そろそろ決算シーズン到来、五大商社を数字で比較。配当利回りトップはどこ?「PER」が最も割安なのは?
Kenstocker/shutterstock.com
株式ニュース

そろそろ決算シーズン到来、五大商社を数字で比較。配当利回りトップはどこ?「PER」が最も割安なのは?

配当利回り・PER・PBR・上場来高値からの下落率……三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事の指標を一覧で整理

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
19:00
そろそろ決算シーズン到来、五大商社を数字で比較。配当利回りトップはどこ?「PER」が最も割安なのは?
Kenstocker/shutterstock.com

この記事はここがポイント

  • 配当利回りは三井物産2.82%が最高、三菱商事2.54%、住友商事2.46%の順
  • 割安度、PERは住友商事12.34倍、PBRは三井物産1.61倍で最低水準
  • 7月23日終値時点での上場来高値からの下落率は三井物産が▲25.5%で最大

株式市場では、半導体・AI関連銘柄の値動きに、一喜一憂する日々が続いています。

上昇局面では利益を伸ばせても、急落の場面で含み益が一気に目減りしてしまうと、「このボラティリティの高さについていけるだろうか」と不安を覚える方も少なくないはずです。

そうした値動きの荒さから距離を置き、より落ち着いて向き合える銘柄を探したくなるのは、自然な心理ではないでしょうか。

こうした流れのなかで、資金の一部がバリュー株へと回帰する動きも見られます。

なかでも根強い人気を誇るのが「総合商社」です。

五大商社は7月末から8月初めにかけて2027年3月期第1四半期決算を控えており、「決算発表の内容を見極めてから、落ち着いて買い時を判断したい」と考えている個人投資家の方も多いのではないでしょうか。

もっとも、ひとくちに総合商社といっても、5社それぞれに個性があります。

配当の高さに惹かれる方もいれば、株価の割安さや今後の伸びしろに注目したい方もいるはずです。

ここでは、決算を前にした五大商社の主要指標を数字で比較しながら、それぞれの銘柄がどのようなニーズに応えてくれそうかを見ていきます。

五大商社の決算日と株価指標(7月23日終値時点)

まずは、決算発表日と主要な株価指標を一覧で確認しておきましょう。

なお、PERとPBR、配当利回りは2026年7月23日の終値で算出しています。

※住友商事は2026年7月1日に1→4株、伊藤忠商事は2026年1月1日に1→5株の株式分割を実施済みです

五大商社比較一覧

五大商社比較一覧
出所:各資料より筆者作成

三菱商事

  • 決算発表予定日:8月3日
  • 7月23日終値:4,916円
  • PER:16.36倍
  • PBR:1.91倍
  • 配当利回り:2.54%
  • 27年3月期年間配当予想:125.00円

伊藤忠商事

  • 決算発表予定日:8月3日
  • 7月23日終値:1,971円
  • PER:14.41倍
  • PBR:2.09倍
  • 配当利回り:2.23%
  • 27年3月期年間配当予想:44.00円
  • 株式分割:2026年1月1日に1→5株

三井物産

  • 決算発表予定日:8月4日
  • 7月23日終値:4,970円
  • PER:15.31倍
  • PBR:1.61倍
  • 配当利回り:2.82%
  • 27年3月期年間配当予想:140.00円

丸紅

  • 決算発表予定日:8月3日
  • 7月23日終値:5,384円
  • PER:15.18倍
  • PBR:2.02倍
  • 配当利回り:2.14%
  • 27年3月期年間配当予想:115.00円

住友商事

  • 決算発表予定日:7月31日
  • 7月23日終値:1,629円
  • PER:12.34倍
  • PBR:1.68倍
  • 配当利回り:2.46%
  • 27年3月期年間配当予想:40.00円
  • 株式分割:2026年7月1日に1→4株

ここからは、この一覧をもとに「配当」「割安度」「値動きの調整幅」という3つの切り口で、5社を比較していきます。

配当利回りで選ぶなら、三井物産がトップ

まず、インカムゲインを重視する方が気になる配当利回りから見ていきましょう。

最も高いのは三井物産の2.82%です。

次いで三菱商事2.54%、住友商事2.46%と続き、伊藤忠商事2.23%、丸紅2.14%が最も低い水準となっています。

定期的な配当収入を安定して積み上げたい方にとっては、三井物産が有力な選択肢になりそうです。

割安度で選ぶなら、PERは住友商事、PBRは三井物産

一方、株価の割安さや今後の値上がり余地を重視する方は、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)を確認しておきたいところです。

PERで見ると、住友商事が12.34倍と5社の中で最も低く、割安感が際立っています。伊藤忠商事14.41倍、丸紅15.18倍、三井物産15.31倍はほぼ横並びで、三菱商事16.36倍が相対的に高い水準です。

PBRでは三井物産が1.61倍で最も低く、僅差で住友商事1.68倍が続きます。

三菱商事1.91倍、丸紅2.02倍、伊藤忠商事2.09倍は2倍前後の水準です。

配当と違い、割安さの先には「今後の株価上昇」という伸びしろへの期待が込められています。

目先の収入よりも値上がり益を狙いたい方には、住友商事や三井物産が比較検討の候補に挙がってくるでしょう。

上場来高値からの下落率は、三井物産が最大

最後に、7月23日終値が上場来高値から何%下落しているかを見てみましょう。

この下落幅は、押し目とみるか、まだ調整途中とみるかで受け止め方が分かれるところです。

下落率が大きい順に並べると、以下のようになります。

  • 第1位 三井物産:上場来高値6,675円(2026年4月8日)から7月23日終値4,970円へ、▲25.5%
  • 第2位 三菱商事:上場来高値6,012円(2026年5月15日)から7月23日終値4,916円へ、▲18.2%
  • 第3位 住友商事:上場来高値1,943.8円(2026年5月13日)から7月23日終値1,629円へ、▲16.2%
  • 第4位 丸紅:上場来高値6,328円(2026年2月12日)から7月23日終値5,384円へ、▲14.9%
  • 第5位 伊藤忠商事:上場来高値2,286.5円(2026年2月27日)から7月23日終値1,971円へ、▲13.8%

下落率が最も大きいのは三井物産で▲25.5%です。

三菱商事、住友商事は▲16~19%台で続き、丸紅・伊藤忠商事は▲14%前後とやや調整幅が小さくなっています。

配当利回りとPBRの低さで先ほども名前が挙がった三井物産は、裏を返せば高値からの調整も大きい銘柄だといえます。

まとめ

ここまで見てきたように、五大商社といっても指標ごとに強みを持つ銘柄はそれぞれ異なります。

①配当利回り重視なら、三井物産が最有力候補です

②割安さ(PER)を重視するなら、住友商事が突出しています

③割安さ(PBR)を重視するなら、三井物産と住友商事が拮抗しています

④高値からの調整幅の大きさは、三井物産が最大です

大切なのは、どの銘柄が「一番良い」かではなく、ご自身がどのようなスタンスで投資に向き合いたいかです。

配当という形で着実なリターンを積み上げたいのか、それとも割安さや伸びしろに賭けて値上がり益を狙いたいのか。

あるいは、大きく調整した銘柄を押し目とみて向き合うのか、まだ様子を見たいのか。

こうした自身の投資スタンスを改めて点検したうえで、方針に合った銘柄を検討してみてはいかがでしょうか。

決算発表は7月31日の住友商事を皮切りに、8月3~4日にかけて残り4社が控えています。

今回紹介した指標はあくまで決算発表前時点のものですので、発表後はあらためて内容をご確認いただき、ご自身の投資方針に照らして検討されるとよいでしょう。

参考

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
Google で優先するソースとして追加
高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

関連タグ