【提言】新NISAで始める「株式×投資信託」の賢い併用運用スタイル
ここでは、「投信or個別株」というどちらか一方を選ぶという視点を抜け出し、新NISAの2つの枠(つみたて投資枠・成長投資枠)を活用して両者を組み合わせる「コア・サテライト戦略」について分かりやすく解説します。
それぞれの「向いている人」の特徴を見て、「自分はどちらか一方に決めなければいけないのかな?」と感じたかもしれません。しかし、結論から言えば、現代の資産形成においてどちらか1つに絞る必要はありません。
むしろ、新NISA制度が持つ2つの非課税枠をフル活用し、「投資信託」と「株式投資」を組み合わせる併用スタイルが、初心者から中級者まで無理なく実践できる賢いアプローチとなります。
新NISAで『つみたて投資枠』と『成長投資枠』の2つが用意されたことで、併用という選択肢ができるようになりました。これによって『片方に絞らなければならなかった』旧制度よりも格段に使いやすくなり、投資信託と株式投資の両方にチャレンジできる環境が整ったのは、初心者が資産運用の一歩を踏み出すハードルをさらに下げてくれたと感じます。土台を着実に守りつつ、一部で攻めの投資を楽しむバランス感は、精神的にも理想の運用スタイルと言えるかもしれませんね。
新NISAの2つの枠を活用する「コア・サテライト戦略」
NISAのポイント
資産運用では、全体の土台を守る「コア(中核・守りの運用)」と、リターンを狙う「サテライト(衛星・攻めの運用)」に資金を分ける戦略が効果的です。
- コア(守り):つみたて投資枠で「投資信託」を積立 資産の7〜8割は、全世界株や全米株などの低コスト投資信託を毎月自動で積み立て、世界経済の成長に長く乗る土台を作ります。
- サテライト(攻め):成長投資枠で「日本の優良個別株」を保有 残りの2〜3割は、成長投資枠を使ってインフレに強い日本の高配当株や価格転嫁力(生産コストの上昇を製品やサービスの販売価格へ反映できる経営力)のある優良企業の株式を買います。1株から買える単元未満株(ミニ株)を使えば、少額からお気に入りの企業を複数分散して購入することも可能です。配当金という現金収入や株主優待を楽しみつつ、高いリターンを狙います。
この併用スタイルなら、分散投資で守りを固めつつ、個別株ならではの投資の醍醐味とインフレ防衛を同時に実現できます。
💡 あわせて読みたい
新NISAの成長投資枠などを活用して、個別の優良銘柄を何年・何十年と持ち続け、じっくり大きな資産へと育てる具体的な考え方やコツについては、こちらの「【2026年版】長期の株式投資はメリット・デメリットがある?NISA無期限化を活かしてインフレに勝つ資産形成」で詳しくご紹介しています。あわせて読むことで、よりブレない軸が作れますよ。
心理的ストレスを防ぐ「株価との距離感」
株式投資に取り組むあなたにとって、長期的な資産形成を阻む最大の敵は市場の値動きではなく「自分の感情」です。特に個別株を持つと、株価の変動が気になって「1分おきにスマホを見てしまう」という状態になりがちです。
資産運用で心理的なストレスを溜め込まないために、以下のルールをあらかじめ決めておきましょう。
- 投資信託のルール: 毎月の積立を設定したら、日々の基準価額は見ない。確認は「月に1回」程度に留める。
- 個別株のルール: 買う前に「なぜこの企業を買うのか」「どのくらい値下がりしたら撤退(損切り)するか」をメモに残す。
「投資は生活を豊かにするための手段であり、生活の主役ではない」という適度な距離感を保つことが、長く穏やかに投資を続けるコツですね。
私自身、現在は投資信託を運用中で個別株への投資は未経験なのですが、自分が応援したいと選んだ企業が成長し、それに伴って資産が増えていくという株式投資ならではの醍醐味には強く惹かれています。一方で、投資信託よりも業績やニュースなど気にかける事柄が多くなるのも事実です。だからこそ、株式投資の仕組みについて知り、購入理由や損切りルールを明確にして、自分なりの距離感と理解を深めてから始めるのが安心だと考えています。
株式投資で今すぐ試したいアクションと気をつけたい注意点
これから資産形成を本格化させたい株式投資を始めたい人へ、今日からできる実践ロードマップをご紹介します。
株式投資:今日からできる3つのアクションと注意点
今日からできる3つのアクション
- 新NISA口座を開設(または確認)する 手数料が安く、単元未満株の取引が充実している大手ネット証券などでNISA口座を準備しましょう。
- 「つみたて投資枠」で投資信託の少額積立(月1万円程度〜)を始める まずは全世界株式などのインデックスファンドを自動で積み立てる設定をし、資産運用の土台を作ります。
- 慣れてきたら「成長投資枠」で1株単位(単元未満株・ミニ株)から個別株を買ってみる 「かぶミニ」などの単元未満株制度を使い、身近で応援したい企業の株を数百円〜数千円で1株買ってみましょう。
気をつけたい2つの注意点
- 生活防衛資金(生活費3〜6カ月分)は絶対に確保する 投資に回すお金は、すぐに使う予定のない「余剰資金」に限定してください。
- SNSの「急騰おすすめ銘柄」を鵜呑みにしない 「今これが熱い!」といったネットの情報に鵜呑みで乗ると、高値掴みの罠にハマりやすくなります。自分がビジネスモデルを理解できる企業だけに投資するのが鉄則です。
まずは小さな一歩から始めて、じっくり投資の感覚を育んでいきましょう。
まずは投資信託の少額積立で運用の感覚を掴み、慣れてきたタイミングで1株単位から買える単元未満株(ミニ株)を使って個別株に挑戦する流れは、精神的にも非常にスムーズだと感じます。最初から完璧な運用を目指すのではなく、少額から実体験を積み重ねていくことで、日々の値動きに惑わされない『自分なりの投資観』が少しずつ養われていくのではないでしょうか。これから株式投資を始めたいという方にとって、記事内でご紹介したアクションプランが参考になりましたら幸いです。
参考資料
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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元独立系ファイナンシャルプランナー会社勤務。証券外務員二種・産業カウンセラー資格保有。FP会社で年間数百名の資産運用や投資を考えるお客様と接した経験をもとに、資産運用や投資を行ううえで生じる心理メカニズムや作用に配慮した、初心者でも安心して始められる情報発信を心がけている。
