この記事はここがポイント
- ファーストリテイリング株価は3か月で12.7%上昇し、2026年7月21日は80,840円。
- 2026年8月期3Q累計決算で営業利益6,143億円、前年同期比36.2%増。
- ROE、ROIC、営業利益率など資本効率は小売業中央値を大幅に上回る高水準。
東証プライムに上場する小売業銘柄のファーストリテイリング(9983)について、2026年4月22日から2026年7月21日まで保有した場合の株価推移や変動率について紹介します。
あわせて、ファーストリテイリングの直近の2026年8月期3Q累計決算の概況も簡単に振り返ります。
※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
それでは早速見ていきましょう。
ファーストリテイリングの3か月間の株価推移
ファーストリテイリングの3か月間の株価チャート(折れ線グラフ)
ファーストリテイリングの株価は、2026年4月22日の71,710円から2026年7月21日の80,840円へと推移しました。
起点からは9,130円(+12.7%)上昇した格好です。
3か月間の平均値は78,581円、最高値は2026年7月7日の87,900円(平均値との乖離率+11.9%)、最低値は2026年4月23日の69,290円(平均値との乖離率-11.8%)となっています。
- 起点(2026年4月22日):71,710円
- 終点(2026年7月21日):80,840円
- 期間平均値:78,581円
- 期間最高値(2026年7月7日):87,900円(平均値との乖離率+11.9%)
- 期間最低値(2026年4月23日):69,290円(平均値との乖離率-11.8%)
ファーストリテイリングの直近の2026年8月期3Q累計決算
ファーストリテイリングの2026年8月期3Q累計決算は、売上収益3兆651億円(前年同期比+17.1%)、営業利益6,143億円(同+36.2%)、当期利益4,260億円(同+25.6%)でした。営業利益・当期利益はともに増益となりました。
- 売上収益:3兆651億円(前年同期比+17.1%)
- 営業利益:6,143億円(前年同期比+36.2%)
- 当期利益:4,260億円(前年同期比+25.6%)
- EPS:1,388.62円
ファーストリテイリングの資本効率・利益質分析
※本段落の情報は2025年8月期通期の有価証券報告書をベースとしています
ファーストリテイリングの資本効率指標
ファーストリテイリングの2025年8月期通期の資本効率指標は以下の通りです。
- ROE(自己資本利益率):20.2%(有価証券報告書開示値)
- ROA(総資産純利益率):11.2%(当期利益÷総資産で機械算出)
- ROIC(投下資本利益率、リース債務を含む有利子負債+自己資本ベース):14.3%(NOPAT=営業利益×(1−実効税率29.4%)、投下資本=自己資本+リース債務で機械算出)
- 純資産回転率:1.50倍
- 総資産回転率:0.88倍
ファーストリテイリングの利益質・EBITDAマージン
- 売上総利益率(粗利率):53.8%
- 営業利益率:16.6%
- 売上高純利益率:12.7%
- EBITDA:7,807億円(営業利益+減価償却費で算出)
- EBITDAマージン:23.0%
- 実効税率:29.4%
ファーストリテイリングの投資水準・減価償却
- 設備投資(CAPEX):1,719億円
- CAPEX対売上比:5.1%
- 減価償却費:2,164億円
- 減価償却費対売上比:6.4%
小売業内での資本効率比較
小売業239社のmedian(中央値)との比較は以下の通りです。
- ROIC:ファーストリテイリング 14.3%/小売業median 10.4%
- ROE:ファーストリテイリング 20.2%/小売業median 7.4%
- ROA:ファーストリテイリング 11.2%/小売業median 3.4%
- 営業利益率:ファーストリテイリング 16.6%/小売業median 3.7%
- 売上総利益率:ファーストリテイリング 53.8%/小売業median 48.9%
ROE・ROA・ROIC・営業利益率・粗利率のいずれも小売業medianを大きく上回っており、SPA(製造小売)モデルによる高収益体質が業種内で突出した水準にあることが示されています。
ファーストリテイリングの3か月間の株価まとめ
3か月間のファーストリテイリングは、71,710円から80,840円へと9,130円(12.7%)上昇しました。
期間平均値は78,581円で、最高値87,900円(平均値との乖離率+11.9%)・最低値69,290円(同-11.8%)のレンジで推移しました。
直近の2026年8月期3Q累計決算では、売上収益3兆651億円・営業利益6,143億円・当期利益4,260億円で着地しています。
株式投資において、日々更新される情報をリアルタイムに追うことは重要ですが、今回ご紹介したように時間軸を決めて過去を振り返ることも投資のヒントにつながります。
ぜひ参考にしてみてください。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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オリックスなどの国内金融機関出身。日本株アナリストおよび財務アドバイザーとして決算分析や資金調達を主導。「日経CNBC」出演などメディアを通じた相場解説の実績も豊富。企業財務に精通し、現在はモニクルリサーチで金融ニュースの深掘り記事を発信。
PROFILE
2022年より株式会社モニクルリサーチに所属。企業財務や金融ニュースの深掘り記事を精力的に発信し、読者の客観的な事実判断をサポートしている。
以前は第四銀行(現・第四北越銀行)やオリックスで中小企業融資に携わった後、DZHフィナンシャルリサーチやフィスコにて日本株アナリストとして活躍。上場企業の決算・M&A分析、IPO企業の初値予想レポートなどを多数執筆した。
さらに財務アドバイザーとして資金調達やIRコンサルティングも主導。経済情報番組「日経CNBC」への出演やリフィニティブへのレポート寄稿など、メディアを通じた相場解説の実績も豊富に持つ。
くらしとお金の経済メディア「LIMO」でも記事を執筆している。

直近3か月の株価推移と2026年8月期第3四半期累計決算、そして2025年8月期通期の有価証券報告書を照合すると、ファーストリテイリングの事業モデルの構造的特徴が改めて浮かび上がってきます。
まず、SPA(製造小売)モデルのワンストップさが資本効率面で高い水準につながっており、業種内比較でも明確に数字で表れています。
商品企画・素材調達・生産・物流・販売までを自社で管理する構造は、外部委託中心のアパレル小売と比較して粗利率の底上げに寄与しやすく、在庫回転を意識した店舗運営とEC強化の組み合わせも、営業利益率や資本回転率の押し上げに寄与しやすいです。
ROE・ROIC・ROAが業種中央値を上回っている背景には、投下資本がUNIQLO・GUなどの自社ブランドに集中し、資本当たり・資産当たりの収益性が相対的に高くなっているものとみられます。
次に、直近四半期の増収増益の勢いについて。既存店の販売動向・海外事業の伸長・為替換算影響など複数の要因が複合的に反映されています。
ただ、四半期の変化率自体は前年同期の水準が前提であり依存しているので、四半期単体の伸び率のみで継続的なトレンドと解釈するのは早計です。
通期予想や中期経営計画の進捗との整合で追っていく姿勢を持ちましょう。
それから、設備投資・減価償却について。対売上比が過度に膨らんでおらず、成長投資と資本効率のバランスがコントロールされている点は1つのポイントです。
ただし、店舗網の拡大とサプライチェーン強靭化、DX投資を継続する方針は示されており、今後の減価償却費・人件費の動向が営業利益率にどう影響を与えるかは注視すべきでしょう。
最後に留意点。同社は海外事業の売上比率が高いことから為替感応度はそれなりにあり、原材料市況、生産拠点地域の地政学リスクなど、実は海外における外部変数の影響を受けやすい構造を併せ持っています。
「過去実績が示す高い資本効率が今後も同水準で持続可能か否かはこれら外部要因と経営の対応力の組み合わせによって左右されうる点」は押さえておく必要があります。