この記事はここがポイント
- SFPはクリレスHDへ合併、SFP株1につきクリレスHD株3.2割当、優待もクリレスHD移行
- クリレスHD優待は年2回、100株で3,000円分(利回り3.9%)、権利付き最終日は8月27日
- 2026年2月の権利落ち日は株価▲3.64%下落、3営業日後権利付き最終日比▲6.24%下落
「磯丸水産」の株主優待を持っていたのに、SFPホールディングスが上場廃止になってしまった――そんな戸惑いを感じている方もいるのではないでしょうか。
実はSFPホールディングス株式会社は2026年7月1日付で、親会社のクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)に吸収合併されており、旧SFPホールディングスの株主は自動的に同社の株主に切り替わっています(割当比率はSFP株式1株につきクリエイト・レストランツHD株式3.2株)。
そして、そのクリエイト・レストランツHDの株主優待も、次回の権利確定日が2026年8月31日に迫っています。
旧SFPホールディングスの株主だった方はもちろん、これから優待目的で投資を検討する方にとっても、権利付き最終日までのスケジュールを押さえておきたいタイミングです。
ここでは、SFPホールディングス吸収合併の経緯と株主優待の扱い、直近の決算内容、保有株数別の株主優待の詳細までまとめて解説します。
株主優待は店舗で使える電子チケット
クリエイト・レストランツHDでは、毎年2月末日・8月末日現在の株主名簿に記載された1単元(100株)以上の株主を対象に、グループ各店舗(一部店舗を除く)で使える株主優待券(電子チケット)を年2回贈呈しています。
優待が利用できる店舗について、7月1日に3ブランド(豚々亭/大阪トンテキ/華蓮)が追加されています。
ただ、同社の場合、利用できるブランドや店舗が幅広いため、企業サイトの株主優待の案内ページから行きたいお店で使えるかどうか、事前にチェックするのが確実かつ早道です。
飲食店チェーンの株主優待の場合「このお店で使えるかどうか分からない」という点がストレスになることがありますが、同社の場合、公式サイトにしっかり検索ページが用意されています。
企業や店舗に問い合わせる手間が省けるため、「地味に助かる」のもうれしいポイントですね。
保有株式数:2月末日基準(5月中旬頃の贈呈)/8月末日基準(11月中旬頃の贈呈)
- 100株以上:1,500円分(年2回)
- 200株以上:3,000円分(年2回)
- 300株以上:4,000円分(年2回)
- 400株以上:5,000円分(年2回)
- 500株以上:6,000円分(年2回)
- 800株以上:8,000円分(年2回)
- 1,200株以上:10,000円分(年2回)
- 2,000株以上:14,000円分(年2回)
- 6,000株以上:20,000円分(年2回)
- 12,000株以上:24,000円分(年2回)
- 18,000株以上:30,000円分(年2回)
さらに、同一の株主番号で3回以上連続して800株以上を保有している株主には、上記に加えて800株以上で2,000円分、6,000株以上で4,000円分、12,000株以上で6,000円分、18,000株以上で8,000円分が追加贈呈される「継続保有株主優遇制度」もあります。
最低単元の100株で試算すると、年間の優待金額は3,000円分(1,500円分×2回)です。8月19日終値767円を基準にすると投資額は7万6,700円となり、優待利回りは単純計算で約3.9%。会社予想の配当利回り0.65%とあわせると、合計利回りはおよそ4.5%に達します(配当・優待とも今後変更される可能性があります)。
次回の権利付き最終日は「8月27日(木)」
次回の権利確定日(基準日)は8月31日(月)です。権利付き最終日は2営業日前の27日(木)、権利落ち日は28日(金)となります。
2026年2月のケース:権利落ち日は▲3.64%、3営業日後には権利付き最終日比▲6.24%に
優待が人気の銘柄の場合、権利確定の最終日前後は値動きが荒くなることもあります。
前回(2026年2月末基準・期末)の権利確定を例に、実際の値動きを確認しておきましょう。
権利付き最終日は2月25日(水)、権利落ち日は翌26日(木)でした。
権利付き最終日の25日は769円で終値をつけましたが、翌26日の権利落ち日には741円まで下落し、下落幅は▲28円(▲3.64%)となりました。出来高も540万株超と、前後の日(170万〜380万株程度)と比べて大きく膨らんでいます。この期の期末配当2円25銭(100株あたり225円)と株主優待1,500円分(100株あたり)を単純合算した理論上の権利落ち相当額は、100株あたり1,725円、1株あたり約17円25銭(株価に対して約2.24%)でしたが、下落幅はこれを上回りました。
その後も株価はやや軟調な地合いが続き、27日は▲4円(▲0.54%)の737円、3営業日後の3月2日には▲16円(▲2.17%)の721円まで下落し、権利付き最終日(769円)からの累計では▲48円(▲6.24%)となりました。なお、この期間の日経平均株価はむしろ2月27日に過去最高値を更新する上昇局面にあったため、同社株の下落が市場全体の地合いによるものとは考えにくい状況です。
株主優待は保有しているだけで受け取れる魅力的な制度ですが、権利付き最終日の直前に駆け込みで取得した場合、少なくとも今回のケースでは、優待・配当の還元額以上に株価が下落する結果となっています。次回(2026年8月31日基準)についても同様の値動きになるとは限りませんが、権利確定を狙って新規に投資する場合は、こうした過去の値動きも参考情報の一つとして知っておくとよさそうです。
クリレス株の権利確定前後3営業日の値動きチャート
年初来高値819円(7月15日)・安値685円(6月22日)のレンジのなかでは、直近の株価はやや高値寄りの水準にあります。
2027年2月期第1四半期は増収増益、営業利益は10.8%増
同社が7月14日に発表した2027年2月期第1四半期(2026年3〜5月)の連結決算は、売上収益432億7,700万円(前年同期比3.5%増)、営業利益33億7,800万円(同10.8%増)、最終利益22億1,700万円(同6.2%増)となりました。既存店売上高は前年同期比102.8%と堅調に推移しています。
通期の業績予想(売上収益1,710億円、営業利益90億円、最終利益57億円)は、4月の開示分から変更されていません。
第1四半期の実績を通期予想に対する進捗率でみると、売上収益が25.3%とほぼ計画通りのペースである一方、営業利益は37.5%、最終利益は38.9%と、利益項目は3カ月経過時点の単純な目安(25%)を上回るペースで進んでいます。
通期予想を据え置いた理由について同社は、新規M&Aによる連結貢献拡大が見込まれる一方で、国際情勢の不確実性や物価高に伴う消費行動への影響、市場環境の先行きが不透明な状況であることを慎重に考慮したためと説明しています。なお、前期(2026年2月期)も通期予想に対しては営業利益で約17.3%届かない結果に終わっています。
4つの事業カテゴリーとM&Aによる成長戦略
同社グループは、商業施設中心にレストラン・フードコートを展開する「CRカテゴリー」、「磯丸水産」などを中心とする「居酒屋カテゴリー」(2027年2月期にSFPカテゴリーから名称変更)、ベーカリーやラーメンなど専門性の高いブランドを束ねる「専門ブランドカテゴリー」、北米・アジアで展開する「海外カテゴリー」の4つで構成されています。
第1四半期は、居酒屋カテゴリーが主力の「磯丸水産」を中心に既存店が前年割れとなり減益となったものの、CRカテゴリーが大幅増益となったほか、専門ブランド・海外の両カテゴリーも堅調に推移したことで、連結全体では営業増益を確保しました。成長の柱として、ベーグル専門店「Tecona bagel」の大阪出店、関西の洋食ブランド「グリルRON」運営会社の子会社化、都内のラーメン専門店運営会社(株式会社イノセンス)の買収決定、米国での飲食事業(Hazelwood Food + Drink)の譲受など、積極的なM&Aで事業ポートフォリオを広げている点が特徴です。
SFPホールディングスを吸収合併、株主はクリレスの優待に切り替え
同社は4月14日の両社取締役会でSFPホールディングスとの吸収合併を決議。この目的に「経営資源の最適配分による成長の加速」「重複機能やインフラの集約による効率化の推進」「人的資本の活性化」を挙げています。これによってSFPホールディングスは6月29日に上場廃止しています。
クリエイト・レストランツHDを存続会社、SFPホールディングスを消滅会社とする吸収合併で、SFPホールディングス株式1株に対しクリエイト・レストランツHD株式3.2株が割り当てられました。
SFPHDの株主優待については2026年2月の実施分を最後に廃止されています。もっとも、クリエイト・レストランツHD株の割当交付を受けていれば、引き続き同社としての株主優待券がもらえます。
記者コメント
SFPホールディングスとの合併は、7月1日付ですでに完了しており、居酒屋カテゴリーの再編という形で次回以降の決算に反映されます。1Qは主力の「磯丸水産」の既存店回復が引き続き課題である一方、CRカテゴリーや専門ブランド・海外事業が成長をけん引する構図が続いています。
同社はかつての経営戦略の柱として「マルチブランド・マルチロケーション戦略」を掲げてきた経緯があり、現在はこれを「グループ連邦経営2.0」として再定義しています。中期経営計画でも「本質的価値の進化」の重点施策として「料理、サービス、立地の進化」を明記しており、商業施設・駅前・郊外ロードサイドなど立地特性に応じた業態開発力は、今回のSFP統合やM&Aによる事業拡大の土台としても引き続き重視されているとみられます。
また、100株で年3,000円分の優待が届く、ランキング上位常連の銘柄です。権利落ち後の値下がりリスクはあるものの、7万円台で買えるため損失額も抑えやすくなっています。リスクを割り切れるなら、この8月の権利確定をしっかり狙っていきたいところです。
参考
- SFPホールディングス株式会社「有価証券報告書」(EDINET)
- 株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス「2027年2月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年7月14日発表)
- 株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス「株主優待制度のご案内」
- 株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス「株主優待制度の拡充に関するお知らせ」(2025年7月14日発表)
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
