パーソナルファイナンスニュース

老後の年金「厚生年金」と「国民年金」みんな月いくらもらってる?現役世代が「老後資金を準備するための具体策」を年代別で解説

執筆者和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ
19:30

現役世代が老後に向けてすべきこと

日本の公的年金の平均受給額を見て、「思ったより少ないな」「自分は大丈夫だろうか」と感じた方も多いのではないでしょうか。

ここからは、元銀行員の視点も交えながら、現役世代の私たちが「老後の不安を解消するために、今すぐ起こすべき行動」を具体的なステップと年代別の戦略に分けて解説します。

【ステップ1】「ねんきん定期便」で将来の年金見込額を把握する

毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、WEB上で確認できる「ねんきんネット」をチェックしましょう。

ここで確認すべきは、「将来自分はいくらもらえるのか」の現実的な数字です。

また、もし学生時代などに年金保険料の「未納期間」や「猶予期間」があれば、後から納める「追納」ができないか検討してみてください。

追納することで、将来受け取れる年金額を確実に増やすことができます(※追納には期限があります)。

【ステップ2】老後の「生活費」をざっくり試算する

次に、老後にいくらお金が必要かを計算します。とはいえ、今から何十年も先の家計簿を細かくつける必要はありません。

まずは「いまの生活費」をベースに考えましょう。そこから、老後にはなくなっているはずの以下の固定費を差し引いてみます。

  • 子どもにかかる教育費
  • 完済している予定の住宅ローン
  • 現役時代にかかっていた仕事関連の諸経費

これらを引いた金額が、あなたの「老後のざっくりとした月々の生活費」になります。

【ステップ3】「不足額」を割り出し、準備すべき最低金額を知る

ステップ1でわかった「年金見込額」から、ステップ2の「老後の生活費」を差し引いてみましょう。

【計算式】「年金見込額(月額)」 - 「老後の生活費(月額)」 = 毎月の不足額

ここで割り出された「不足額」こそが、あなたが現段階で把握できる、老後までに最低限準備しておくべきリアルな金額です。

【年代別】老後資金を準備するための具体策

準備すべき金額がわかったら、次はその金額をどうやって作っていくかです。

当然ながら、20歳代と50歳代では取るべきアプローチ(戦略)が大きく異なります。

ご自身の年代に合わせて、最適な方法を選んでいきましょう。

20歳代:時間を味方に。コツコツ積立と税制優遇のフル活用

20歳代の強みは「老後までの時間がたっぷりあること」です。

  • 積立投資を早く始める: 少額からでも良いので、NISAなどを活用してコツコツと長期の積立投資をスタートさせましょう。時間は資産運用の最大の味方(複利効果)になります。
  • 制度の活用: iDeCo(個人型確定拠出年金)や勤務先の企業型DCなども視野に入れ、所得税や住民税を減らす(節税する)工夫をしながら、「減らせるものを減らし、増やす工夫」を習慣化させましょう。

30歳代:ライフイベントの波を乗り越えながら計画的に

30歳代は、結婚、出産、住宅購入など、人生の大きなイベントが重なる時期です。

  • 無理な住宅ローンは厳禁: 周りに流されてキャパシティを超える住宅ローンを組んでしまうと、老後資金の準備が完全にストップしてしまいます。計画性が最も重要になる年代です。
  • 投資の継続: 出費は増えますが、20代と同様にNISAやiDeCoを活用した積立投資の手は止めず、家計の一部としてたんたんと積み上げていきましょう。

40歳代:支出のピークを凌ぎつつ、老後のリアルと向き合う

40歳代は、子どもの教育費が本格化し、住宅ローンの返済も続くなど、人生で最もお金が出ていく「支出のピーク」を迎えます。

  • 家計のメリハリ: 非常に大変な時期ですが、老後の足音も少しずつ近づいてくる頃です。「教育費が終わったら一気に老後資金へシフトする」といった、数年先を見据えた家計のシミュレーションをはじめましょう。

50歳代:ラストスパート、「攻め」と「守り」のバランスが重要

50歳代に入ると、ねんきん定期便に記載される見込額の精度がかなり高くなり、実際の受給額との乖離が小さくなります。ここからは老後資金作りのラストスパートです。

  • 運用のピッチを上げる: 「NISAで毎月数千円」ののんびりとした積立では間に合わないケースも出てきます。iDeCoなどの税制優遇を最大限に活用し、所得税・住民税を極限まで減らして手取りを増やし、浮いたお金を少しでも多く運用に回すなど、ギアを上げる必要があります。
  • 安全資産の確保: 一方で、老後が目前に迫っているため、すべての資産を投資に回すのは危険です。暴落に備え、ある程度の割合は現金などの「安全資産」として確保しておくバランス感覚(守りの姿勢)が求められます。
  • 65歳以降の働き方を検討: 現状の資産状況と年金見込額を天秤にかけ、「65歳以降もパートや再雇用で働くべきか」といったリタイア後の働き方の最終調整を行いましょう。

まとめ

銀行員時代から多くのシミュレーションを見てきて確信しているのは、「早く現状を知り、早く行動を起こした人ほど、老後の選択肢が圧倒的に増える」ということです。

ご覧いただいたように、年金の受給額は現役時代の働き方や加入歴によって大きく異なり、まさに「人それぞれ」です。

平均額やモデルケースはあくまで参考とし、ご自身の状況と照らし合わせることが大切になります。

年に一度送られてくる「ねんきん定期便」や、いつでも加入記録を確認できる「ねんきんネット」などを活用して、ご自身の年金見込額を把握してみてはいかがでしょうか。

具体的な数字を知ることで、これからのライフプランもより考えやすくなるはずです。

参考資料

関連タグ

和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ

PROFILE

TOP