キーコーヒー<9月30日が権利確定>の株主優待は100株から。営業利益95.3%増の1Qを支えた稼ぎ頭「コーヒー関連事業」を最新決算からひも解く
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キーコーヒー<9月30日が権利確定>の株主優待は100株から。営業利益95.3%増の1Qを支えた稼ぎ頭「コーヒー関連事業」を最新決算からひも解く

「イタリアントマト」などの飲食店も運営、通期は増収減益も1Q進捗率86.8%の中身を解説

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
15:30
キーコーヒー<9月30日が権利確定>の株主優待は100株から。営業利益95.3%増の1Qを支えた稼ぎ頭「コーヒー関連事業」を最新決算からひも解く
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この記事はここがポイント

  • コーヒー事業は価格改定と高付加価値化で利益率3.51%に改善
  • 通期は増収減益計画も1Q営業利益進捗率86.8%、下期に季節性要因
  • 9月末株主優待は自社製品詰め合わせ、権利落ち後の株価下落リスク

9月28日の権利付き最終日(実質的な購入期限)が近づき、個人投資家の関心は9月末を基準日とする株主優待・配当銘柄に集まりやすい時期を迎えています。

3月期決算の企業は中間期にあたる9月末も権利確定日に設定しているケースが多く、優待・配当をまとめて確認しやすいタイミングでもあります。

そうした9月末権利確定銘柄の一つが、コーヒー飲料大手のキーコーヒー<2594>です。

同社は7月31日発表の2027年3月期第1四半期決算で、営業利益を前年同期の4億円から7億8,100万円へと前年同期比+95.3%伸ばしました。

コーヒー生豆(なままめ)相場の高騰と円安という逆風が続くなかでの大幅増益は、どの事業が支えているのでしょうか。

最新決算から、同社の稼ぎ頭を読み解いていきます。

2027年3月期1Q、営業利益は前年同期比+95.3%の7億8,100万円に

キーコーヒーが7月31日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月期)決算は、売上高241億1,800万円(前年同期比+16.7%)、営業利益7億8,100万円(同+95.3%)、経常利益9億2,800万円(同+83.2%)、四半期純利益6億2,700万円(同+95.2%)と、増収増益で着地しました。

前年同期(2026年3月期第1四半期)の実績は売上高206億6,900万円、営業利益4億円、経常利益5億600万円、純利益3億2,100万円で、いずれの項目も大きく伸びています。

稼ぎ頭は「コーヒー関連事業」、価格改定と高付加価値化で営業利益率が1.96%から3.51%に

3つのセグメントのうち、売上高の87.8%、営業利益(3セグメント合計10億1,400万円)の73.4%を占めるのがコーヒー関連事業です。

原材料コストが過去5年で最も高い水準にあるなか、同社は「業務用市場」「家庭用市場」向けに価格改定を実施し、コスト上昇分を販売価格に転嫁する体制へ転換しました。

トアルコ トラジャや氷温熟成珈琲といった高付加価値商品の拡販、最短10秒で抽出できる新戦略商品「KEY DOORS+ JET BREW」シリーズの投入で商品ミックスも改善しています。

飲料メーカー等向けの「原料用市場」でも、生豆相場に連動した販売単価の上昇と新規顧客の獲得が増収に寄与しました。

この結果、コーヒー関連事業は売上高211億8,000万円(同+14.5%)に対し営業利益7億4,400万円(同+105.0%)となり、営業利益率は前年同期の1.96%から3.51%まで改善しました。

値上げと高付加価値化によって収益性そのものを引き上げている構図が、今回の大幅増益を支えています。

なお、全社の連結営業利益(7億8,100万円)は、3セグメント合計から本社費用など調整額(▲2億3,400万円)を差し引いた金額です。

また、飲食関連事業ではイノダコーヒのほか、カフェの「イタリアントマト」なども傘下で運営しており、コーヒー豆の製造・販売にとどまらない事業の広がりも同社の特徴です。

売上高は前年同期比+61.2%と高い伸びですが、主因は2025年7月30日付で連結子会社化したイノダコーヒの業績が今回から加わったことによる計上範囲の拡大で、既存事業の実力ベースの伸びとは性格が異なります。

通期は増収減益の計画、1Qだけで進捗率86.8%に

会社側が公表している2027年3月期通期の業績予想は、売上高950億円(前期比+2.1%)、営業利益9億円(同▲16.4%)、経常利益10億円(同▲24.2%)、純利益7億5,000万円(同▲24.1%)と、増収減益の計画です。

もっとも、第1四半期だけで営業利益7億8,100万円を稼いでおり、通期計画に対する進捗率はすでに86.8%に達しています。単純に四半期を25%ずつ按分するペースを大きく上回っています。

一方で、単体ベースの試算では同社は過去2期連続(2025年3月期、2026年3月期)で第4四半期(1~3月)に営業損失を計上しており、下期にかけて利益が剥落しやすい季節性があります。

1Qの高進捗だけを根拠に上方修正を確定視するのは早計で、通期の着地は今後の四半期決算を確認しながら見極める必要があります。

1株当たり配当予想は12円で、前期の実績(12円)と同額です。

コーヒー生豆高騰という逆風下でも、キーコーヒーは価格改定と高付加価値商品によってコーヒー関連事業の収益性を底上げし、1Qは大幅増益となりました。

一方で通期予想は増収減益の計画にとどまり、下期の季節性も踏まえると、1Qの高進捗がそのまま通期の上振れにつながるとは限りません。

9月30日が権利確定、株主優待は自社製品の詰め合わせ

キーコーヒーの株主優待は、毎年3月末日と9月末日現在で100株以上を保有する株主を対象に、自社製品の詰め合わせを贈呈する制度です。

実施は年2回で、3月末基準分は5月下旬頃、9月末基準分は11月下旬頃に発送されます。

保有株数別の優待内容

  • 100株以上200株未満:1,000円相当の詰め合わせ
  • 200株以上300株未満:2,000円相当の詰め合わせ
  • 300株以上1,000株未満:3,000円相当の詰め合わせ
  • 1,000株以上:5,000円相当の詰め合わせ

権利付き最終日は9月28日、権利落ちは9月29日

株主優待を受け取るには、基準日(9月30日)時点で株主名簿に記載されている必要があります。

国内株式の決済ルール「T+2」(約定日から2営業日後に受け渡しが完了する)で逆算すると、実際に株を買っておくべき期限にあたる「権利付き最終日」は28日、その翌営業日にあたる「権利落ち日」は29日です。

権利付き最終日を挟んだ値動き:2026年3月は3営業日で▲1.40%、2025年9月は▲5.22%

権利落ち日には理論上、配当・優待相当分だけ株価が下がりやすいとされています。

実際の値動きはどうだったのか、キーコーヒー<2594>の直近2回の権利確定(2026年3月期末、2025年9月中間期)について、権利付き最終日を基準日(0営業日目)とした前後3営業日の終値を確認します。

2026年3月期末のケース(権利付き最終日:3月27日)

権利付き最終日にかけては3月24日2,011円→25日2,020円→26日2,029円と値を切り上げていましたが、権利付き最終日の27日は2,005円と反落しました。

権利落ち日の30日は1,990円(前日比▲15円、▲0.75%)まで下げ、31日1,977円、4月1日1,977円と、権利付き最終日から3営業日後にかけて緩やかに下げ止まっています。

権利付き最終日から3営業日後(4月1日)までの下落幅は▲28円(▲1.40%)です。

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2026年3月)

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2026年3月)

2025年9月中間期のケース(権利付き最終日:9月26日)

権利付き最終日にかけては9月22日2,050円→24日2,059円→25日2,070円と上昇が続き(22日と24日の間には秋分の日の祝日を挟んでいます)、権利付き最終日の26日も2,068円とおおむね高値圏を維持していました。

ところが権利落ち日の29日は1,990円(前日比▲78円、▲3.77%)まで急落し、30日1,982円、10月1日1,960円と続落。

権利付き最終日から3営業日後(10月1日)までの下落幅は▲108円(▲5.22%)に達し、2026年3月のケースより下げが大きくなりました。

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2025年9月)

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2025年9月)

株主優待は保有しているだけで受け取れる魅力的な制度ですが、権利付き最終日直前に新規で取得する場合は、過去の実績を踏まえると優待・配当の価値以上に株価が下落するリスクもある点は念頭に置いておきたいところです。

記者コメント

コーヒー生豆相場の高騰と円安が続くなか、キーコーヒーは価格改定と高付加価値商品の拡販によって、コーヒー関連事業の営業利益率を1.96%から3.51%まで引き上げました。

原材料高を避けられない食品業界において、値上げをどう浸透させ、収益性の改善につなげるかという点で参考になる動きです。

9月30日の権利確定に向けて優待狙いで投資を検討する場合は、決算の伸び自体は好調でも通期予想は増収減益の計画にとどまっている点、そして権利落ち後の値動きは回によって差がある点もあわせて確認しておくとよいでしょう。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

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