この記事はここがポイント
- 世代別貯蓄は平均と中央値に最大1300万円差があり、自身の貯蓄実態把握には中央値の参照が重要点。
- 老後不安は78.2%の世帯が抱え、収入や貯蓄の多寡に関わらず「いくら必要か不明」が根本原因。
- 不安解消は、年金受取見込み額などを考慮した自身の老後ライフプランの具体的な数値化が第一歩。
総務省の家計調査によると、2025年の2人以上世帯の平均貯蓄額は2059万円と、比較可能な2002年以降で過去最高を更新しました。株高やNISA制度の普及を背景に、資産形成への関心はかつてないほど高まっています。
そんな今だからこそ、改めて「自分の貯蓄状況は実際どうなのか」ということを確認してみましょう。
ここでは、元銀行員の筆者が40~70歳代の貯蓄状況や老後に対する不安への取り組み方について解説します。現役時代、数多くのお客さまの資産運用や家計相談に乗ってきた経験から、データだけでは見えてこない「リアルなお金との向き合い方」をお伝えできればと思います。
【40~70歳代】世代別の貯蓄の実態
J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査2025年」によると、2人以上世帯における金融資産の平均保有額は次のとおりです。
<金融資産の平均保有額>
- 40歳代:1486万円
- 50歳代:1908万円
- 60歳代:2683万円
- 70歳代:2416万円
50歳代では老後資金の目安としてよく語られる2000万円にほぼ到達しており、多くの世帯が順調に貯蓄に取り組めている印象を受けます。しかし、あわせて中央値を見ると、その印象は大きく変わります。
<金融資産保有額の中央値>
- 40歳代:500万円
- 50歳代:700万円
- 60歳代:1400万円
- 70歳代:1178万円
平均値と中央値の間には、最大で約1300万円の開きがあります。これは、まとまった資産を持つ一部の世帯が平均値を大きく引き上げていることが影響しています。
自分の貯蓄状況を客観的に把握するには、平均値よりも中央値を参考にするとよいでしょう。
3000万円以上の貯蓄がある世帯の割合
同調査において、3000万円以上の金融資産があると回答した世帯の割合は次のとおりです。
<3000万円以上の金融資産を持つ世帯の割合>
- 40歳代:13.1%
- 50歳代:18.8%
- 60歳代:27.2%
- 70歳代:25.2%
3000万円以上の資産を持つ世帯の割合は、年齢が上がるにつれておおむね右肩上がりに増加しており、特に50歳代から60歳代にかけての増加幅が目立ちます。60歳代では退職金や保険の満期金など、まとまった資金を受け取る機会が多いことが影響していると推測されます。
関連タグ
大学卒業後、銀行に10年間勤務。個人・法人営業として投資信託や保険等の提案・販売に従事。現在はその経験を活かし、金融専門ライターとして活動中。2級FP技能士など保有。
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
