老後資金について考えなければいけないことはわかっているものの、まだ具体的に考えられないという方もいるでしょう。しかし、公的年金や老後の貯蓄額などは個人差が非常に大きいからこそ、早くから「自分の状況」を確認して備えることが大切です。
老後の年金額は現役時代に国民年金に加入していたのか、厚生年金にも加入していたのかやその加入期間、また厚生年金であれば収入に応じて納めた保険料などにより、個人差があります。日本人の平均寿命は男性81.09年、女性87.13年であり、基本的には年々伸びていて長い老後となる可能性もあるからこそ、興味を抱き確認していきましょう。
今回は一般的な年金受給額を確認すべく、60歳代から90歳以上までの年金の平均受給額を見ていきます。また長い老後に備えるための考え方を、元銀行員がわかりやすく解説します。
公的年金は「2階建て」。まずしくみを確認しましょう
日本の公的年金は、しばしば「2階建て」にたとえられます。
厚生年金と国民年金の仕組み
1階は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」です。保険料は一律で、40年間欠かさず納めると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れます。
2階は、会社員や公務員などが上乗せで加入する「厚生年金」です。こちらは収入に応じて保険料が決まり、加入期間や納めた保険料によって、将来の受給額に個人差が出ます。
どのような働き方をしてきたかで、受け取る年金の姿は変わってきます。たとえば、会社員として長く厚生年金に加入してきた方と、自営業などで国民年金だけに加入してきた方とでは、受給額に差が生じやすいといえます。裏を返せば、ご自身がどの制度に、どれだけの期間加入してきたかを知ることが、老後の見通しを立てる第一歩になります。まずは、しくみの全体像を押さえておきましょう。
年金額は毎年度、改定される。2026年度(令和8年度)の年金額とは?モデル夫婦は月23万7279円
もう一点知っておきたいこととして、公的年金の額は物価や賃金の動向をふまえて、毎年度見直されます。
2026年度は前年度に比べて国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の引き上げとなりました。老齢基礎年金の満額は月7万608円、会社員の夫と国民年金のみの妻というモデル世帯では、夫婦2人分で月23万7279円です。
額面は増えましたが、手放しでは喜べない面もあります。というのも、物価の上昇率ほどは増額となっていないため、実質的には目減りとなっているからです。
公的年金は物価高にまで対応できていないからこそ、老後資金で備えていく必要があるのです。
オリックスなどの国内金融機関出身。日本株アナリストおよび財務アドバイザーとして決算分析や資金調達を主導。「日経CNBC」出演などメディアを通じた相場解説の実績も豊富。企業財務に精通し、現在はモニクルリサーチで金融ニュースの深掘り記事を発信。
