パーソナルファイナンスニュース

「貯金があっても《不安》なのはなぜ?」元銀行員が解説する世代別の貯蓄状況と老後への備え方

【40~70歳代】世代別の貯蓄の実態

執筆者椿 慧理元銀行員/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
監修者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
07:30

貯蓄の目的は「老後資金」が圧倒的ー元銀行員が見た「貯めても不安が尽きない人」

同調査では、老後の生活について「心配である」と答えた世帯が78.2%と大多数を占める結果となっています。

さらに年収1200万円以上の世帯に絞っても62.2%が心配と回答しており、収入や貯蓄の多寡にかかわらず、老後に対する不安は広く共通した課題であることがわかります。

筆者が銀行員として働いていた頃、「貯めても貯めても不安」というお客さまを多く見てきました。しかしそれと同時に、老後を迎えてから「お金の使い道がない」と話すお客さまも同じくらい見てきました。

若い頃に懸命に働き貯蓄を積み上げたものの、いざ老後になると「欲しいものもないし、旅行に行く体力もない」と感じる方は決して少なくありません。

貯蓄を積み上げることは大切ですが、それだけで老後の不安が消えるわけではありません。不安の根本にあるのは「いくら必要かが分からない」ことです。

だからこそ、まずは自分の老後を具体的にイメージすることが大切です。次の章で具体的に解説していきましょう。

まずは、自分の老後を具体的にイメージしてみよう

一般的に老後資金の目安は2000万円といわれているものの、実際に必要な資金は各世帯によって異なります。より正確に老後資金を把握するためには、まず次のようなことを具体的に考えてみましょう。

  • 何歳まで働くか
  • 住宅ローンは何歳で完済するか
  • 退職金の有無と受取見込み額
  • 今後発生する大きな支出(車の買い替え、住宅リフォーム、子どもの教育資金など)
  • 現時点での年金受取見込み額

特に、住宅ローンは家計への影響が大きい支出のひとつです。「退職金で繰上げ返済できるだろう」「定年退職後も働き続けるから返済していけるはず」といったおよその計画ではなく、完済時期や退職時期、退職金の受取見込み額を照らし合わせて、具体的な数字で確認しておくことが大切です。

また、年金受取見込み額についても、ねんきん定期便やねんきんネットを活用すれば、現時点での見込み額を把握できます。年金は老後の生活を支える大切な収入源ですので、「現時点でどれくらいの年金額を受け取れるか」「毎月の支出をまかなえるか」ということをチェックしてみましょう。

具体的な数字を知ることが不安解消への第一歩

老後資金に対する不安は、「どれくらいの資金が必要なのか分からない」ということにあります。たとえ収入や貯蓄が多かったとしても、将来必要な金額が見えていなければ不安は消えません。

こうした不安を解消するためには、長期のライフプランを具体的に描くことが大切です。金融庁でも無料で利用できる「ライフプランシミュレーター」を提供していますので、こうした機能を活用しながら将来の家計収支を試算してみましょう。

銀行員時代、こうしたシミュレーションを通じて「なんだ、意外と大丈夫そうですね」と安堵の表情を浮かべるお客さまを何度も見てきました。漠然とした不安に振り回されず、まずは「見える化」することから、あなたらしい豊かな老後への第一歩を踏み出してみてください。

「老後不安の根本原因は『見えないこと』である」という筆者の指摘は、日々のファイナンシャルプランニング相談の現場でもまさに痛感するところです。まずはシミュレーションツールなどを活用して現状と未来を数値化し、ご自身のライフスタイルに合った「本当に必要な備え」を客観的に見極めることから始めてみましょう。

参考資料

Google で優先するソースとして追加

関連タグ

椿 慧理元銀行員/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ