経済メディアの編集記者である筆者は、50歳代。最近は同年代の友人と顔を合わせると、きまって「親の介護」や「これからの年金」のことがかなりの高確率で話題に上ります。
「ねんきん定期便が届いたけれど、想定外に見込み額が少なくてショックだった」「そもそも年金制度って複雑で本当に分かりにくいよね」……。そんなため息混じりのリアルな会話が日常茶飯事です。
将来もらえる金額や制度の難しさに一喜一憂する一方で、意外と盲点になっているのが「じゃあ、実際に年金をもらう時の手続きってどうすればいいの?」という疑問。
実は、年金は日本の「申請主義」のルールの通り、待っているだけでは1円も振り込まれません。
今回は、いざその時を迎えたらどう動けばいいのか、具体的な手続きの流れを優しく紐解いていきましょう。な流れを再確認し、スムーズな手続きに備えておきましょう。
【調査データ】公的年金の仕組み、認知度を項目別にチェック
私たちは、公的年金制度について、どのくらい理解しているのでしょうか。
厚生労働省が2024年3月に公表した「生活設計と年金に関する世論調査」によると、制度の項目によって認知度に大きなばらつきがあることがわかります。
公的年金制度について、みんなはどこまで知っている?
- 20歳以上の国民に加入義務がある:82.0%
- 60歳から75歳の間で受給開始時期を選べる:73.0%
- 現役世代が高齢者を支える制度である:66.8%
- 保険料の納付実績に応じて年金額が変わる:62.5%
- 生涯にわたって年金を受け取れる:56.4%
- 物価や賃金の変動に合わせて年金額が改定される:42.3%
- 「ねんきんネット」というサービスを利用できる:30.2%
- 「公的年金シミュレーター」というサービスを利用できる:8.4%
- いずれも知らない:5.1%
- 無回答:1.4%
加入義務や受給開始年齢の選択肢といった基本的な事柄は広く認識されています。一方で、物価スライド制や年金額を試算できる便利なツールに関しては、まだ十分に知られていないようです。
制度を単に「知っている」状態から、実際に「活用できる」状態へと移行するには、まだ情報提供の面で課題があるといえるでしょう。
では、年金の「受け取り開始時期や手続き」についてはどうでしょうか。
早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。
