【介護保険の基本】65歳以上で自己負担「3割」になるのはどんな人?介護保険料「月額6225円」2000年の制度開始から約2倍へ
buritora/shutterstock.com
執筆者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
18:30
【介護保険の基本】65歳以上で自己負担「3割」になるのはどんな人?介護保険料「月額6225円」2000年の制度開始から約2倍へ
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この記事はここがポイント

  • 2026年5月より介護保険利用者の預貯金把握、マイナンバー活用オンライン照会検討開始
  • 65歳以上の介護保険自己負担は原則1割、所得に応じ2割か3割負担の基準
  • 介護保険料は2000年開始2911円から現在6225円と約2倍の高騰

筆者はファイナンシャルプランナーとして、これまで多くのお客様の老後資金や介護にかかわるお金の相談業務を承ってきました。その日々の業務のなかで、介護保険の負担増に対する不安の声を耳にする機会が年々増えています。

そうした中、2026年5月より、国は介護保険利用者の預貯金などをオンラインで正確に把握するための実務的な議論をスタートさせました。今後の私たちの家計にどのような影響を及ぼす可能性があるのか、制度の基本を交えながら最新動向を解説します。

【介護保険の基本】65歳以上で自己負担「3割」になるのはどんな人?

介護保険は、高齢者の介護を社会全体で支え合うことを目的に2000年に創設されました。対象となるのは以下の2つの年代です。

介護保険制度の被保険者

介護保険制度の被保険者
  • 第1号被保険者(65歳以上)
    原因を問わず介護が必要と認定された方が対象
  • 第2号被保険者(40歳〜64歳)
    末期がんなど、加齢に起因する特定の病気で介護が必要となった方のみ対象

サービスを利用した際の自己負担割合は、原則として費用の「1割」です。ただし、65歳以上で一定の所得がある方は、その支払い能力に応じて負担割合が引き上げられます。

介護保険制度における利用者負担

介護保険制度における利用者負担

2割負担となる目安

単身世帯で合計所得金額が160万円以上、かつ年金収入などが280万円以上

3割負担となる目安

単身世帯で合計所得金額が220万円以上、かつ年金収入などが340万円以上

なお、40歳から64歳までの現役世代は、所得に関係なく一律で1割負担となります。また、特別養護老人ホームなどの施設へ入所した際の食費や居住費といった日常生活費は、保険適用外となり全額自己負担が原則です。

【上昇を続ける介護保険料】2000年の制度開始から約2倍へ「月額6225円」年代別の支払い方法

介護保険の運営資金は、半分を国や自治体の公費(税金)で賄い、残りの半分を加入者全員が支払う「保険料」で補う仕組みです。保険料の算出方法や支払い方は年代によって異なります。

65歳以上の方の保険料

お住まいの市区町村ごとに基準額が決められ、個人の所得に応じた段階的な金額が設定されます。支払いは原則として年金からの天引きです。高齢化に伴うサービス利用者の増加により保険料は年々高騰しており、制度開始時の全国平均は月額2911円でしたが、現在は月額6225円(令和6〜8年度)と約2倍に膨れ上がっています。

40歳〜64歳の方の保険料

職場の健康保険や国民健康保険など、ご自身が加入している医療保険の保険料と合算して徴収されます。

【預貯金1件ずつの確認から脱却】マイナンバー活用で進む公平な負担への道

今回、国が利用者の「預貯金」を正確に把握しようとしている最大の理由は、所得だけでなく保有する資産(預貯金)も考慮した「能力に応じた公平な負担」を実現するためです。

補足給付事務の主な流れ

補足給付事務の主な流れ

現状でも、所得が低い方の施設利用時の食費などを補助する「補足給付」という制度では、利用者の預貯金額をチェックしています。国は今後、サービス利用時の「2割負担」の対象者を拡大する一方で、所得が高くても預貯金が基準額より少なければ1割負担のままにするという緩和策の導入を検討しています。

しかし、これを全国規模で実施するには大きな課題がありました。現在は自治体が各金融機関へ個別に書面で照会を行っており、膨大な手間と時間がかかっているのです。そこで政府は、マイナンバーを活用してオンラインでスムーズに預貯金を照会できるデジタルインフラの構築に乗り出し、今年5月から本格的な検討を開始しました。

まとめにかえて

介護保険の財政を将来にわたって維持するためには、負担と給付のバランスを適正に見直すことが不可避な状況です。そのため、預貯金を含めた資産状況の正確な把握は、真に支援が必要な方へ制度を行き渡らせるための重要なステップと言えます。現役世代であっても、将来の負担増は決して人ごとではありません。日頃から最新の制度改定のニュースにアンテナを張り、ご自身の資金計画を見直すことが重要です。これを良い機会として、老後の生活スタイルや介護費用について、ご家族でしっかりと話し合ってみてはいかがでしょうか。

参考資料

Google で優先するソースとして追加
村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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