【2026年夏】もうすぐ65歳になる人へ「年金請求書が届いたら」まずやるべき3つのこと
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【2026年夏】もうすぐ65歳になる人へ「年金請求書が届いたら」まずやるべき3つのこと

緑の封筒が届いたら要確認!親を見送った50歳代記者が痛感した「自ら動く」大切さと、スムーズに受け取るための事前準備

執筆者熊谷 良子編集記者
07:06
【2026年夏】もうすぐ65歳になる人へ「年金請求書が届いたら」まずやるべき3つのこと
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経済メディアの編集記者である筆者は、50歳代。最近は同年代の友人と顔を合わせると、きまって「親の介護」や「これからの年金」のことがかなりの高確率で話題に上ります。

「ねんきん定期便が届いたけれど、想定外に見込み額が少なくてショックだった」「そもそも年金制度って複雑で本当に分かりにくいよね」……。そんなため息混じりのリアルな会話が日常茶飯事です。

将来もらえる金額や制度の難しさに一喜一憂する一方で、意外と盲点になっているのが「じゃあ、実際に年金をもらう時の手続きってどうすればいいの?」という疑問。

実は、年金は日本の「申請主義」のルールの通り、待っているだけでは1円も振り込まれません。

今回は、いざその時を迎えたらどう動けばいいのか、具体的な手続きの流れを優しく紐解いていきましょう。な流れを再確認し、スムーズな手続きに備えておきましょう。

【調査データ】公的年金の仕組み、認知度を項目別にチェック

私たちは、公的年金制度について、どのくらい理解しているのでしょうか。

厚生労働省が2024年3月に公表した「生活設計と年金に関する世論調査」によると、制度の項目によって認知度に大きなばらつきがあることがわかります。

公的年金制度について、みんなはどこまで知っている?

公的年金制度について、みんなはどこまで知っている?
公的年金制度への意識
  • 20歳以上の国民に加入義務がある:82.0%
  • 60歳から75歳の間で受給開始時期を選べる:73.0%
  • 現役世代が高齢者を支える制度である:66.8%
  • 保険料の納付実績に応じて年金額が変わる:62.5%
  • 生涯にわたって年金を受け取れる:56.4%
  • 物価や賃金の変動に合わせて年金額が改定される:42.3%
  • 「ねんきんネット」というサービスを利用できる:30.2%
  • 「公的年金シミュレーター」というサービスを利用できる:8.4%
  • いずれも知らない:5.1%
  • 無回答:1.4%

加入義務や受給開始年齢の選択肢といった基本的な事柄は広く認識されています。一方で、物価スライド制や年金額を試算できる便利なツールに関しては、まだ十分に知られていないようです。

制度を単に「知っている」状態から、実際に「活用できる」状態へと移行するには、まだ情報提供の面で課題があるといえるでしょう。

では、年金の「受け取り開始時期や手続き」についてはどうでしょうか。

公的年金の基本!「国民年金と厚生年金」の2階建て構造とは

年金を滞りなく受け取るためには、自分がどの種類の年金を、どのような形で受け取れるのかを事前に把握しておくことが重要です。

日本の公的年金制度は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。

現役時代の働き方が、将来受け取る年金額にどう影響するのか、その基本的な仕組みを見ていきましょう。

年金制度は2階建て

年金制度は2階建て
日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成
日本の年金制度「2階建て構造」の図

日本の年金制度は、以下の2つの部分から成り立っています。

  • 1階部分(国民年金):日本国内に住む、原則20歳以上60歳未満のすべての人が加入する基礎となる年金です。
  • 2階部分(厚生年金):会社員や公務員などが、国民年金に上乗せして加入する年金制度です。

どちらの年金も、原則として65歳から支給が開始されます。

保険料を一定期間(原則10年以上)納付するなど、受給資格を満たした場合、年金は次のように支給されます。

  • 国民年金のみに加入していた方:「老齢基礎年金」が支給されます。
  • 厚生年金に加入していた方:「老齢基礎年金」に「老齢厚生年金」が上乗せされて支給されます。

このように、現役時代の働き方によって、将来受け取る年金の種類や額が決まる仕組みになっています。

65歳より前に年金を受け取れる?「年金の空白期間」を埋める2つの制度

ここからは、65歳になる前に年金を受け取れるケースや、具体的な申請方法について詳しく解説します。

年金保険料の納付は原則として60歳で終わりますが、年金の支給が始まるのは原則65歳からです。

この「空白期間」において、特定の条件を満たすことで65歳になる前から年金を受け取れる場合があります。

ケース1:対象者が受け取れる「特別支給の老齢厚生年金」

かつて、厚生年金の支給開始年齢は60歳でしたが、制度改正によって段階的に引き上げられ、現在は国民年金と同様に原則65歳からの支給となっています。

この制度変更による影響を緩和するため、特定の生年月日より前に生まれた方を対象に、65歳になるまで「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる経過措置が設けられています。

  • 1966(昭和41)年4月1日以前に生まれた女性

※男性の取り扱いについて
男性の場合、1961(昭和36)年4月1日以前生まれの方が対象でしたが、すでに対象者全員が65歳に達しているため、今後新たにこの制度の受給権が発生することはありません。

この経過措置の対象となるには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしていること
  • 厚生年金保険などに1年以上加入していたこと
  • 生年月日と性別に応じた受給開始年齢に達していること

受給が始まる年齢は、個人の生年月日や性別によって定められています。

ケース2:希望すれば前倒しで受け取れる「繰上げ受給」

繰上げ受給の減額イメージ

繰上げ受給の減額イメージ
出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」をもとにLIMO編集部作成
【グラフで分かる】繰上げ受給の減額イメージ

老齢年金を「60歳から64歳までの間」に前倒しで受け取る制度が「繰上げ受給」です。

2026年時点でよく話題になる「減額率0.4%(最大24%)」は、2022年4月以降に60歳に到達した世代(1962年4月2日以降生まれ)に適用されるものです。

これに対し、2026年に65歳を迎える方には、生涯にわたって「0.5%(最大30%)」の減額率が適用されます。

一度選択するとこの減額率は生涯変わらないため、繰上げ受給を検討する際は慎重な判断が求められます。

【2026年に65歳になる人へ】年金請求書が届いたら「やることリスト」

年金請求書の見本

年金請求書の見本
年金請求書の見本

老齢年金を受け取るためには、「年金請求書」を提出することが不可欠です。

この書類は、基礎年金番号や氏名などがあらかじめ印字された状態で、日本年金機構から郵送で届きます。

初めて老齢年金を請求する場合の手続き

  • 書類が届くタイミング:65歳(または特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢)になる3カ月前
  • 提出可能なタイミング:受給権が発生する誕生日の前日以降
  • 提出先:お近くの年金事務所、または街角の年金相談センター

特別支給の老齢厚生年金から切り替える場合の手続き

現在「特別支給の老齢厚生年金」を受給している方は、65歳になると「本来の老齢年金」へと切り替わります。

この切り替えの際にも、改めて年金請求書の提出が必要です。

  • 書類が届くタイミング:65歳の誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)
  • 提出可能なタイミング:誕生日の前日以降
  • 提出先:日本年金機構本部へ郵送(電子申請も可能)

請求書の提出を忘れてしまうと、年金の支給が一時的に止まることがあるため注意しましょう。

年金請求書の提出期限と注意すべきポイント

希望する時期から年金を受け取りたい場合、誕生月の末日(1日生まれの方は前月末日)までに請求書を提出するのが一つの目安です。

この期限を過ぎても受給する権利がなくなるわけではありませんが、支給開始が数カ月遅れる可能性がある点には注意が必要です。

また、年金の受給権には5年の時効が設定されています。請求書が届いたら放置せず、適切なタイミングで手続きを進めることが大切です。

年金受給は申請が必須!便利な電子申請の準備と流れ

将来の年金額をシミュレーションして一安心する方は多いかもしれませんが、「自ら手続きをしない限り、年金は1円も支給されない」という大原則は、意外と見過ごされがちです。

日本年金機構から送られてくる年金請求書に「電子申請のご案内リーフレット」が同封されていれば、便利なオンラインでの手続きが可能です。

申請をスムーズに完了させるため、以下のものを準備しておくとよいでしょう。

老齢年金請求書「事前申請に必要なもの」

老齢年金請求書「事前申請に必要なもの」
老齢年金請求書「事前申請に必要なもの」
  • スマートフォンまたはパソコン
  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカードに設定した2種類のパスワード
  • マイナポータルアプリ

パソコンから申請する際は、マイナンバーカードを読み込むためのICカードリーダライタなどが別途必要になる場合があります。

要注意!老齢年金の電子申請が利用できないケース

ただし、電子申請の案内が同封されていても、以下に当てはまる方はオンラインでの手続きができません。

  • 年金の受取口座として「公金受取口座」以外を指定したい場合
  • 配偶者が別居中、事実婚関係、または年収850万円以上である場合
  • 別居している18歳以下(障害がある場合は20歳未満)の子どもがいる場合
  • 住民票の住所とは違う場所に通知書などの郵送を希望する場合
  • 成年後見人などが本人に代わって申請する場合
  • すでに他の公的年金を受給している場合
  • 年金の「繰上げ請求」を希望する場合
  • 年金の「繰下げ請求」を希望する場合

これらの条件に該当する場合は、従来通り紙の請求書で手続きをする必要があります。

提出は、年金事務所や街角の年金相談センターの窓口、または郵送で行ってください。

老齢年金請求書の電子申請が可能な期間は、受給権が発生する誕生日の前日から10カ月後の日までと決められています。

紙の請求書を提出する場合に明確な期限はありませんが、年金の支給を受ける権利には「5年の時効」があることを忘れないようにしましょう。

まとめ:年金制度の理解から「請求手続き」という行動へ

親の介護や見送りを経験した身として強く実感しているのは、公的な制度は「知っている」だけでは不十分で、「自ら動く」ことで初めて自分や家族の生活を守れるということです。年金もまさに同じで、どれだけ制度に詳しくても、自ら「年金請求書」を提出しなければ受給は始まりません。

特に今年(2026年)、65歳という大きな節目を迎える1961年(昭和36年)生まれの方は、ご自身の誕生日の3カ月前(または誕生月初旬)に届く大切な書類をどうか見逃さないでください。

日本年金機構からの緑色の封筒が届いたら「後で確認しよう」とそのままにせず、早めに開封して準備を始めることが、受給漏れを防ぐための確実な第一歩です。

今度、同世代の友人たちと集まる時には、「年金の見込み額」の話題だけでなく、「誕生日の3カ月前に届く緑の封筒、忘れないようにしようね」と声をかけ合おうと思います。

この記事を読んでくださった皆さんのセカンドライフが、安心とともにスムーズにスタートできますよう。

参考資料

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熊谷 良子編集記者株式会社モニクルリサーチ

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