この記事はここがポイント
- 2026年7月17日、半導体株全面安でJX金属(5016)は終値3,558円、前日比7.63%安
- 過去1年、自己株式TOBとInP基板増強発表が株価を急落・ストップ高させた激しい値動き
- 上場以来の生成AI需要により株価は急伸し、1年前と比較し4倍超の水準にある現状
2026年7月17日、東京株式市場は大幅続落となりました。前日の米国市場でハイテク株が売られた流れを受け、国内でも半導体関連の主力銘柄に売りが広がりました。
地政学リスクの再燃に加え、日本の連休を控えた手仕舞い売りも重なり、後場にかけて下げ幅は一段と拡大する場面がありました。
特に注目を集めたのは、これまでマーケットをけん引してきた値がさ株のキオクシアホールディングス(285A)の動きです。
朝方にストップ安まで急落した後、いったん値を戻す場面がありましたが、後場に入って再びストップ安水準に張り付き、そのまま値がつかず引けるなど、半導体関連株が軒並み売られる厳しい展開となりました。
こうしたなか、半導体関連銘柄の一角として個人投資家からも人気の高いJX金属(5016)にも、売りが膨らみました。
13時半過ぎにはこの日の最安値となる3,361円(前日比12.75%安)まで下落する場面もありました。
もっとも値がさ株が多い半導体関連銘柄のなかにあって、30万円台でインできるJX金属株については、押し目では拾いたいという向きも相応に存在したようです。
嵐のような一日となった17日の株価の動きと、過去1年の値動きから見えてくる同社の現在地を振り返ります。
JX金属(5016)の2026年7月17日終値は「3,558円」
半導体関連銘柄全体への売り圧力を受けて、同社株も朝から売りが先行。
後場に3,300円台まで下落するなど一段安となる場面がありましたが、引けにかけては買い戻す動きも出て、前日比7.63%安で取引を終えました。
- 株価(終値):3,558円
- 前日比:▲7.63%
- 始値:3,660円
- 高値:3,661円
- 安値:3,361円
- 出来高:28,586,200株
- 時価総額:3,391,426百万円
- 売買代金:100,013百万円
- PER(会社予想):28.91倍
- PBR(実績ベース):4.54倍
- 配当利回り:0.56%
JX金属(5016)の1年の材料+イベント&値動きをおさらい
JX金属株の直近の材料とイベント、値動きを振り返ってみましょう。
特に5月11日に2026年3月期通期決算を発表して以降は、材料やイベントが目白押しでした。
まずちょうど1年前の7月17日、JX金属株は832円でした。
同社は同年3月19日、ENEOSホールディングスからのカーブアウトという形で東証プライムに新規上場したばかりで、この時点ではまだ落ち着いた株価水準にありました。
その後、生成AI・データセンター向け需要の拡大を背景に、半導体用スパッタリングターゲットなど先端材料事業が急拡大し、株価は右肩上がりの展開に。
2026年5月11日には決算発表を控えた期待感から買いが先行し、上場来高値となる5,828円(終値5,720円)まで上値を伸ばしました。
しかし翌12日、この決算発表にあわせて公表されたENEOS保有株の自己株式TOBと転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行が悪材料となり、株式の需給悪化への懸念から一転急落。
終値は4,762円まで沈み、その後も軟調な展開が続き、5月20日には3,779円まで値を下げました。
その後いったん値を戻す場面もありましたが、株価が再び大きく動いたのは6月16日です。
この日、データセンター向け光通信インフラ需要の拡大に対応するインジウムリン(InP)基板の生産能力増強(4カ年で最大1,200億円の投資)を発表したことが好材料視され、株価はストップ高の4,466円まで急伸しました。
その後も高値圏でのボラティリティの高さが目立つ展開となり、7月16日終値は3,852円まで調整。
そして半導体株全般が急落した7月17日には、同社株も一段安となり、終値は前日比294円安(-7.63%)の3,558円まで売られました。
前日16日(前日比▲6.82%)に続く大幅続落となりました。
それでも1年前と比べれば株価はおよそ4.3倍の水準にあり、上場からわずか1年強で急成長を遂げた半導体材料株らしい、値動きの荒さと成長期待が同時に表れていると言えるでしょう。
JX金属株の年間チャート
まとめ
2026年7月17日、半導体株全般に売りが広がるなか、キオクシアHDがストップ安に張り付く厳しい展開となりました。
値がさ株が多い半導体関連銘柄のなかで比較的手が届きやすいJX金属(5016)にも売りが波及し、終値は前日比7.63%安の3,558円。
前日16日の6.82%安に続く大幅続落です。
同社は2025年3月に東証プライムへ上場して以来、AI・データセンター向け需要を背景に株価は急伸。5月の自己株式TOB発表で急落した後、6月のInP基板増強発表でストップ高となるなど値動きの荒い1年でしたが、1年前と比べれば株価はなお4倍超の水準にあります。
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
関連タグ
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
PROFILE
立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
