがあります。平均年齢は部長53.1歳、課長49.5歳、係長45.4歳で、基本的には年齢を重ねながら役職も上がっていく様子がうかがえます。
男女別にみると、部長は男性64万2400円・女性57万8300円、課長は男性54万1400円・女性47万300円、係長は男性41万900円・女性36万5700円でした。同じ役職でも男女で差があり、その背景には勤続年数や働き方のちがいがあると考えられます。
月額の賃金に賞与を加えると、年収の姿が見えてきます。ここでは賞与を年4か月分と仮定して、男女計の年収の目安を出してみましょう。
部長・課長・係長の平均年収一覧表(賞与を年4か月分と仮定・男女計)
- 部長:約1017万円
- 課長:約847万円
- 係長:約639万円
- 非役職者:約497万円
部長で約1017万円、課長で約847万円、係長で約639万円です。役職に就いていない非役職者は約497万円が目安となります。あくまで一定の仮定に基づく目安ですが、役職ごとの水準の違いは実感しやすくなります。
比較のために、全体像もみておきましょう。国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2025年9月公表)によると、1年を通じて働いた給与所得者の平均給与は478万円でした。中間管理職の年収は、この全体平均を上回る水準にあることがわかります。
先ほどの月額でみると、部長の賃金は非役職者のおよそ2.05倍、課長は約1.7倍、係長は約1.29倍でした。役職に就くことで収入は着実に上がりますが、その分だけ担う責任も重くなります。次に、その「責任」の中身を、調査データでみていきましょう。
プレイングマネージャーは約9割、管理職が罰ゲームは本当か?マネジメントにさける時間、最多は「業務のうち4~6割」
収入が高い一方で、中間管理職の負担の重さもたびたび指摘されます。その実態を、PRTIMES「管理職は本当に罰ゲーム? ~約9割が現場の実務も担う「プレイングマネジャー」 多忙な中間管理職の実態を読み解く~」より、一般社団法人日本経営協会の「第8回 日本のミドルマネジャー意識調査」からみてみましょう。本調査は、部下を持つ課長級・次長級・部長級のミドルマネジャー539名を対象に、2025年10月29日から11月5日にかけてWebで実施されたものです。
マネジメントにさける時間を民間企業等と行政・自治体でみる
調査によるとプレイヤーとして自分の実務も兼ねている人は86.8%にのぼりました。およそ9割が、管理職でありながら現場の仕事も抱える「プレイングマネージャー」だということです。
民間企業等と行政・自治体でわけると、民間企業等で全てマネジメントに時間がさけている割合は12.9%、行政・自治体では15.6%でした。
マネージャーに割けている時間割合をみると、多い順に民間企業等では「4~6割」が36.3%、「7~9割」が26.1%、「0~3割」が24.6%。
行政・自治体の場合は「7~9割」が35.0%、「4~6割」が33.3%、「0~3割」が16.7%となっています。
また、最大の悩みは「部署の人材不足」で、50.3%と半数にのぼりました。
「仕事に充実感ある」は7割超
ただし、大変さばかりではありません。同じ調査では、仕事に充実感が「十分ある」「それなりにある」と答えた人があわせて70.5%を占めています。
「管理職は罰ゲーム」という言葉をみている機会がある中では、意外かもしれません。はじめにも確認した通り、マネジメントにもスペシャリストにも適性や希望があります。チームをまとめて成果を出すことに適性や希望がある人にとっては、大変な中でも楽しみや喜びがあるものでしょう。
自分の適性や希望と向き合い、キャリアプランを立てよう
今回はキャリアを考える一つとして年収を挙げましたが、キャリアそのものを収入だけで測る必要はありません。管理職に向く人もいれば、専門職として力を発揮する人もいます。
役職に就くかどうかは、収入・時間・やりがいのバランスを、ご自身の価値観に照らして考えていきたいところです。数字はあくまで判断材料の一つ。自分に合った働き方とお金の付き合い方を、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。
参考資料
野村證券株式会社出身。FP2級・証券外務員一種を保有。国内外株式、投資信託、債券、保険商品まで幅広い資産運用に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集長として記事も執筆。

人生の多くを占める「仕事の時間」。キャリアを考える際には役職だけでなく職種や業種、会社ごとなども研究が必要です。
仕事選びでは色々な条件が気になるものですが、30代、40代、50代…と仕事を続けていく中で、マネジメントとスペシャリスト、自分はどちらで力を発揮したいのか、どちらなら力を発揮できそうか、これを機にじっくり考えてみてください。
またワークライフバランスとはいいますが、ワークにはライフも関係してきますよね。
たった一度の人生だからこそ、どのようなワークとライフのバランスをとっていくのかもじっくり考えてみてください。