令和11年度に始まる「給付付き税額控除」手取り支援と社会保障「144.1兆円」の給付をFPが解説
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令和11年度に始まる「給付付き税額控除」手取り支援と社会保障「144.1兆円」の給付をFPが解説

社会保障給付費144.1兆円 GDPの20.8%時代に始まる新たな手取り支援策

執筆者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
07:05
令和11年度に始まる「給付付き税額控除」手取り支援と社会保障「144.1兆円」の給付をFPが解説
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この記事はここがポイント

  • 「給付付き税額控除」は令和11年度から所得に応じ現金給付される個人単位制度だ。
  • 令和8年度144.1兆円の社会保障給付費、国民負担増の中、給付と負担のバランスが課題だ。
  • 働き方シミュレーションと予防医療が、豊かな暮らしと持続可能な社会保障の両立に繋がる。

令和8年(2026年)8月5日、政府は「給付付き税額控除」の制度導入に関する基本方針を閣議決定しました。

筆者はFP(ファイナンシャルプランナー)として家計相談をお受けしますが、「扶養を外れないようシフトを調整している」「働きたいけれど手取りが減りそうで不安」という切実なお悩みをよく伺います。意欲があるのに働き方をセーブしなければならないのは、大変もどかしいことですよね。

こうした働き控えを和らげる新しい仕組みが、令和11年度からいよいよ本格導入されます。今回は、私たちの手取りに直結する「新制度の仕組み」と、それを支える「社会保障の現在地」について、半分ずつの割合でわかりやすく解説します。

【令和11年度から導入予定】新しい働き方を応援!「給付付き税額控除」と「つなぎ措置」

税額控除=納税額から一定額を減らす

税額控除=納税額から一定額を減らす
税額控除=納税額から一定額を減らす

給付付き税額控除とは、納める税金から一定額を差し引き、引ききれなかった分を「現金」で受け取れる仕組みです。令和11年度から導入予定の「所得に連動したきめ細かな給付」では、所得に合わせて以下の3つのステージが設けられます。

「所得に連動したきめ細かな給付」の本格導入のイメージ(中間とりまとめ(案) )

「所得に連動したきめ細かな給付」の本格導入のイメージ(中間とりまとめ(案) )
「所得に連動したきめ細かな給付」の本格導入のイメージ(中間とりまとめ(案) )
  • 増えていく(逓増)ステージ:勤労性の所得が一定水準に達するまで、所得の増加に合わせて給付額もアップします。
  • キープされる(定額)ステージ:所得が一定水準を超えると、給付額は一律の「定額」で安定します。
  • 減っていく(逓減・消失)ステージ:さらに所得が高くなると、公平性の観点から給付額が少しずつ減り、最終的には消失します。

この制度は「世帯」ではなく「個人単位」で設計されており、フリーランスの方や働くシニア世代も広く対象となります。また、18歳以下のこどもの人数に応じた加算なども検討されており、子育て世帯にも優しい設計です。

令和9年4月からの「つなぎ措置」にも注目!

令和9年4月「飲⾷料品に係る消費税率1%」

令和9年4月「飲⾷料品に係る消費税率1%」
令和9年4月「飲⾷料品に係る消費税率1%」

本格導入までの「経過措置(つなぎ)」として、令和9年4月から2年間、軽減税率対象の飲食料品に係る消費税率が「1%」に引き下げられます。さらに、公的機関のデータを活用した先行給付も行われ、全体として飲食料品の消費税負担が「実質ゼロ化」される見込みです(※対象は軽減税率適用のものに限られます)。

年間144.1兆円!社会保障給付費のリアル「給付と負担」のバランスをみる

新制度によって私たちの暮らしがサポートされる一方で、これらの支援の土台となる「社会保障制度」全体に目を向けることも同じくらい重要です。

社会保障の給付と負担の現状

社会保障の給付と負担の現状
社会保障の給付と負担の現状

私たちが安心して暮らすための医療、年金、介護、子育て支援などの社会保障サービスには、多額のお金がかかっています。2026年度(令和8年度)予算ベースで見ると、社会保障給付費はなんと144.1兆円。

これは国の経済規模(GDP)の20.8%にあたる巨大な金額です。私たちが病気になったときに窓口負担が少なく済むのも、充実した行政サービスを受けられるのも、この144.1兆円の給付費があるからです。

「給付」と「負担」のバランスという課題

こうした手厚い「給付」を維持するための財源は、私たちが毎月納めている「保険料」と、多額の「公費(税金)」で賄われています。社会保障費は高齢化に伴い年々増加しており、それに伴って私たちの国民負担率(収入に対する税金や社会保険料の割合)も増加しています。「手取りを増やすための新制度」がスタートする一方で、国としては「過度な負担とならないための不断の検討」を続けている状態です。

将来の世代へツケを先送りしないためには、「自分がもらえるお金(給付)」だけでなく、「みんなでどう支え合うか(負担)」のバランスを、私たち一人ひとりが意識していく必要があります。

まとめにかえて

今回は給付付き税額控除のしくみから社会保障の給付と負担について解説しました。新しい制度と社会保障の全体像を知ったうえで、今日から実践できる実用的なステップ(How-to)を2つお伝えします。

①「働き方」の選択肢をシミュレーションする

新制度の導入を見据え、「年収の壁」を気にせず働いた場合の手取りや、将来受け取れる年金額を家族で計算してみましょう。長期的なキャリアのプラス面が見えてきます。

②給与明細の「控除欄」に関心を持ち、健康づくりをする

毎月引かれている社会保険料が、144.1兆円の社会保障を支える大切な財源であることを意識してみてください。そのうえで、定期健診に行くなど「予防医療」に努めることは、ご自身の健康を守るだけでなく、社会全体の医療費負担を抑えることにもつながります。

個人の豊かな暮らしと、持続可能な社会保障。その両立に向けて、正しい知識を味方につけていきましょう。

参考資料

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村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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