徳田 椋
厚生年金と国民年金、受給額の「差」はいくら?
老後家計の柱となる公的年金ですが、加入していた制度によって受給額は大きく変わります。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均月額は次のとおりです。
年金制度別の平均月額(全体)
- 厚生年金(国民年金部分を含む):15万289円
- 国民年金(老齢基礎年金):5万9431円
- 月額差:約9万858円
単純に比較すると、厚生年金と国民年金では月あたり約9万円の差があります。年間・老後20年で試算すると、次のような規模感になります。
- 年間の差額:約109万円
- 老後20年の合計差額:約2180万円
加入していた制度の違い(※)だけで、老後20年で2000万円を超える差が生じる計算です。「老後2000万円問題」に匹敵する格差が、現役時代の働き方の選択に組み込まれていることになります。
※ただし、これらはあくまでも平均額であるため、制度だけで受給額が決まるわけではありません。次章でくわしく見ていきましょう。
【年金額】個人別で見ると差はさらに広がる
制度による差だけでなく、男女別・個人別でさらに分解してみましょう。同じ調査による平均月額は次のとおりでした。
厚生年金(国民年金部分を含む)の平均月額
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
国民年金(老齢基礎年金)の平均月額
- 男性:6万1595円
- 女性:5万7582円
厚生年金 階級別受給権者数
出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成
男性の場合、厚生年金と国民年金の差は月10万8372円、女性でも月5万3831円あります。
個人差で見ると厚生年金は階級別分布幅も広く、月10万円未満が19.0%、月20万円超が18.8%と上下に散らばっており、「厚生年金加入者」でひとくくりにできない実態も見えてきます。
国民年金は男女ともに5〜6万円台に集中しており、制度の性格上、差が生じにくい構造です。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在はLIMO編集部で年金・貯蓄・退職金等の金融情報を発信。
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