「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(7630)が26日、2027年2月期第1四半期の決算を発表しました。
国内外で圧倒的な知名度を誇る同社ですが、直近の業績動向はどうなっているのでしょうか。
今回は、発表されたばかりの最新決算のポイントをはじめ、発表後の株価の値動き、個人投資家から人気が高い「株主優待制度」の内容や、次回2026年8月末の権利獲得に向けた重要スケジュールまで網羅的に解説します。
壱番屋の2027年2月期 第1四半期決算:売上高は7.8%増も「増収減益」の着地に
壱番屋が発表した2027年2月期第1四半期(2026年3月~5月)の連結業績は 、売上高が169億7,600万円(前年同期比7.8%増)とトップラインは堅調に推移したものの 、営業利益は10億8,500万円(同14.3%減) 、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億2,800万円(同21.1%減)となり 、増収ながら減益の着地となりました。
前期(2026年2月期第1四半期)との比較は以下の通りです。
2027年2月期 第1四半期 業績のハイライト
【決算のポイント:増収減益の背景】
売上高に関しては、海外事業の進展や国内子会社の店舗拡大、各種販促施策が実を結び、169億7,000万円と前年同期を上回りました。
一方で利益面については、米をはじめとする食材仕入価格の上昇や、物流費の増加といったコスト高が直撃。
これらが利益を圧迫する要因となり、営業利益・純利益ともに前年同期を下回る結果となっています。
2027年2月期の通期業績見通し:予想は「据え置き」
なお、2027年2月期の通期連結業績予想については、直近に公表された数値からの修正はなく、据え置きとなっています。
2027年2月期 通期連結業績予想
- 売上高:726億円(前期比10.8%増)
- 営業利益:50億円(同6.0%増)
- 経常利益:50億4,000万円(同1.1%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:27億2,000万円(同6.1%増)
第1四半期はコスト高の影響から減益スタートとなったものの、通期では増収増益を見込んでいます。
今後は、引き続き厳しい経営環境のなかで、コスト高への対応と国内外における出店戦略の成否が大きな焦点となりそうです。
次回は8月末!投資家に人気の「株主優待制度」をおさらい
壱番屋の魅力は業績だけでなく、個人投資家から根強い人気を誇る「株主飲食優待券」にもあります。
全国の店舗で利用できるため、非常に使い勝手が良いことで知られています。
壱番屋の株主優待 概要
- 優待品の種類:株主飲食優待券(500円券)
- 権利確定月:2月末 / 8月末(年2回)
- 優待品の発送時期:2月末権利分は5月中旬、8月末権利分は11月中旬
保有株数ともらえる優待券の金額(年間)
100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて以下の優待券が年2回進呈されます。
- 100株~999株
- 優待券の枚数(1回あたり):500円券×2枚
- 年間合計金額:2,000円分(500円×2枚×2回)
- 1,000株~4,999株
- 優待券の枚数(1回あたり):500円券×4枚
- 年間合計金額:4,000円分(500円×4枚×2回)
- 5,000株~9,999株
- 優待券の枚数(1回あたり):500円券×12枚
- 年間合計金額:1万2,000円分(500円×12枚×2回)
- 10,000株以上
- 優待券の枚数(1回あたり):500円券×24枚
- 年間合計金額:2万4,000円分(500円×24枚×2回)
【利用時の注意点・ポイント】
- 国内の「カレーハウスCoCo壱番屋」のほか、あんかけスパゲッティ専門店「パスタ・デ・ココ」、パン専門店「SPICE UP!COCOICHI BAKERY」で利用可能です
- 店内での飲食だけでなく、持ち帰り弁当、宅配弁当、店舗商品の購入にも使えます
- 希望に応じて、自社指定商品(ギフトセット、レトルトカレー)への交換・配送も可能です
- お釣りは出ないため、額面以上での利用がおすすめです
- 有効期限は、手元に届いてから約1年間となります
【2026年8月期】優待獲得の重要スケジュール
次回の権利確定月は2026年8月末です。優待を獲得するためには、以下の「3つの重要な日付」をスケジュール順に把握しておく必要があります。
【最重要】権利付き最終売買日:2026年8月27日(木)
優待をもらうための「購入締切日」です。この日の大引け(取引終了)時点で株を保有している必要があります。
権利落ち日:2026年8月28日(金)
権利付き最終売買日の翌営業日です。この日以降であれば、株を売却しても8月期の優待はもらえます(※この日に新しく株を買っても今回の優待はもらえません)
権利確定日:2026年8月31日(月)
株主名簿の確定日(目標の日)です。上記スケジュール通りに動いていれば、自動的に名簿に登録されます。
8月の優待を手に入れたい方は、何よりも8月27日(木)の取引終了時までに株を保有しておくことを徹底しましょう。
壱番屋の成長軌跡とグローバル戦略:国内外1,500店舗超の巨大ネットワーク
1978年の創業以来、一歩ずつ着実にファンを増やし続けてきた壱番屋。2026年1月末現在、その勢いは国内にとどまらず、国内1207店舗、海外217店舗、グループ全体で計1,511店舗(※)を誇る、世界最大級のカレーチェーンへと飛躍的な成長を遂げています。
(※2026年5月末時点)
「自分だけの一皿」を生むカスタマイズ性と海外への挑戦
同社の代名詞とも言えるのが、自由自在なカスタマイズ性です。
「10段階から選べる辛さ」や「バリエーション豊かなトッピング」など、自分好みの味を追求できるビジネスモデルは、食文化の異なる海外市場でも高く評価されています。
現在はアメリカや中国、台湾、韓国、タイ、そしてカレーの本場・インドを含む12の国と地域へ積極的に進出し、日本発の「CURRY HOUSE CoCo壱番屋」ブランドを世界へ発信しています。
多角的なグループ展開(マルチブランド戦略)
壱番屋はカレー事業を核としながら、M&Aやブランド開発を通じて、多彩な飲食ブランドを擁するポートフォリオを構築しています。
- 壱番屋(パスタ・デ・ココ)
- 大黒商事(成吉思汗 大黒屋)
- 竹井(麺屋たけ井)
- LFD JAPAN(博多もつ鍋 前田屋)
- KOZOU(らーめん小僧等)
パスタやラーメン、ジンギスカン、もつ鍋といった多彩なジャンルをポートフォリオに加えることで、多様化する消費者ニーズに的確に応える体制を整えています。
壱番屋(7630)の決算後、マーケットの反応は?
最後に、29日大引け後の壱番屋(7630)の主要な株価指標を確認しておきましょう。
決算は減益でしたが、株価は「上昇」で反応しました。
- 株価(終値):883円
- 前日比:+1.49%
- 始値:857円
- 高値:887円
- 安値:846円
- 時価総額:140,953百万円
- PER(会社予想):51.82倍
- PBR(実績ベース):4.43倍
- 配当利回り:1.81%
今回の第1四半期決算は、コスト高による「増収減益」というやや厳しいスタートとなりましたが、通期での業績拡大への期待や、世界的なブランド展開、そして手堅い株主優待制度は引き続き同社の強みです。
29日の株価動向や各種指標を参考に、次回の8月優待獲得に向けた投資スタンスを検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
免責事項
- 当記事は情報提供を目的としており、特定の株式の購入や売却を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、最新の決算資料などをご自身でご確認の上、自己責任でおこなってください。記事の情報に起因して生じた損害について、当方は一切の責任を負いません
- 株主優待の内容や条件は変更される可能性があります。必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください
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PROFILE
立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
